やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

不動産屋の店長が教員に教えてくれた「プロ」になるために必要な5つのこと

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◯働きながら引っ越しをする難しさ…

入試業務のある繁忙期に自分で自分の首を絞めているのですが、そろそろ引っ越しをする予定です。貴重な休みを、物件探しに費やすのは相当痛いのですが、仕方ない。

企業から教員に転職した時も、働きながら遠方への転居でした。

そのときは、

人生一度きりなので、いろいろやってみよう!今は色々経験しよう!」という信条を持っているので、、ハイエース(下の車種)を借りて自分で荷造り・運搬等をして分かったことは、

Jamaica-Toyota Hiace

プロってすごい!!(引越しを1人でやると筋肉はつくが、二度とやりたくない)ということ。

当たり前ですが、洗濯機ひとつ運ぶのにも、1人だと相当しんどかったのです。

別の機会に引っ越ししたときは業者さんにお願いしたのですが、本箱一つ運ぶのにも、足元の段差や、周りとの距離感を把握しつつ手早く運んでいくプロの仕事に私は思わず唸りました。

※ちなみに、洗濯機等の重い物を1人で運ぶ際は、腰ベルトも使って三点で支えて運ぶのがベストという結論に至りましたので機会がある人は試してみて下さい。

そして今回私が「プロ」を感じたのが、

不動産屋の店長さんの対応です。

5つにまとめてみます。

 

①質問から引き出す

この繁忙期に予約をしないで来店した私(ごめんなさい)に対しても全く動じることなく、的確に条件からオススメの物件を提示して下さいます。(当たり前といえば、当たり前か?)

教員の場合はどんなときも、どんなにちっぽけに見える生徒の話でも質問から丁寧に引き出すことが大切だと再認識しました。面談のそもそもの目的は「解決」ではなく、「共感」と言うのに似ているでしょうか。(これも当たり前ですかね。)

 

②圧倒的な情報量

やはり店長さんですから、ご担当エリアの物件情報に非常に精通されていて、

13 Mile Floor Plan

こういう間取り図を見せるだけでなく、かつて訪問したときの様子や、最近その物件に行った周りの社員さんから情報を引き出し、リアルな状態を話してくれました。

教員の場合は、進路指導でも同じことが言えるかもしれません。やはり、その大学・高校にどれだけ精通し、リアルな声を知っているかは、進路指導を任される立場として大きな要素です。受験指導における過去問研究もしかりですね。

 

③相手への言葉遣い

先の話の続きで、「リアルな状態」を私に伝える時に店長さんは、「自分が過去に担当してその物件に住んでいる(た)方の声」をストックしていました。

それだけでもプロなのですが、さらに言葉遣いもかっこよかった。

以前訪れた不動産屋さんの新人営業マンの方との違い(ごめんね)はこんな感じ。

店長「お手伝いさせて頂いた方」

新人「紹介した方」

satoshi close-up

細かい所かもしれませんが、この言葉の選択はプロだなあと思いました。

教員の言葉遣いは大変重要です。生徒はよく聞いていて、家庭で「◯◯先生の言葉遣いが汚い」「◯◯先生にこんな言い方された」ということも筒抜けです。

私は普段「この生徒たちの保護者の方々が今いても同じ授業ができるか」という基準を大切にしていますが、発言・コミュニケーションなくして成り立たない仕事なだけに、軽率な発言には気をつけなければいけません。

 

④お部屋への言葉遣い

これは感じ方が分かれるかもしれませんが、

店長「コンパクト」

新人「せまめ」「悪い」

もし大家さんが下の言葉を聞いたら,その人に自分の物件のセールスを任せたくなくなるでしょう。たかがそれくらい、ですが、されどそれくらいだと感じました。

本音を言わないのとは違うので、そこをはき違えないのが大切ですね。

 

⑤物件の出し方

①の内容と関連しますが、物件提示の仕方が、

店長は減らす

新人は増やす

でした。具体的に言えば、

店長「勝手ながらオススメの物件をいくつか出してみますので、なんとなく比べてみて頂けますか?」

新人「広さと駅近どっちなんですか?じゃあこれなんかどうですか?」

という違いです。あまり情報を与えすぎても、相手にとって「それが本当に益になるか」や「今がそれに適したタイミングか」わかりません。これを見極めるのは教員として超重要と思っています。

教員は「声かけ」1つのタイミングも推し量るような仕事です。

それゆえ、非常に疲れますが、声かけや、指導のタイミングが「ハマった」ときはまた格別の喜びにもなります。損得抜きで何が生徒の益になるか、を考えられるいい仕事だと思います。(だから薄給で社会的地位が低くてストレス大でも求職者が絶えない)

 

「世の中は誰かの仕事でできている」とは有名なCMのキャッチコピーでしたが、

どんな職業にもプロがいて、そこから学ぶのは楽しいと感じた出会いでした!