やっちゃえ先生ブログ

教員の、教員による、教育のためのブログ。 大胆かつ繊細に、実のある記事を。 民間企業→私立中高一貫校→私立高校(今ココ)。

一般入試よりAO入試が主流になる…?~教員と生徒はきっとこうなる、なり始めてる~

面白い調査結果も見つけたので、現場の実感と合わせてまとめておきたい。

現在の中学3年生からは、大学入試において「センター試験」がなくなる。

「エネルギー波を繰り出す女子高生エネルギー波を繰り出す女子高生」[モデル:大川竜弥 河村友歌 Max_Ezaki]のフリー写真素材を拡大

記述問題が導入されたり、英語に関しては外部検定の導入までされるというニュースを耳にしたこともあるだろう。TOEICもOKになっちゃうのだ。(言い方)

www.yacchaesensei.com

これから入試が変わっていく、そう感じている方も多いだろう。しかし。

入試はもう変わっている

学校現場ではもう大きく入試が変わってきていることを感じる。

2015年度時点で、大学生が合格した入試区分はこれくらい多様化している。

f:id:Yacchae:20170905213427p:plain

http://eic.obunsha.co.jp/resource/pdf/exam_info/2015/1021_n.pdf

一般入試がまだ主力、といっても、全体でいえば56.1%だ。半分に近い。

さすがに国立大はまだ84.6%が一般入試入学者であることは納得の数値だろうか。

しかし、この数値はきっと大きく変わるだろう。

国立大入学者の30%が推薦+AO入試!

先のデータでは、国立大入学者の14.8%が推薦+AO入試による入学者だった。

端的に言うと、この割合を2021年度までに30%にするぞ!というのである。(2年前に言ったことなんだけど。)

2015(平成27)年度から21(同33)年度までの間に推薦入試やAO入試などによる入学者を、「入学定員の30%を目標」に拡大すると明記しました。

国大協が推薦・AO入試での入学者3割を正式目標に 地域人材育成も柱|ベネッセ教育情報サイト

東北大はもうすでに目標達成している!

昨年度の東北大の入試結果データを見ると、細かい表になるので抜粋するが、

全学部の入学者のうち、推薦+AO入試が504名。一般入試が1949名だ。

これを割合で表すと、推薦+AO入試入学者は25.8%となる。

http://www.tnc.tohoku.ac.jp/images/various_data/H29_sohkatsu.pdf

目標の30%まではあと数%、今年度は歩留まりの見極め精度もあがり、30%にさらに近づけてくるだろう。

もっとも、工学部なんかは、入学者805名のうち、234名がAO入試だ。その割合は29%。2017年度でこの数値だから、もうほぼ達成といってもいいだろう。

さらにすごいのは、早稲田大!

ここからは、学校現場の進路関係者の話も入ってくるので、主観的な話になるかもしれないが、国立大学からすれば「もう実績を出している大学があるのだから、それに続け!」と躍起になっている。

しかし、さらにすごい勢いでその改革を進めているのが、早稲田大学だ。

AO・推薦入試による入学者は、現行では全体の4割を占めるが、大学創立150周年を迎える32年までに6割に引き上げるというものだ。

全文表示 | 「早稲田どうしちゃったの?」の声 学力低下の元凶?AO・推薦入試6割に拡大 : J-CASTニュース

もちろん、賛否両論だろう。しかし、早稲田はこう言っている。

早大では、入学後の学業成績を見ると、AO入試の入学者が最も良く、続いて推薦入試の入学者がよかったことを挙げる。このことについて、発表資料では「本学への入学を心から志望し、受験の段階から入学後の学修VISION を明確に思い描きながら努力してきた者は、実際に入学してからも活躍できる」裏付けだとしている。

 以前早稲田の総長の話をたまたま聞いた際も、推薦とAOを7割にしたっていい!と豪語していたことが印象的だった。

教員はどうなる?

間違いなく、高校教員の仕事量は増える。

学力入試であれば、授業とそれ以外のところで個別対応することでクリアできていたことが、生徒一人一人が全く違う入試対策を必要とすることになる!

(それは旧態依然より良いと思うが)

AO入試含む推薦入試の多くに必要とされるのが出願書類の「推薦文書」だ。

当然だれが指導するのか、と言ったらやはりまず教員になるだろう。

実際、私の勤務校でも、この夏休みは以前に比べて圧倒的に夏休みの出願業務が増えたということを聞いた。数値でいうと倍になった、ということだった。 

生徒はどうなる?

異論はあるだろうが、家庭の経済力があり、部活等に拘束されなければ、学校外活動に活発に参加するようになるだろう。

〇〇キャンプやスタディツアー、高校生の参加できる夏のプログラムをネットで探せば、いかにあふれているかわかる。

少子高齢化社会で、若年世代は選挙に行っても自らの意見は反映されないし、失われた20年と言われて閉塞感を抱えている、的な言説がよく散見されているのも事実。

だが、逆に「だからこそ教育から!」と言う様々なプレーヤーが教育界に出てきていると感じている。

ましてや、先に見た入試改革の流れであれば、「個人」としてどのような経験をし、どのような考えを持っているのか、ということが注目される。

ずばり重要なのは、経験だ。

子どもにいかに経験を積ませるか、ということに保護者や学校は注力するし、それをビジネスチャンスと捉える者もいるだろう。

心配なのは「格差の再生産」「貧困の連鎖」につながらないか、ということだが、ちょっと長くなりすぎたのでここでは割愛する。(調べも足りていない…)

おわりに

「AOって学力なくても受かるんじゃね?」

と思っている大人の「学力観」こそ、最も変化を求められているだろう。

早大の入試改革内容が報じられると、ネット上では、「懲りてなかったのかよw」「ブランドがた落ちだろ」「早稲田どうしちゃったの?」と疑問や批判の声が相次いだ。

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