この青年*1のことをご存知でしょうか?
将棋界を席巻し、「天才」と呼ばれている棋士・藤井聡太四段です。
彼がなぜ注目を集めているかと言うと、史上最年少の14歳でプロ棋士の仲間入りを果たしたから。中学生プロは史上5人目の快挙です。
(あの天才・羽生善治さんも、中学生でプロ入りしています。)
◯デビュー戦が「天才vs天才」
先月、ついにデビュー戦を迎えたのですが、
このデビュー戦の相手が、史上初・中学生プロ棋士である加藤一二三(ひふみ)九段 *2だったのです。
藤井聡太四段が今回最年少記録を塗り替えるまでは、この加藤九段が「史上初かつ史上最年少の中学生プロ棋士」の記録を持っていました。
なんという豪華な対局でしょう・・!!
しかもこの加藤九段は、現在の最年長棋士でもあります。御年76歳。
「ひふみん」の愛称で親しまれ、対局中にチーズを食べる、チョコレートを8枚重ねて食べるなど、様々な伝説の持ち主として知られています。笑
そんなこともあり、全国的にこの「天才vs天才」、62歳差の対局に注目が集まったのです。そのニュースがこちら。
なお、対局の様子は、ニコニコ動画で生中継までされました。
初めて尽くしの62歳差対局 加藤・藤井真っ向勝負(16/12/24)
加藤九段は、19世紀生まれの棋士とも戦ったことがあるので、19,20,21世紀生まれの棋士すべてと対局経験を持つ唯一の棋士だということです。
もうすごすぎてよくわかりません。笑
◯「天才」対決の結果は・・・
さてその天才対決。結果はどうだったかというと・・・
藤井四段の「8五歩」が決定打となり、12時間を超える対局で勝利を収めました。
昨日のNHKのクローズアップ現代で再特集されていたのですが、このサイト、TVを観ていない人でも観たかのような感覚に陥れるくらいよくできているので、気になる方はこちらをどうぞ。羽生さんもびっくりしてました。笑
◯藤井聡太四段の好きなことベスト3は??
あまりに対局が面白すぎて脱線していました、すみません。笑
で、タイトルに戻りますが、この番組中でも紹介されていた藤井四段の「好きなことベスト3」を聞いて私も「ああ、天才だなあ。」と思ったのです。もう答えを出してしまいますが、
1位:詰め将棋
2位:将棋
3位:詰め将棋をつくること
です。笑 天才は考えることが違いますね。
天才が天才たる所以は、「自分のしていることをつらいと思っていない」ということだと思いました。努力をしんどいと思わない、純粋に好きでとんでもない量の努力が出来る。まさにこれこそが天才の条件だ!と彼の話を聞いて思わされましたね。
ではその藤井四段を育てた教育法は何だったのか??と気になったので調べてみると…やっぱり「普通」ではありませんでした。
◯想像力と集中力の秘訣、モンテッソーリ教育
教育をかじってみると、「モンテッソーリ教育」という言葉に出会ったことがある方も多いと思います。日本では認知度がそこまで高くありませんが、その一風変わった手法故に、注目していた方もいるでしょう。
モンテッソーリは20世紀前半に活動したイタリアの精神医で、遊びを仕事として取り入れる教育法を確立した。その教育法は、日常生活の練習、感覚教育、言語教育、算数教育、文化教育の5分野に分かれ、多くの遊び道具や知能教材を使う特徴がある。(太線は筆者)*3
藤井四段は、このモンテッソーリ教育を行う幼稚園に通っていたそうです。
モンテッソーリ教育の根幹にある考え方がこちらです。
「子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」
さらに、方法論についてもこのような記述があります。言葉の使い方も独特ですね。
『子どもの家』では、子どもたちに自発的な活動に取り組む自由を保障し、そのために「整えられた環境」を準備します。 「整えられた環境」とは、次の4つの要素を満たすものです。
- 子どもが自分で自由に教具を選べる環境構成。
- やってみたいなと思わせる、おもしろそうな教具。
- 社会性・協調性を促すための、3歳の幅を持つ異年齢混合クラス編成。
- 子どもそれぞれの発達段階に適した環境を整備し、子どもの自己形成を援助する教師。
※モンテッソーリ教育においては、教師は「教える人」ではなく、子どもを観察し、自主活動を援助する人的環境要素です。
詳しくはこちらのページをご覧ください。モンテッソーリ教育について | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所
いずれにしても、幼少期のこのモンテッソーリの方法が藤井四段の成長に大きな影響を与えたのではないかと思われます。NHKの番組でも、幼稚園時代のタングラム?ブロックパズルのエピソードがありましたが、モンテッソーリの影響だったのか〜〜〜と膝を打ちました。
私自身は子育てしている身ではありませんが、子どもの教育に携わる身として、やはりこういった環境は気になりますよね。日本の典型的な「教育」に一石を投じる方法として、改めて興味を持ちました。
実際に遊んでいる幼児の動画も載っています。英語ですが,映像で内容は伝わります。
中高生を教えている身ですが、この幼稚園のような「ハード面」の環境は本当に大事だと痛感します。いくらICTといっても、それを効果的に使う設備・環境がなければ、ただのツールでしかありません。(今日そういう時間を痛感したのです 汗)
というか、今後「場づくり」のできない教員は不要とされる時代がくるでしょう。
教育内容だけでなく、教育環境の設計ができなければ、
ネットにいくらでも知識は落ちているわけです。
この変化にどんどんのって、「やっちゃえ」と生徒と一緒にやってみる、そんな遊び心をもって生活したいものです(遠い目)笑