首都圏の中学入試が終了し、ようやく学校も一段落。ここからは、入学してくれることを願いつつ、入学書類提出期日を待つことになります。
それまでは約1週間あるので、祈ることしかできない、が基本ですが、例外が1つだけ。「(他の学校と迷っているので)学校内を見学させて下さい!」という申し出に真摯に対応することです。
1人の人生の6年間を左右する(中高一貫校なので)ので、本当に熟考してほしいと思います。
そんな今日、smartnewsでこちらの記事を読み、思うことがいくつかあったので、記事を書いてみようと思うに至りました。
◯とっても理解あるお父さん!
総じて思った感想は、いいお父さん!です。(評価するつもりはないのですが)
①お子さんに熱い志望校選定プレゼンを行うなど、子どもに想いを効果的に伝えていながら、おしつけはせずに本人が意思決定の中心にいることを本人が認識できるような働きかけをされていること。言葉だけではなく、行動が伴われているのが素敵です。
同時に、
②お母さんとの役割分担・バランスに配慮されていること。
がとっても素敵だと思いました。この2つは入学してからも超!大事です。
①がなければ強い意志も生じにくく人任せ的な態度が表面化してきそうですし、
②がなければ子どもの逃げ場がなくなってしまうからです。
こんな保護者の方であれば、入学後も学校とご家庭と協力してお子さんのために力を合わせられそう!!と担任を持つ身として素直に思いました。
時系列に、心情の変化と実際の行動をまとめられている読みやすい記事の中で、印象に残った言葉があります。
◯公立か、私立か。
そのまま引用させて頂きます。
私立派と公立派は基本的には分かり合えるものではないと思ってる。何しろ、1人の人間が私立中学と公立中学の両方に通うことは基本的にはないのである。公立中に通い、そこでの生活に満足した人は公立派になるし、不満足ならアンチ公立派=私立派になる。私立中に通った人も同様である。両者を公平かつ客観的に比較するのは難しく、どうしても主観が入り交じる。
私自身、公立の中高で育ち、そこそこ満足していたので公立派なのですが、現在私立中高に勤務しています。つまり、「公立」と「私立」の両者の経験があるため、その視点から思うことがありました。
◯公立と私立の教員組織の違い
私は教育実習を公立中で行いました。そこで最も「むむむ」と思ったのは、
新しい意見なんて一つも求められていないじゃないか!!!ということ。
例えば、多くの公立中の会議は、正直言って会議ではなくて伝達です。
極端に言えば、新しい意見や取り組みのアイディアなど、求められていないのです。(切ない)
偏差値が高かったり、特色ある取り組みがあったりすると、独自の取り組みを行う予算を都道府県や国から与えられているので、多少新しい企画があったりします。
が、まあそれも予算がつくということは使途を明確にするものなので、基本的には「上」が「上の上」とやりとりをして決めていく世界。
現場で生活指導+進路指導ができる先生がやっぱり大事なのです。
公立か,私立か、となったとき、ここは大きな違いだと思います。
◯「自由と多様性」の原理に成り立つのが私立校
一方で、私立に勤務する教員として、こういうコメントはとても嬉しい(自分の所でないにしても、「自由と多様性」の原理に成り立つのが私立校だから)です。
正直言うと、それまではどの学校も大した違いはないと思っていた。しかし校長の話しからは教育に対する信念や熱い思いが伝わってきたりこなかったり、個性的なカリキュラムを持つ学校があったりと、それまでの自分の考え方は誤っていたことに気付かされた。
なるほど、これが私立か。
理念にもとづいて、本当に信念をもってやっています。(多くの教員は!)
新しい企画も、取り組みもできる土壌が私立にはあります。(多くの学校は!)
すべてとはいえないのが虚しい所ですが、私はやりたい放題やって、少しずつ認められて浸透している企画などがあります。学校外から評価して頂いている企画もあったりするのは冥利に尽きます。これぞ私立教員組織の素晴らしさです。
と同時に、このお父さんの言葉を読んで、
校長の話は割り引いて聞いて下さいね…とも思ったりします・・・
◯校長の話
もちろん、話が響くに越したことはないのですが、やはり営業トーク的な要素があることは否めません。むしろ、私が親だったら、普通の先生に「ここの校長先生ってどんな方ですか?」とか「校長先生がどういう学校にしたいと思われていると思いますか?」って聞きます(笑)
理由は、教員組織の同僚性(上下関係が少なく、校長ですら「同輩中の首席」と呼ばれる)がいかされているか、の本音が透けて見えるから、です。
複数の先生に聞けば、その返答次第で、校長先生が信頼されているか、やリーダーシップがどれくらいあるか、が分かります。
あと、生徒数が減っていたら「これって何で減っちゃってるんですかね?」とか「それって今後どうしていく、とかあるんですか?」なんて聞いてみると、エグすぎるでしょうか。(私はこういうことを聞かれると熱く会話してしまいます笑)
とまあ色々と書いたのですが、
このお父さんが非常に学校を理解している親であり、
そのお父さんの言葉の精度と信憑性がかなり高い
(学校現場からみても、「よく理解されているお父さんだなあ」と思うであろうお父さん像)ので、
そのまま読んでもらった方が早いし、学びになる!
と思いました。(言葉足らずですみません)
熱くなって文量が増えてしまいました。もちろん、私は公立反対派ではありません。ということだけは添えておきます。