やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

教育実習生に雑用をさせる学校は控えめに言って終わっている

ようやく怒涛の面談・保護者会・試験・部活引率の波を乗り越えたでしょうか。

昨年度は2ヶ月にひと波どばーんと来ていたのが、今年度になってから月1ですね。

そんな波を越えようとしている最中、流石に憤慨せざるを得ないメールが回っています。実習生受け入れに関して。

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なぜ行事と重ねて受け入れるのか?

通常ならどの学校も行事に重なるように実習生を受け入れます。

それはひとえに、

「生徒との時間を何より大切にしてもらうため」です。

これを履き違えて、

学校現場の大変さを分かってもらおう」とか「若手がいると肉体労働が助かるからねえ」という独善的な論理で実習生を“使う”ことを念頭にしている教員がいるのも事実。

そして実際に体を動かすことで打ち解けたり普段聞けない話が聞けるチャンスがあるのも事実。決してそのことは否定しません。

しかし、最も大事な目的は、繰り返しますが、

「生徒との時間を何より大切にしてもらうため」

行事の準備や当日は生徒との距離をグッと詰める最大のチャンス。

教員ってやっぱりいい仕事だな、と思ってもらえるかどうかです。

インターンと違って、本格的に学校の中に入って実習生として授業を持ち、働くことができるのは人生で1度でしょう。

となれば、その1校の経験が、キャリア形成に大きな影響を与えることは言うまでもありません。

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ましてやこの人材難・教員不足が叫ばれている中で、教育を志している学生を現場が支援しないでどうするのでしょうか…?

衝撃的なメール

ちょっと今でも読み直すとカッカしてくるのですが、とんでもないメールが先日回って来たのです。簡単に要約すると、

  • 行事にいない実習生がいるから代わりに仕事を振ってほしい

  • 各分掌・委員会の棚の整理にも使っていいよ

  • ロッカーの掃除等もお困りのところがあればどうぞ

  • 実習生にできそうなことがあったら担当まで連絡を

と言った内容。はっきり言って終わっています。

実習生に雑務が勝手にのしかかって来ないよう仕事を集約しようと言う姿勢はわかります。が、他は弁護の仕様がない。

こうやって、弱い現場が、弱い実習生を間違った仕方で受け入れるから、教育界全体が弱くなっていく、と言ったら大げさでしょうかね。

ルサンチマンはないか?

そんなメールを送る個人のせいにするのは簡単だし、進言すればいいだけなんだけど、どうしてそんなことが構造的に起こってしまうのか?といえば、

やっぱりルサンチマン(恨み・ねたみ)があるからではないだろうか?

つまり、自分が過去実習生としてそう扱われた、とか、

過去の実習生たちもそうだったから仕方ない、とか。

そうやって思考停止して改善しなければ、第二のあなたを生むだけ。

それがなぜか通じない。管理職のマネジメントができていない。

実習生の文脈とは少し違う上に自分のツイートで恐縮ですが、

実習生を同じような文脈で「抑圧」するような働かせ方をしていては、いつまでたっても教育界は「学校」一括りで批判されることを免れないでしょう。

実習生受け入れにおける基本スタンスはこちらの記事をご覧いただければ幸いです。こっちの記事の方が読んでいただきたいかもしれない。

www.yacchaesensei.com

その実習生が「やっぱり教員になりたい」と思ってくれる時間を過ごしてくれればよいのです。

「教育」を志す仲間として、実習生に未来を見せねばなりません。

現場にいる教員ができること・すべきことです。ほかにできる人はいません。

現場の良さは、現場で示し、語り、感じてもらうしかないのです。

これをおろそかにして、恒例のイベントのように、ましてや雑用をさせまくるような対応をしていては、優秀な教員が集まりません。教育界が、そういう人材を自ら手放してはいけません。

おわりに

このツイート中の発言も現場ではあるあるなのが本当に悔しく、情けないですね…

 

「先生になりたい、かも、」と1%でも思っている仲間を、自ら手放して日々の業務に溺れ死ぬ教員だけには絶対にならないと心に誓う、5月の下旬でした。