新年度、いろいろな準備に追われる毎日ですが、今だからこそできるのは、中長期視点での授業の準備です。
私の師は常に「教員は授業で勝負する。
しかし、1度の授業で勝負はするな。
1回で燃え尽きる授業設計はプロではない。」
ということをおっしゃっていました。だからこそ、喫緊の授業準備ではなく、学期スパンで授業設計をすることが今は重要です。
◯まず考えるべきこと
学期スパンで授業設計をするときにまず考えるべきこと。
それは、「評価」だと考えます。
これについては以前記事にも書きましたが、『学び合い』の提唱で有名な西川先生も著書で何度も主張されています。
ビジネスに比べ、教育というのは、目的的に作用しにくいものです。
だから、「ねらい」通りの力が身につくとは限りません。
ですが、それが「評価」をないがしろにしていいことにはなりません。
試験に出す内容は、授業前に決めろ、というもの。「目標と評価を決めてから、それを実現するための授業を考えるべき」であり、そのことを甘く考えている教員が多いと書かれています。
もちろん「知識・理解」は重要です。そのために定期試験があります。
がそれだけの「評価」では不十分ではないか、と考えています。
◯21世紀の「評価観」とは?
その根拠として、文科省の資料をみてみると、2012年時点でこのような「学習評価観」が示されています。
2つ目の「指導と評価の一体化」や
3つ目の「実現状況を評価する」「目標に準拠した評価」「観点別学習状況の評価」
という言葉に、その「評価観」があらわれています。
※この資料、高校のものなのですが、「観点別」が入っています。高等学校の評価における観点別評価導入が言われていますが、この頃からもう言われているんですね。
さらにいえば、2016年にはこのような評価体系図が引用され示されています。
この図で言うと、従来の「定期試験」は左上〜左中央あたりに位置します。
この表で言うなら、左下の
ポートフォリオ評価
パフォーマンス評価
を高等学校がきちんと取り入れていかなければなりません。
具体的に言うと、例えばですが、
・毎回の授業のコメントシート=10%
・授業内の記述課題=20%
・授業内でのプレゼン、ディベート=20%
・定期試験=50%
のような形で、評価を「設計」するということです。
まさに、こういう評価のあり方が、「カリキュラム・マネジメント」の「評価・改善」にあたると私は認識しています。
各学校には、学習指導要領等を受け止めつつ、子供たちの姿や地域の実情等を踏まえて、各学校が設定する教育目標を実現するために、学習指導要領等に基づきどのような教育課程を編成し、どのようにそれを実施・評価し改善していくのかという「カリキュラム・マネジメント」の確立が求められる。
そして、教員がそれに取り組むことは、至極当然のことだと思います。新しい環境ですが、やるべきことを見失わず進みたいと思います。