なぜ「高校」が必要か?
を諸先生方のTwitterの発信に触れて考えさせられていました。
ブログ更新しようとしたけど、「高校教育とはなんぞや」と考え始めてしまってまったくまとまらないのでさっきのツイートになりました。「高校教育」って「小学校教育」「中学校教育」「大学教育」に比べて基盤があっても認識されづらい気がしてるんだけど、勉強不足です。はい。勉強しよ。
— やっちゃえ先生@大企業やめた (@Yacchaee) 2019年1月14日
普段面白い実践を発信し、多くの人を巻き込んでいる先生方をみていても、
「小学校教員」が「小学校教育」という土台を共有している印象を持ちます。
Twitterのフォロワー数が2000人を超えているWATCHAメンバーの方々がその代表例という印象。
「小学校教員」のインフルエンサーが存在するのは、
「小学校教員」が「小学校教育」という土台を共有しているから。
と感じます。
「高校教員」はどこに
一方で、高校教員のインフルエンサーは存在しているように見えません…
(部活動問題等、現状の問題点を発信する中学校の世直し型の先生はいらっしゃるように見受けていますが…)
決してTwitterのフォロワー数で「存在する/しない」を決めるわけではないけれど、なかなか「高校教育」という言葉で知が集積している感覚がない。
「高校教員」が「高校教育」という土台を共有していないように感じてしまうのです。このツイートは小学校教員との比較要素をあげてみたもの。
20代小学校教員:ガンガン発信
— やっちゃえ先生@大企業やめた (@Yacchaee) 2019年1月14日
20代高校教員:アカウントも発信も少ない(当社比)
なぜか?
✅そもそも高校の教員が少ない
✅高校教員の年齢層が依然高い
✅高校教育は多様ゆえ、共通基盤が見出しにくく発信の意義を感じない
✅部活等で疲弊(フォローしてた先生の多くが更新止まってる)
他には…?
個人的には、普段あすこまさんやロカルノさん等の先生方の発信から色々なことを考える機会をいただいていますが、
全体としてみると「高校教員の分断」と「高校教育の不在」があると思うのです。
「高校教員」の分断
細かい数字は目をつむって、概数(平成30年度)で語ると、
- 小学校教員は約42万人
- 高校教員は約23万人
であり、ここから
国語、外国語、数学、理科、地歴公民、保健体育、芸術、情報、etc...
教科によって人数が異なるので、均等に割ることはできませんが、
便宜的に高校教諭23万人を7で割ってみると約3万人。
となると、ただでさえ「教科」の圧力が強い高校教員が、地域・教科の枠をこえて「高校教育」という土台を形成するのは数の上でも難しくなる。
さらに、大学進学 or 就職どちらが中心か?、によって大きくその求められる教育は変わってくるでしょう。
「高校教育」の不在
ここまで述べた「高校教員の分断」をまとめると
- そもそも高校教員の人数が比較的少ない
- 教科ごとの専門性が異なる
- 高校ごとに地域で求められる役割が異なる
- 生徒の進路によって教員の関心が異なる
こうした「高校教員の分断」が「高校教育」の土台の不在を招いているのではないか、という仮説です。
文科省が期待していること
「高校教育」という土台はあるのかという問いを考える上で、
文科省は高校教育にこういったことを期待しているそうです。
○ 思春期の混乱から脱しつつ、大人の社会を展望し、自分は大人の社会でどのように生きるかという課題に出会い、進学や就職といったそれぞれの人生の岐路に立って、葛藤の中で将来を描いていく時期と言える。
この間、生徒は、「思想的(哲学的・精神的・心理的)な自立」を果たして、自他を尊重しつつ、自らの「観」を自己形成できるようになるとともに、「社会的(経済的・政治的・生活的)な自立」を果たして、大人として社会的な貢献を自覚し、信用される行動がとれるように修養を重ねていくことが期待されている。
総論としてはOKかもしれないけど、6年前の河合塾の記事だとこんな感じ。
6年前の記事でも
— やっちゃえ先生@大企業やめた (@Yacchaee) 2019年1月14日
✅「高等学校教育のコア」に関して、「何をコアとするか」「どう評価するか」など識者の見方異なる
✅高校教員調査では「コア」の是非も含めて、さらに多様な意見
✅高校の多様化→すべての高校教員や高校生が同意できる「コア」の設定は困難
という調子です…https://t.co/MFNOQCBM3r
やはり「高校教育」って何なのか、なぜ必要なのか、定義しにくい現状は変わりません。
タテマエに甘んじて
そのことを高校教員自身が自覚せず、
「それぞれ専門や学校の役割は違う」というタテマエに甘んじるなら、
中高一貫校になってしまった方が、生徒ひとりを長く見られる分、余程“ひとり”にとって有益かもしれません。
教科ごとのタコツボで仕事するのは楽だけれど、それに甘んじたら終わり。
共通了解がないと、対話は生まれません。
こう書いていると己の勉強不足を呪わずにはいられない。ああ。
今日の記事はここまでで本論は終わりです。もしご興味のある方は続けてご覧ください。
【追記】頂いた反応etcまとめました、ありがとうございます!!
ちなみに20代の教員数比較
年齢別に比較(平成28年度)してみると(出典)
- 公立小学校の20代は17.3%
- 公立中学校の20代は15.8%
・公立高校の20代は10.8%
・私立高校の20代は16.1%
※人数比踏まえて合計すると12%くらいでしょうか。
やはり、全体の母数・20代の割合をみても高校は人数が少ないです。
おわりに
あおせんさんの「教員×ブログ」講座いきたいなあ。内容も学びが多い+本当にデザインが美しいのです。
3/21、部活の試合が入る気しかしないけれど、副顧問の先生方と相談です。