やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

「新聞の読者投稿を書く」社会科版の授業実践を振り返る②

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「読者投稿を書く」授業実践まとめ記事②です! 

前回記事をふりかえる

大まかに言及したのは以下の内容でした。

  • 授業の流れ
  • 社会科としてのテーマ設定の工夫
  • ピアレビューを図書館で行う意味
  • 生徒にとってのインセンティブ

www.yacchaesensei.com

この記事②では評価自分の振り返り、生徒の感想をまとめます。

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【書評】松岡亮二『教育格差ー階層・地域・学歴』は、すべての教育関係者に読まれてほしい。

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決してエモーショナルな筆致ではない。

感情移入をいたずらに誘う極端な事例もない。

淡々と、ただ淡々と「すでにある」格差を示し続ける。

高尚な理念も、熱い想いも大事だけれど、その前に必要不可欠な「複雑な現実をありのままに見つめるよ」という言外のメッセージがビシビシ伝わってくる。

 

そんな素晴らしい1冊に出会えました。当ブログを読んでくださっている皆さんにも是非読んでいただきたい1冊です。

2019年現時点で新書top3に間違いなくランクイン。

淡々と、胸を打つ

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中日ドラゴンズ、8連勝からの4連敗。ー勝負を分けた堂上・阿部選手のセーフティスクイズ+戦術理解!ー

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最近全く書いていなかった野球関連の記事、需要があるかわかりませんが、中日ドラゴンズの野球があまりにふがいなかったのでモヤモヤに任せて書きます。笑

守りでは半速球、攻撃はセーフティスクイズ。

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Google Classroom+スマホで生徒のランダム指名・席替えもラクラク!ー学校でスマホを解禁すべきか?ー

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Google Classroomに毎日アクセスしているヘビーユーザーなのですが、素晴らしいアップデートが行われていたのに気づきませんでしたので紹介します。

生徒セレクター機能

なんだか日本語にすると機械的であたたかみのない言葉ですが、

簡単に言えば、生徒の氏名が書かれたカードをランダムで出してくれる機能です。

具体的な使い方はこちらの動画がわかりやすいかな…

英語ですが、実際の画面を使っているので、一番イメージがわくはず!

www.youtube.com

生徒セレクターがもたらすもの 

機能自体はシンプルです。

新たなツールを作ることなく、ランダム指名が可能になるので、実際のこのスマホ画面を教室で投影して、ランダムに誰があたるか楽しみながら?授業をしたり、

あるいは席替えで、表示された順で座席を決めるような応用が可能です。

が、これがもたらすことはもう少し射程が広い気がしています。

というのも、学校でのスマホ利用は未だ禁止されていることが多く、その構造自体に風穴をじわじわとあけていく機能だと思うからです。

スマホを学校で使えない?

例えば、ちょうど私がこのアップデートに気づいた頃、

都立高校でのスマホ持ち込み・使用が解禁されたとのニュースがありました。

Googleからしても、「学校でBYODが実現されていない状況」は歯がゆいはず。

この生徒セレクターは、教員かつモバイルデバイスのみの機能です。

ということは、Googleは「教員が、スマホを、授業中に使って教育活動を行うことを想定してこの機能を日本語版でも実装しているわけです。

つまり、Googleから「学校でスマホ禁止とか寝ぼけたこと言ってんじゃねえ👊」というメッセージが発せられているのに等しいんじゃないか、と思ったりします。

もちろん現実は複雑です。色々と各現場で困難があるのは承知ですが、少なくとも、少しずつ緩和していくことは確実でしょう。

生徒を信頼して、スマホが教育の現場で有機的に使用される未来を実現していきたい。

私の場合、ありがたくもBYODが可能な勤務校なので、その未来の実現のために色々積極的に試して発信していこうと思います。

おわりに・1

生徒セレクターは、Android版だと昨年11月にはすでにリリースされていた機能なんですね…

Google Classroomの運営チームのことを知るGoogle社員の友人いわく、

Classroomチームに限らず、Googleはフィードバックを送ったら見る習慣があるからガンガン送ってほしい」とのことでした。

実際私も日頃気づいたことは送っているのですが、昨年はそれが実際の仕様改善につながったようで、こんなメールをGoogleからもらいました。

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ちゃんと見ているんだなあ

おわりに・2

Classroomに限らず、改善を繰り返して即時反映させていく「デバッグ」の思想はデジタルの世界では当たり前かもしれません。

要は、即時フィードバックを与えて改善を続けていくこと

ただ、先日のOECDの調査結果のように、教育の世界ではなかなか私たちが日々現場でフィードバックをし続ける習慣がないようです。

でもやっぱり、生徒の成長を願うなら、即時フィードバックをし続けるという営みは欠かせないですよね。

というか、それが教育の重要な要素の1つであるのに、日本ではあまりに「序列化」のための評価・フィードバックになっています。

Classroomは序列化のためだけではなく、形成的なフィードバックを可能にするツールです。

Classiにせよ同じことができれば何でも良いのですが、生徒も教員も普段から使うスマホが学習端末になっている状態を実現していきたいですね。

なお、「デバッグ」の思想についてはSFCの井庭先生の本をぜひ!

クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育 (リアリティ・プラス)

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BYODとスマホゲーム依存と協同学習の授業デザインに悩む

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今週1週間は通常授業に加えてグループでのミニプロジェクトの詰めに時間を費やした週でした。

そこでずーっと抱えていたモヤモヤのツイートが流れてしまわないようにまとめておきます(以下引用箇所は自分のツイート)

同じようなことで悩んでいる先生方もいらっしゃるはず…そして今は悩んでいない方も、将来的に直面せざるを得ない問題も内包している気がします。

BYODが可能な学校だからこそ

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