やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

年度末だからこそ!生徒にも保護者にも喜ばれるたった一つのしかけとは?

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年度末、私の中での最繁忙期です。先週が山場で全くブログを書けない状態でしたが、書きたい欲がうずうずしているあたり、ブログを続けてきた成果なのでしょうか…でも毎日更新されている先生方は本当にすごいなと思います。

 

◯年度末だからこそできる仕掛け!

私は担任として、(卒業年度以外の)どの学年を担当しても喜んで頂ける仕掛けを1つ設けています。

一言で言うなら、「1年の振り返り川柳大会」です。

国語科の教員ではありませんし、特に難しい仕掛けではありません。

指示は端的に1つ。年度末になったら、

「『◯組の1年間』をお題に、

川柳を1句書いてきて!」

とHRで伝えるだけです。それだけで、生徒はそれなりのものを書いてきてくれます。やってみるものです。(国語科でそういうものに親しんでいるから?)

書かせるものは、こちらからB5の紙を配るもよし、短冊形の紙を配るもよしです。

 

◯具体的な手順

①生徒の書いてきた物を回収し、全ての紙をスキャンして、PCに取り込みます。

 

②地道にPC上で切り貼りを行い(Windowsなら「ペイント」ソフトが簡単・迅速)、Wordに添付。表裏1枚の「川柳集」を作ります。

※Wordであれば、文字の濃淡を1つずつ調節できます。紙で切り貼りするアナログなやり方もありですが、1人1人の濃淡を調節できる点、紙を無駄にしない点でスキャンの方が効率的です。

 

③ある程度の川柳同士でまとまりをつくり、その上に一言だけコメントをいれます。

この「一言」というのが重要です。教員はとにかくしゃべりがちですが、生徒も保護者も、「担任のお言葉」がほしいわけではありません。

あくまで川柳そのものを引き立てる「合いの手」くらいのコメントです。

※1「なるほど〜」や「これぞ◯組!」など、生徒の川柳「そのもの」を読みたくなる一言コメントです。となると、生徒の川柳をどういう順番で紹介するか、というのが実は重要です。

※2 私は以前コンサル系の職場にいましたが、別部署で雑誌の編集にも携わっていたので、その経験が活かせています。といっても、特別なことはしていません。ただ「そのものを読ませる」ための編集です。

 

④おまけ

これは私が独自にしていることですが、その川柳集の末尾に授業を担当して下さった先生方からもらった、「◯組の1年間の印象コメント」をクイズ形式にして載せています

といっても、これもコメントをそのまま掲載し、どの先生からのコメントでしょう〜?くらいです。これだけで、生徒はワイワイ勝手に相談したり当てようとしたりします。高校生でも、食いついてくれます(笑)そしてこれが、保護者の方にも楽しんで頂けているようです。今年も、好評でした!!

 

◯ということで

こんなことは別に「しなくてもよいこと」かもしれません。そして時間もそこそこかかります。1クラス40人いれば、1〜2時間は必要になるでしょう。(そういうわけで私は超繁忙期に自らを追い込んでいたのであった…)

というか、小学校の先生からしたら、こういう仕事があったり前のことかもしれません…(ですかね…?)

でも、これを中高でも行うことに私は意味を感じています。

教科担任制の中学校・高校で、生活指導や進路指導以外に担任が果たせる役目といったらこれくらいなのです。

中高では,自ら担任している生徒を授業では担当していないケースもあります。

そういうときこそ、組織そのものの振り返りをさせるコーディネーターになること。

それが誰でも出来て、効果のある担任の仕事ではないでしょうか。

そういう仕事のTipsをなるべく紹介するのも、このブログで目指していることです。

※「振り返り」といえば…来年度は授業そのものの振り返りに大福帳かジャーナルか、どちらかは絶対に、「きちんと」取り入れてみようと思っています…

 

◯おわりに

このネタ、この本に書いてあったことを少しいじっただけのものです。 

学級づくりと授業に生かすカウンセリング (チャートでわかるカウンセリング・テクニックで高める「教師力」)

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 旧知のことも多いですが、割と手広く実践例が挙げられていて、何かしら参考になる箇所がある本・シリーズだと思います。