やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

授業アンケート結果の分析レポート①~Google×スマホで学校でも簡単実施!〜

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年度内の授業も終了。ということで年度末アンケートを行いました。

私の授業自体はもうGoogleがないと成り立たないほど愛用させてもらっています。

この方法は個人的に定着していきそう&手軽で他の先生方もオススメされているので、アンケートの方法、結果と考察を記録として残しておきます。

もくじ

アンケートをどう取っているか?

ぜひ他の先生方のアイディアも知りたいのですが、まず自分のやり方を提示します。

実施頻度は学期ごと、年2-3回です。

Googleフォームで作ったものに、生徒のスマホから回答してもらっています。

もちろん、スマホがない等の生徒には、ノートPCを用意しています。(そのために用意して教室まで持っていきます。重いけれど、この配慮は絶対にしなければいけません。)

無記名で、アドレスも収集しない設定なので、誰が書いたかは判別できません。

私の場合は、授業内の約10分で、10個の質問項目について書いてもらっています。

10分程度取らないと、やっつけの意見やコメントが増えます。

また、授業外で書いてね〜だと回答率がガクンと落ち、書きたい人だけが書くことになるので本末転倒だと思っています。

質問項目は10個程度に絞り、重複や抜け漏れがないような項目を用意しています。

この辺りについて、質問項目として何を聞くか、そもそもなぜGoogleフォームを使用するか、等の作成前段階については、こちらの記事をご覧頂けると幸いです。

www.yacchaesensei.com

では、ここから今年度の授業アンケートの中身と考察を簡単にまとめます。

授業全体の「総合満足度」を分析する

1:不満 〜  4:満足 の4段階で聞いています。

このアンケートの対象となった科目は、必修科目(全員無条件に受ける授業)。

なるべく全員に実りがある授業設計を心がけてきたのが、少しは伝わったでしょうか。

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授業の内容を活動ごとに区切って(講義・ディベートなど)アンケートを取っているので、まず最初に聞くのがこの設問

Googleフォームの素晴らしいところは、回答されたフォームを個別で見ることができること。

なので、例えばこの評価で「2」をつけた2人の生徒のフォームを確認し、他の設問への回答も交えて、「どうして総合満足度が「2」だったのか?」と原因を追求できます。

「生徒のことは、生徒に聞け」

すると、こんなコメントが「2」をつけた生徒の他の設問への回答にありました。

理解しようと努めても、理解出来なかった。理解出来れば楽しいはず!

もっとクラスの中での意見交換が多いと思っていましたが、暗記して、テストで点数を取るための授業という印象でした。 期待が大きかった為、他教科と同じような「暗記科目」感が残念でした。

ここで紹介しているのは年度末のアンケートです。

これを元に生徒に直接フィードバックをしたり、改善案を提示することはできないので、学期ごとにアンケートを取るのが望ましい。ということは1つ言えるでしょう。

ちなみに昨日のあすこまさんの一連のツイートは、形成的評価を考えさせる興味深い内容だった。これと絡めて自分のアンケートを考えると、学期ごとにアンケートを行えば、生徒からの妥当なフィードバックを授業展開中にもらうことができ、その後の授業展開に改善が見込まれるので、生徒にも教員(私)にもそのフィードバックは響く。と言えるのではないだろうか。

話を戻して、先に紹介した、このコメント。

もっとクラスの中での意見交換が多いと思っていましたが、暗記して、テストで点数を取るための授業という印象でした。 期待が大きかった為、他教科と同じような「暗記科目」感が残念でした。

恥ずかしながら、未だ既存の授業のパラダイムから脱することができていない!ということを指摘されています、ぐは。

一方で、他の生徒からは、

人間性、自分の思考力をひたすらに磨ける時間。

自分の意見を匿名で発信でき、友達と意見交換もできることでとにかく考えさせられた。先生との対話ができる大福帳の制度も有意義だった。

などのコメントが多数あることを考えると、先のコメントを解消するための仮説は、

  • 授業「内」で、「生徒同士の直接対話」の時間を増やす
  • 定期試験の問題を、より思考の内容を書かせる問題を中心にする

といったものになるでしょうか。

アンケートのいいところは、こうやって

評価→集計→分析→仮説→実践 

のサイクルが回せること。

これに尽きます。

と言うか、これをやらなくなったら、一部のカリスマ教員以外は、完全に映像授業に取って代わられること間違い無いでしょう。

自己評価の機会づくりと、その評価を担保する仕組みの整備は、教員にとって欠かせないスキルだと思っています。

そして同時に、学校・教室という権力構造の中でアンケートを欠かせることへのためらいと、そこで得られた評価に対する健全な疑いも合わせて持っていたい。

まとめ

  • Googleフォーム×生徒のスマホで簡単に授業アンケートができる!
  • 生徒から集めた回答を分析し、仮説を立てて授業改善に生かす!

今日の記事はアンケートの実施方法と意義をメインでまとめましたが、

次回はアンケートで得られた評価分析の一部を抽出して、生徒のコメントも合わせて紹介したいと思います!

何かご質問や改善案などありましたら、是非お教えください!