読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

やっちゃえ先生ブログ

教員の、教員による、教育のためのブログ。 大胆かつ繊細に、実のある記事を。 民間企業→私立中高一貫校→私立高校(今ココ)。

中学入試本番!私立中で1年間にかかる教育費はいくら?

f:id:Yacchae:20170201215013p:plain

今年度の中学入試がほぼ一斉に始まったでしょうか。学校側もこの日のために広報活動・作問・その他諸々の活動をし続けて、さあ本番!という緊張感でいっぱいです。

人生初めての受験を中学受験で迎える保護者の方々の緊張も伝わってきます。

何とか受験生がベストを発揮できるような環境づくりをするくらいしかできないのですが、頑張ってもらいたいですね。

と同時に、入試は「今目の前にいる受験生・保護者の頑張りと期待に応えるだけの教育活動が展開できているのか?」と自問自答できる機会でもあります。

 

◯私立中学に通わせるためにはいくら必要?

学校によってもちろん学費が異なりますが、それをまとめている分かりやすい記事がありましたので紹介します。

データで見る子どもを私立中学に進学させる親の年収ライン | 受験ボックス

このサイトが文科省の統計から算出した私立中の1年間の学費は

1,338,623円!!

ちょっとびっくりでした。こんなにとは思っていませんでした。私立大学の年間学費に匹敵します。いやむしろ、子どもがアルバイトできず、加えて塾などの学費が含まれるとなれば、中学時代の1年間133万円は、家計により大きな負担感があるはずです。

教育費には施設費・PTA会費・制服代・クラブ活動代・課外活動費用(修学旅行など)が含まれるからこれだけの金額になる、と言われればそうなのですが。。

私自身広報を担当しているので、他校の説明会ブースをみていても確かに最近の私立中学の修学旅行はほとんどが海外ですね。それも、ホームステイで1週間くらい行かせたりする。そうなると、数十万円程度はかかってきます。大きいですね。

 

◯公立中学だと・・・

これが公立中学になると、481,841円です。

その差は約3倍。

公立中3年間の学費を、私立中1年間で必要としているわけです。

教育の難しい所は、「私立中の1年は公立よりも3倍程度濃密なコンテンツ満載の1年である」と言い切れない所

中学の3年間はゴリゴリの教科指導というより、教科や行事を通して生活指導することが多かったり、人格の形成を手助けするような時間です。

このように、教育の成果は数字で図れない、とは言いますが、

だからといって3倍のお金を払っている保護者の期待・生徒自身のやる気に応えないというのはこれは絶対にいけない。だから、学校はもっと必死にならないといけないと思うのです。

といっても、大体学校という組織は、管理職と若手が必死で、中間層がのほほんとしている、のがオチなんですが、それじゃあいけない。

 

奨学金があるじゃないか!!とは言え…

こういう議論になると、必ず奨学金の話が出ます。「所得の低い家庭には補助が出る、だから公立より3倍数字では負担だが、実態は違う」という主張です。一理あります。

が、今は教育産業が溢れている時代。

結局は、親の所得って子どもの学びに直結するのです

入試の仕組みも、「自分の子どもが他の子どもよりも「優秀」であればよい」という原理の元に成り立っています。

だから、所得の高い保護者は子どもを習い事や塾に通わせて、学校外での教育費支出を増やすでしょう。

奨学金がどれだけ教育の機会格差を縮めているか?

・学校外での教育費支出が子どもの学歴にどう影響しているか?

という問いをもっと掘り下げて、一般にも広く知られるようにしないといけません。(こんな評論家みたいな書き方で本当に忸怩たる思いです。また、『学力経済学』で有名な中室先生や、教育社会学の大御所・苅谷先生あたりがその研究で有名です。

 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

 

格差社会と教育改革 (岩波ブックレット)

格差社会と教育改革 (岩波ブックレット)

 

 

 

◯おわりに

話が脱線しましたが、「自由と多様性」を原理にもつ私学の教員として、非常に考えさせられます。公立の3倍の学費を頂戴して、何をしていくのか。

この重みをもっと感じなければ、私学は淘汰され、いっせーの!で改革する公立の後塵を拝することになるかもしれません。「多様性」がウリであっても。

 

私学教員として、教育費の減額に寄与することが出来るとすれば、制服等の学校用品取り扱い業者の「どんぶり勘定」を見直し、入札制にする。ということがあります。

が、これって難しくって、建学時など苦しいとき助けてもらったから〜〜なんていう昔のよしみで放任されちゃったりしているよな…というのも事実。この辺は中小企業のような私学という組織の難しさです。