やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

トランプ×移民について知っておくべき5つのこと〜母も妻も移民!MAGA!〜

Trump

◯はじめに

今日がアメリカにとって、日本にとって、世界にとって、歴史的な一日となったことに間違いはないでしょう。

この選挙結果を「衆愚」だとみなす左派、あるいはそんな左派を見下しているような右派でもなく、結果だけを受け止めた時に、知っておいてほしい!と思う5つのことをできるだけシンプルに&中立の立場で、書いてみようと思います。

 

①トランプのお母さんは移民!

「移民排斥」「メキシコとの国境にフェンスを造る」なんて主張がメディアでも報じられていましたが、彼の母親はスコットランドからの移民です。父親はドイツからの移民2世。なので、トランプ自身も「自分は移民である」ということを公言しています。

※英語ですがこちらの記事を読むとそのことがよくわかる。

www.newyorker.com

そんでもって、

②奥さんも移民!(過去3回結婚した奥さんは3人中2人が移民!)

今の奥様がこの方。 メラニアさん。今46歳だそうなので、トランプとは24歳の年の差です。twitterだともうちょっとイカツめ→MELANIA TRUMP (@MELANIATRUMP) | Twitter

Melania Trump

彼女は、スロベニア出身の元モデル。16歳でモデルデビュー、大学卒業後もモデルをしていたそうです。ところが、彼女が26歳のときに、モデルの仕事関連でニューヨークへ活動の場所を移すこととなったのが転機だそうです。思いっきり移民です。

She reportedly arrived in the US on an H-1B visa which, through a quirk in immigration law, admits models as highly skilled workers alongside scientists and computer programmers.

モデルは科学者とかコンピュータープログラマーと同じぐらい高技能を要する仕事だとされているんですね。すごい。実際、彼女は英語、フランス語、セルヴクロアート語(旧ユーゴスラビアの言葉と思って下さい)ができるので、「highly skilled」であることは間違いないでしょうね。

※彼女の経歴はこちらのサイトから引用しました。17歳のときのメラニアさんの写真が載っていますが、びっくりするくらいかわいいですよ!!!!

www.mirror.co.uk 

となると、

③「なぜトランプは移民反対なの?」

と思う方がいると思います。それに対する答えは、こちらの本にそのヒントがあるので引用します。(太字・下線は筆者)

トランプは、すべての人物を「悪質な不法移民」と「善良な米国人」とに分類し、不法移民という悪者を退治するために結集するよう呼びかける。「不法移民の中の善良な人」とか、「悪質な米国人」とかの灰色は存在しないのである。

「 敵・味方をはっきり分ける(つくる)ことで、人々に団結を求めるorいがみ合わせる」という手法は、歴史の法則と言ってもいいでしょう。(怒られるかもしれませんがこれが大得意なのはイギリスですよね。でもそれがリアリスティックな国際政治の世界

だから、トランプの「移民嫌い」は、半分本気で言っていながらも、私は大統領選の戦略ではないかと思ってしまいます。

トランプがどこまで考えて自分の発言をコントロールしているか分からないし、たぶんコントロールしてない(彼は2015年のlie of the year=政治家の中で最も「嘘つき」に送られる賞を受賞している笑)と思うのですが、それでもその放言っぷりが「白人のおっちゃんたち」にはウケるんですよね。発言の8割弱が嘘だとしても。笑

 

 

④「メキシコ移民」に対する言葉の全文を読むと…

先ほど、トランプには「不法移民の中の善良な人」とか、「悪質な米国人」とかの灰色は存在しないと引用しましたし、

日本でもそういう物言いをする彼の姿が報道されているので、「ああそうなんだろうな。」と実感がある引用だったのですが、彼の発言をきちんと読んでみると、実はこんなことも言っていました。(太字・下線は筆者)

"When Mexico sends its people, they're not sending their best. They're not sending you. They're not sending you. They're sending people that have lots of problems, and they're bringing those problems with us. They're bringing drugs. They're bringing crime. They're rapists. And some, I assume, are good people.

(私訳)メキシコから来る奴らは問題児だ!俺たちが苦労するぞ!あいつらは薬物・犯罪・レイプだってする!…んまあ中にはいい奴もいるだろうけど(ボソッ)

 

完全に言いたい放題いった末に、「言い過ぎたやべっ」と思い、とってつけた言葉のように聞こえますが、これをトランプ寄りに解釈すると、決して「移民=悪」とは言っていませんよね。あくまで、不法移民や、悪質な移民に牽制しているだけ、かもしれません。(まあそこまでの差別的発言で政治家としてもうアウト。でもウケたことも事実出し,彼は公職経験ないからしゃあないといったらそこまでか。)

 

さいごに、私が最も秀逸だなあ,と思ったのが、

⑤選挙スローガン=MAGA

Make America great again

MAGA=Make America Great Again

です。もう一度、強いアメリカを取り戻す!という感じ。この言葉、ちょっとそれっぽく発音してみると分かりますが、非常に舌触りがいいんです。うまいなあ、と思います。そして何より、わかりやすい!「なんか、よくしてくれそう」感のあるスローガンです。個人的にはPPAPの次は、MAGAだろうと思っていました(超小声)

 

対するクリントン陣営は Fight(ing) for Us

Hillary Clinton

Usのところは、「私たち」と「United States」をかけた掛詞だと捉えていますが、これがあんまり、ヒットしなかった。特に、「白人のおっちゃんたち」や低所得者層には、「そのUsに俺たちは入ってねえんだろ」って思わせてしまったこともあるようです。

何でこんな話をするかと言うと、アメリカの大統領選は1年がかりでやる国家的イベントですから、スローガンって超大事なんです。

ほら、Yes, we can!

Obama

って今でも覚えていますよね私たち。スローガンは、皆で口にして一体となって盛り上がるためには欠かせません。

そのあたりも含めて、選挙戦はトランプに分があったかもしれません。

yacchaesensei.hatenablog.com

◯おわりに

今日は授業中も生徒たちが気になって、この話で持ち切りでした。授業内容を大幅に変更してアメリカについての質問に答えていく授業にしましたが、

生徒たちは、本来「身の程知らずに伸びたい存在」という大村はま先生の言葉を再認し、学ばせられた今日でした。教員が一番学んでいるよ!感謝!

yacchaesensei.hatenablog.com