やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

大企業時代の人事の先輩の忘れられない一言と私のエゴ

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 先日、昨年の卒業生が訪れて私の元にも足を運んでくれました。嬉しい瞬間です。

その生徒は「高校の先生になりたい」という明確な進路希望があり、現役進学、教員養成課程に在籍しています。

私「大学生活はどう?勉強の方も充実してる?」

生徒「はい、めっちゃ楽しいです!!」

私「それはよかった、どんなこと勉強してるの今は?」

生徒「やっぱり教員養成なんで、教員になるための勉強ですかね〜最近面白かったのは、この前やった「引率の仕方」ですね!」

 

◯引率の仕方…

先ほどの生徒の答えに対し、すぐさま私は「え、どんなこと学ぶのそれ!?」と聞き返し、生徒は意気揚々と学んだことを答えてくれました。

行事の教育的意義や、引率の上で欠かせないことをしっかりと学んだようです。

が、本当にそれでいいのだろうか。

その学びに

私は、生徒に真剣に言いました(おせっかい)

「いや、楽しく学んでるなら本当に何よりなんだけど、

ぶっちゃけて言うと引率の仕方なんて学校によってやり方が違うし、

現場でいくらでも鍛えられるんだから、

せっかく大学に行って教職を目指すなら、自分を豊かにする学びをして、

世界を目一杯広げてほしい。自分という人間を豊かにするために学びなよ!

 

「やりたいこと」すら分からない、はっきりと見えない(私もそうでしたが)高校生がたくさんいる中で、「教員」という明確な目的を持って進学した生徒です。また、素晴らしい人柄です。だからこそ、もどかしかったですね。

生徒は「先生、相変わらずでよかったです笑」と言っていましたが、

「引率の仕方」という方法論に満足してほしくないと強く思ってしまいました。ホントにそう思うのです。

教員として市場価値を高めるためにも、もっと他領域にもかけて、広く、引き出しを増やしてほしい。そのための価値観をつくっていってほしい。と願うばかり。

 

多様な生徒には、多様な教員が必要です。

教員養成学部だけでなく、幅広い学部から教員になれるのが日本の強み。

企業に行った優秀な皆さんには、早く教育界に来てほしいと心から言いたいです。

そう思うのには理由があります。

 

◯大企業時代の人事の先輩の忘れられない一言

教育実習も修了し、教員免許を取得して民間企業を選んだ友人もいます。

かくいう私も最初の進路は民間企業でした。しかも全国的に名が知れた大企業。

しかし、さくっとやめたのでこの教員生活がはじまりました。

 

さくっとやめなければ、企業から抜けられなかったでしょうね。

特に、若手〜30代の昇給曲線・福利厚生・結婚・出産・育児について考えれば考えるほど、大企業の魅力は増すばかりです。

現に、仲の良かった人事の先輩は、

「教員になりたいんだったら早く辞めたほうがいいよ!!これから会社の戦力として間違いなく仕事してくれるだろうけど、逆に最初の志がどっかいくよ。

僕(先輩)もね、志もってたけど、30で結婚して、子どもが出来て、もう辞められないもん。この給料もらっちゃって、守るモノができたら志よりも優先だからね。奥さん仕事してないのもあるけどね。だから、変な話、僕は早く辞めたほうがいいと思ってるよ、人事なのに(笑)」

 

その会社に入る前から持っている「志」があるなら、早く辞めたほうがいい。

というこの人事の言葉は今も刺さっています。

 

人によって境遇は違えど、辞められなくなる前に、社会に貢献する方法として、教員を選ぶ人が増えてほしいと心から願います。

教員は本当に「自分」で勝負しなければいけません。こんなに試されることも背筋が伸びることもないと感じます。

「人が育つ」ことに本気で携わることは、一度の人生をかける価値のある仕事です。

 

現場はおもしろい。ただそれを伝えたいのと教員界の人材の固定化を嘆くエゴ記事でした。失礼しました。