やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

授業中に内職をする高3生、あなたならどう対応する?~先生が意識している4つのこと~

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※今日の記事はただの悩み相談です。先に断っておく。

授業中の内職、したことありますか?

世界史を教えているとあまり感じないのですが、公民科目を教えているとどうしても感じるようになる、授業中の内職。世の先生方はどう思っているのだろう?

多くの学校では3年生で理科系の科目を必修とすることはまずないので、高3生の内職に悩む教員というのはだいたい社会科か、実技系の科目の教員だと思っている。(英数国でお悩みの先生もいらっしゃるとは思いますが…)

なぜ内職が行われ、それにどう対応したら良いのか?恥を承知で考えてみたい。

自分の授業ではどうか?

私の授業は基本的に授業時間を活動ごと細かく区切って進めるので、様々な学びの形が1回の授業で展開される(だから結果的にアクティブラーニングになる)。

あるいは、過去に書いたようにプロジェクトベースで進めているので、生徒個々人がそれぞれアウトプットを出すことが求められる。

www.yacchaesensei.com

ので、内職する生徒はほとんどいない。「内職をする暇がない」という生徒や、はたまた「内職している人はもったいない」と言ってくれる生徒もいる。

1人でも内職をしているシーンに遭遇すると気になってしまうのだ(プライドが高い)。これだけ手を尽くして、この場の価値を最大化しようとしているのになぜだあああ~と。(プライドが高い

内職されるような授業をする教員が悪い...

参考までにネットで「内職 授業」等で検索してみると、基本的に内職を擁護する記事ばかり。こんな記事がTOPに出てきました。

matome.naver.jp

学校というのは基本的に保守的で、理不尽なルールを多く持っているので、ブログなどでたたいたりするにはもってこいの話題だということがよくわかった。笑

逆に、「内職 禁止」で調べてみると、内職を禁止する”理不尽な”教員への恨みつらみや愚痴、呪詛の類があふれていて…

 

 

 

そっと画面を閉じた。

そこにあった「内職を擁護する意見」の多くが、

内職は受験のためには当然必要となることがあるし、そもそも内職されてしまう授業をするような教員が悪い」という意見だった。

これについて、思うところはあるが、いったん割愛し、自分の考え方を提示してみる。現場の教員として、現場の教員が抱える課題解決にささやかながら貢献出来たらいいと思うからだ。

私のスタンス

たたき台として私の考え方を紹介する。叩かれるのは精神的に参るが、判断軸がないと議論のしようもない。

①初回授業でこちらのスタンスを提示する

生徒は教員の授業の内容・やり方をみてどれくらい内職できそうか判断する。

生徒だって、人間だ。いきなり積極的に堂々と内職をして、注意をされても言い返して関係を悪くしようとしてくる人間はまずいない。

というか春の段階では内職の必要に駆られる生徒はほとんどいないのだが。

(いたら、よっぽどストレスがたまっているとか、追い詰められている何かがあるのでは?と判断するのが教育の仕事)

教員がぶれたり、人によって態度を変える(変えたと思われてしまう)と「あの人は容認したのになぜ私はダメなんですか」とあらぬ火種が…

だから、はじめに提示しておく。

で具体的なスタンスはどうかというと、

②内職をする必要のない授業を一緒に作る

内職はダメだ。でも内職をするということは、生徒が聞いていればいいだけ、というメンタリティになる授業だからだ。この授業では、そういう授業はしない、と明言する。

言い方は、クラスとの信頼関係、知っている生徒がどれくらいいるか、などでニュアンスを変えるが、基本的にはそういうことを伝える。

他にも、今後必要とされる人材・能力を理解してもらう。

だから授業はこういう構成で、こういう内容を学ぶ。

成果物も協同が求められるものもたくさんある。

授業外での時間を拘束することを前提とした宿題は出さない。授業内で完結するものがメインだから、授業はやるべきこととして取り組む。

卒業する前に学んでほしいことがある。と伝える。

ちょっと雑な書き方になったが、授業を進めてみないと分からないことも多いので、あんまり力んで説明してもダメ、というのが肌感覚で難しい。汎用化したい。

③1度は必ず声をかける

ただ、初回に丁寧に言及しても、内職する生徒は出るだろう。

1回言ったらすべてうまくいくわけがない。

そこで私が心がけているのは、内職を発見したら(悲しいが)、必ず1度は声をかけることだ。

「内職やめなさい」ではなく、「数学か~大変だよな」「英単語どこまで覚えたん?」「生物のテスト近いの?」など、その生徒の取り組んでいる科目と、状況に言及する。

もちろん、皆の前で言及するのではなく、ペアワークをしている時間や、音読をする時間、個人で考える時間など、学びが個人化していくところで、机間巡視の流れで声をかける。

もちろん、声をかけるつもりで近寄っているが、「声をかけるぞ」というオーラで近寄っても、煙たがられるだけだ。あくまで、あれ、気づいちゃった感を出す。(書いていてむなしいが)

④レクチャーであれば授業内容に反映する

これはかなり難易度が高く自分はなかなかできないし、嫌みだと思われることもあるが、上手くハマると、周りの生徒の信頼をつかめる。

それが、内職している内容、知識を今の授業に関連させた話を入れる。だ。

内職で動じない「余裕」がある教員というイメージを持たせられるのも大きい。

現任校で5月頃にあるクラスで、古文単語をやっている生徒の内容から、授業に絡めて話をしたときは、笑いが起きたし、当該生徒もそこから内職をすることはなくなった。

結局は

1対1の 信頼関係なのかもしれない。

※その意味でも、大福帳は有用だった。また大福帳の改善案は記事にしたい。

信頼関係があれば、生徒だって内職をすることにためらいを見せたり、どうしても今ヤバいんだ、と相談してくることだってある。

今あるルールで人間関係を築くのではなく、人間関係を築いてからルールを使う、そんなイメージで現場にいないと、「アタマのカタい」先生になってしまう。

 ん~書いてみたけど、やっぱりモヤモヤだ。現場の先生方は「まあ仕方ないよね」で済ませることが多い(ように見える)けど、「本当にそうか?」問い直す若さはいつまでも持っていたい。

アドバイスありましたら、ぜひいただきたいです。長い記事を読んで頂きありがとうございました。

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