それに対する籠池理事長夫妻の対応がちょっと驚きを禁じ得ません。
大阪府は籠池理事長から直接事情聴取しようとしたが「籠池氏の妻が職員の顔を写真で撮影し続けるなどしたため、ほとんど事実確認をできないまま」30分ほどで打ち切ったと説明している。松井一郎知事は「全く冷静な話し合いができなかった。(調査は)即打ち切り」と話した。
上の引用にみられるような対応であれば、当然、学校設置の許認可権をもつ大阪府の対応もいかんともし難いでしょう。
今日の理事長の取材の一部始終がすでに文字起こしされていますが、なんというか、もうどこから話をしたらいいのか分かりません。
しかも、籠池理事長の妻が「情報を漏らしたの誰」と発言したそうですが、
もうすでにその発言が、森友学園側の”やましさ”を表しているような気がします。
職員を撮影、調査中止に=学園側「情報漏らしたの誰」-大阪府会見・国有地売却問題:時事ドットコム
◯こうなってくると、森友学園つぶしで終わる?
色々な問題が出てくると、(舛添さんのときのように?)とにかく「そのものをつぶしにかかる」ような傾向があります。
疑惑のデパート化している森友学園ですが、そのものをつぶす、という発想は私は危険だと思っています。
なぜなら、過去の記事でも言及したことですが、森友学園が拠って立つものが「教育勅語」であろうが、そのこと自体は(仮にどんなに違和感・嫌悪感があったとしても)保障されるべきなのです。
個人レベルで言えば、憲法の「思想・信条の自由」に該当します。
学校レベルでみても、教育基本法から、私はこう解釈しています。
感情論で森友学園を叩きに叩いても、問題の本質を見失う気がします。
そこで大切だと思うのが、リーガルマインドです。
◯リーガルマインドとは?
分かりやすい記事があったので紹介します。
リーガルマインドとは何か?ー「素人が法律を一つ学ぶなら何か」論争からの示唆 - アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常
その記事に拠れば、リーガルマインドとは、
「法律を使って適切に問題を解決する能力」
もう少し具体的に書かれているのがこの辺りでしょうか。
法学部・ロースクールは、6年(又は7年)かけて色々な事を教えてくれる。そしてその内容は、個別の法律の個別の条項の解釈・適用を学ぶことであるとの誤解がされることがある。しかし、そのような個別的な知識は本質ではない。個別の事案を通じて、どんな問題に直面しても法律を使って適切に解決できる力を涵養しているのである。
ですから、森友学園問題についても、もちろん感情的な反発を否定は出来ません。
が、このような姿勢を忘れてはならないと思うのです。(それが民主主義社会における「民度」を示すのかもしれない)
「教育勅語は素晴らしい!」 に対し
A「いや教育勅語が素晴らしいはずかない。そもそも〜」
B「お、OK、じゃあ教育勅語が仮に素晴らしかったとして、〜〜」
という2つの反論の仕方。
私の感覚ですが、法曹関係の人はBでしょう。少なくともリーガルマインドはBでしょう。
決して、価値の対立に持ち込まない。
相手の前提に乗った上で、法を根拠に矛盾をついたり、納得解を出そうとします。
森友学園についても、このスタンスを貫いて、安倍首相夫人の「公務」問題にも踏み込んでほしいですね。
森友学園だけ叩いてつぶして?終わりにするのではなく、政治と教育の中立性の観点から、立法府が法をもとに議論することを願います。
来年度は「法教育」についてもっと突きつめたい…。模擬裁判以外の授業実践を作りたいですね。