中学の社会科、高校の地歴公民科という教科において、「歴史」は避けて通れません。
中高一貫校は特にそうではないかと感じているのですが、高校生になると学力差が大きく開いてきます。(中高一貫ではない学校は、受験と言う選抜機能がはたらくので、逆に高校生になると学力差が小さくなる傾向がある。また、何をもって「学力」とするかは一旦棚上げ)
歴史が苦手な生徒にきいてみると、えてして「授業では理解できる」という返答が返ってくる。問題演習もしている。でも、テストの点数が取れない。という生徒がいます。なんとかこれを伸ばしたい。と思い、歴史が苦手だった生徒とこれまで一緒に勉強してきました。
その中で、そこそこ効果が出ていて、中高生だけではなく、小学生にも適用できそうなものを紹介します。
①ノートの取り方=カテゴリー分けする(国名・人・場所・戦い・制度など)
歴史科目が苦手な生徒でも、授業できいたストーリーはその場で理解できたり、一問一答形式であればそこそこの実力を示せるのに、総合的な問題や試験になるとぐっと力が発揮できないのは、知識の構造化がなされていないからだと思っています。
簡単に言うと、知識の仲間分け、グループ分けができていないのです。
特に、カタカナが多い世界史で言えば、ぱっと見ただけで人名なのかそうでないのかわからないものも多くあります。
なので、苦手な生徒や点数がふるわない生徒には、必ずノートに「その単語のカテゴリー」を書かせています。
カテゴリーは例えばですが、人名・地名・制度・戦い・作品など。他にも分野によって使い分けていますが、歴史科目で言えばこの5つくらいである程度の網羅ができるはずです。必ずノートにこの「カテゴリー」を用語の右上などに書かせています。
そうすると、試験で戦いの名前をきいているところに作品名をいれたり、制度名をいれたりしていた生徒だったのが、間違ったとしても、同じカテゴリーの「戦いの名前」で間違えるようになるのです。
これは、結構大きいですね。同じカテゴリーまでいってくれれば、あとはカテゴリー内のものを時代や場所で整理していくことになります。
②まとめノートは不要
たまに、「先生、まとめノートはどうしたらいいですか?」と年度初めにきかれたりしますが、私はまとめノートなるものは必要ないと考えています。
もちろん、必要に応じてまとめノートを作って知識の交通整理を行うなら別ですが、毎回形式的に(?)まとめノートを作ることに意味を感じていません。
そんなことに(失礼)時間を費やすくらいなら、一問一答を2周くらいしていた方がマシな気がしています。結局、ノートのためのノートであってはいけないのです。
③人に説明する!
「歴史=History」、のHiをとって、「歴史=Story」と言われたりします。
歴史はストーリーが重要だ、というのは手あかがつきまくった言葉かもしれません。
でも!手あかがつこうが何だろうが、いいものはいい。
人に説明することの効果は絶大です。「わからないことは説明できない」からです。私の授業でももっと授業中に、節ごとにペアワークで説明し合いをさせたり、問題を出し合ったりする時間をとらないといけないと思っています。
このストーリー性をつかむために、マンガや歴史本,動画などは有効だと思います。学研さんの『日本の/世界の歴史』シリーズは重宝します。
2 ギリシア・ローマと地中海世界 (学研まんが NEW世界の歴史)
- 作者: 近藤二郎,柑田風太
- 出版社/メーカー: 学研プラス
- 発売日: 2016/02/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
また、『日本の/世界の歴史がわかる本』シリーズもいいですよね。
④メモリーツリーを書く!
歴史が苦手な生徒には、タイミングを間違ってやらせると、「私はできない」感を助長するので、タイミングが重要なのですが、(過去にそう思わせてしまった生徒の皆には申しわけない!ごめん!)高3からこれをやり始めた生徒で偏差値が約10上がった生徒もいます。(メモリーツリーだけではない本人の努力があったからだが)
細かい説明をするより、やってみるが吉です。たまーに授業中にやらせます。もちろん範囲を予告して。