やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

研究授業を見学するときに、外してはいけない1つのポイント

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久々の更新。11月は圧倒的に残業せざるを得なくなっています。汗

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不覚ッ…!!圧倒的多幸感ッ…!!!

そんな日々の間隙を縫って出席したとある研究授業。目玉となる授業は40人くらいの見学者が入る盛況っぷりでした。

最近の研究授業といえば 

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これからの修学旅行・校外学習のカタチを考える ー「恒例の行事」から「選択するツアー」へー

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英語外部検定利用入試の延期が決定した11/1以降、教育をめぐるニュースや議論が活発になされている印象を受けます。(教育は誰もが経験した分、語り合い共通了解を紡げる可能性を感じやすい一方、各人の教育経験にかなり依存するので難しさもあります)

そんな中、今日出ていたこちらのニュース。修学旅行のしんどさについてです。

京都新聞社では9~10月に宿泊学習への考えを問うアンケートをインターネットで実施し、780件の回答があった。負担が大きいと答えたのは、保護者や経験者など教員以外の回答者で27%、教員は89%だった。

修学旅行はしんどい?

上の数字だけ見ると、教員以外の「しんどさ」が深刻であるかといえば、量の面では一概に言い切れないところがあるでしょう。というのも、

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【書評】苅谷剛彦/石澤麻子『教え学ぶ技術ー問いをいかに編集するのか』 ー探究学習に誘う効果的なチュートリアルとはー

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読み、書き、考える。

このプロセスを通して人は学ぶ。そのコツをいかに教員は教え、生徒は学ぶのか。その技術を「追体験」することで学ぶ1冊

教員側の視点と、学生側の視点が両方メタレベルで語られることで、how toにとどまらない広がりを持っており、探究をガイドする教員のあり方を模索する身として、唸る記述が多くありました!

教え学ぶ技術 ──問いをいかに編集するのか (ちくま新書)

教え学ぶ技術 ──問いをいかに編集するのか (ちくま新書)

 

チュートリアルって?

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トロッコ問題を教えることの何が問題か?ー扱い方の3つの問題点と、MITのチェックテストを紹介しますー

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カウンセラーの授業でトロッコ問題を扱ったことで、不安を覚えた小5,6の生徒のご家庭が学校に申し出た結果、学校が謝罪した、というあのニュース。

ニュースを見た時の感想をまず貼っておきます。

  

学校が家庭と電話なり面談をして「配慮が足らず申し訳なかった、全力でフォローする」ということで済むケースに思えたけど、そうならなかったのは何故か?


結論を先にいうと、

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【書評】『愛』苫野一徳  読み継がれる「愛の書」ここに爆誕。ー哲学の奥義、愛の理念性を抉り出すー

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哲学に対する「愛」が伝わる、読み継がれる「愛」の書。

愛の本質をがっちり掴むだけでなく、哲学って答えのない問いをぐるぐる考えるだけの学問ではない、ということを示す良質な1冊です。

著者20年の思索の結論、と帯にもありますが、構想を数年前に伺い、本当に本当に楽しみにしていた1冊だったので、読み終わるのが惜しいと思いつつ、突っ込みを入れつつ、じっくり味わいました。

なお、冒頭でいきなり

「かつて、私は全人類を愛していた。「人類愛」。」 

という人類愛教祖の黒歴史(すみません)をぶっ放しているのは最高にロックでした!(詳しくは『子供の頃から哲学者』が色々な意味で楽しい笑)

以下、言葉の紹介というより、読んで考えたこと等をざっくばらんに記しておきます。

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授業の計画を立てるときに考えていることー教師のライフヒストリーの影響の自覚ー

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もう生徒とは顔を合わせているけれど、今学期の授業計画の最終案を固めています。

2単位の呪縛

「単位数が多い=やりたいことができる」というわけではないですが、生徒にあれこれもがいてもらうためには、時間が必要です。

が、2単位だとどうしても限界がありますね。

例えば、9〜12月を2単位で回すと20回授業ができれば良い方。

20回をどう割り振るか?

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