やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

文化祭の準備でプロジェクト型学習の必要性を実感する 〜行事と教科をこえるカリキュラムマネジメント〜

今日は自分のクラスで文化祭に向けた準備を進める時間を取りました。

教室全体でガヤガヤと生徒たちが動き出す中、全体を見ていて痛感することが。

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プロジェクトの「土台」がない

学校祭・文化祭でのクラスの出し物は、クラスにおける1つのプロジェクトです。

しかし、生徒の様子を見ていると、

「進め方」がないのです。

全体像がないまま、目先の課題に全員で突進していくような感覚。

ビジネスでは、と言わずとも、よい成果がでる動き方をしていないのです。

もちろん、担任として力不足を感じますが、クラス単位の責任にするのではなく(棚上げ)、学校として【プロジェクトを進める土台となる知識】が必要だと実感しました。

具体的にイメージする

今日の生徒を見ていて必要だと思ったことをイメージしてみました。あくまで今日の自分のクラスをみていて、ですが。

・プロジェクトとは
・プロジェクトの進め方
・工程毎のポイント
・スケジュール管理術
・会議体の持ち方
・よりよい意思決定とは
・「協働」のコツ
・サプライチェーンとコスト

など。ちなみに、当ブログでも紹介している『学びの技』はアカデミックな内容における学びの進め方に焦点を当てています。

1人1冊持たせて、全教科でこれを参照しながら学校での学びを進められる超良本です。

学びの技 (YOUNG ADULT ACADEMIC SERIES)

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  • 作者: 後藤芳文,伊藤史織,登本洋子
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  • 発売日: 2014/11/11
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ただ、今日感じたのは、プロジェクトの実践的な進め方にもう少し特化した知識が欲しいところ。ぶっちゃけもう大人向けのビジネス書でもいいかもしれません。

授業でも使い、生徒にも紹介しているのは、やや古いけどこれとか。

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

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 こういうものを使いますかね…企業時代の書棚をあさってみよう…

マンガでわかるプロジェクトマネジメント

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  • 作者: 広兼修,トレンド・プロ,さぬきやん
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生徒たちの様子

ある生徒たちはじゃれ合いながら、「先生〜〜私やることありません〜〜!」と声をあげている。

クラス全体でチームになってバラバラの活動をしている、でも全体としての計画性や統率性はみられないから効率的とは言えないような状況であなたが担任ならどう対応するでしょうか?

私も「そうなのかあ、」と言いつつ、全体に向かって「お〜い、〇〇たちがやることないって!どうしたらいい?」と呼びかけるにとどめました。

  • 全体をコーディネートするリーダー役の生徒たちがどう采配するか
  • 近くで話し合っている生徒たちはどうするか
  • この全体の状況を一旦止めて、全体像を見ようとする生徒はいるか

を見ていましたが、結局近くのチームが声をかけてじゃれ合っておわり。

チーム毎の進捗を把握して最適な人的資源の配分を行う、ということはできませんでした。

カリキュラム・マネジメントができれば

行事と教科の関連性を強く持たせて、適切な働きかけができるようになるはず。

例えば、

行事のために伝えたプロジェクトの進め方スキルを、教科毎のプロジェクト学習で応用する。

とか、

行事の準備の中で、より良い意思決定とはどのように行うべきか?というテーマで社会的選択理論について学校全体講演で学ぶ。

「決め方」の経済学―――「みんなの意見のまとめ方」を科学する

「決め方」の経済学―――「みんなの意見のまとめ方」を科学する

 

とか。後者なら教科の専門性が授業を超えて、学校レベルで生かされることになる。そういう学校は強いですよ、どう考えても。

行事と教科学習の垣根を取っ払い、カリキュラム全体を教育活動としてデザインし直す。

そんなカリキュラムマネジメントを学校としてできればなあ、と思いつつ、「まあなんとかなるっしょ」と言っている生徒に冷や汗を垂らす2学期の始まりでした。

おわりに〜前田康裕先生の資料〜

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http://r.goope.jp/yasu-maeda/free/kounaikenshuuより。使えるマンガ資料がフリーで置かれています。前田先生に感謝。

前田先生の書籍は第3弾まで出ています。

カリキュラムマネジメントの実践イメージを膨らませるため、校内研修でも資料として使わせていただきました。

書籍にあたるのが一番ですが、上記サイトでも資料が手に入ります。ありがたい。

まんがで知る教師の学び3━━学校と社会の幸福論

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