衆院選直前にまとめたこちらの授業実践についてです。
きちんと論文化しておきたいと思いつつ、次の授業準備でなかなかそこまでたどり着けていません。
が、実際に衆院総選挙も経験した生徒たちが、Google Classroomで行っている大福帳(要は授業へのコメント)に書いてくれた言葉を紹介したいと思います。
続きを読む衆院選直前にまとめたこちらの授業実践についてです。
きちんと論文化しておきたいと思いつつ、次の授業準備でなかなかそこまでたどり着けていません。
が、実際に衆院総選挙も経験した生徒たちが、Google Classroomで行っている大福帳(要は授業へのコメント)に書いてくれた言葉を紹介したいと思います。
続きを読む恥ずかしながら、表題の通りです汗
以前から、PINが送られてこないので、再送依頼をフォームから送信していたのですが、結局2度やっても送られてこず…
結論としても、今この記事をご覧いただいて広告の掲載がないように、停止されたままなので、解決していません。
続きを読むついに明日が投票日。変な言い方だけど、やりきった感があるのは、9月から今日まで選挙をテーマに主権者教育?とやらを実践してきたから。
どんなことをしたか、自分の棚卸しも含めて時系列に書いておきたい。
続きを読む退勤途中、雨の降りしきる駅前で、演説を終えた共産党の候補が一息ついていた。周りの様子からも邪魔にならなさそうだったので、聞いてみたかったことを聞いてみようと声をかけてみた。
続きを読む衆議院解散総選挙の投票日まであと1週間。
どこに投票するか、も大事だが、そもそも本当に今の制度は民意を反映できているか?という問題意識は前回記事にも書いてみた。
前回記事でも指摘したように、多数決は票の割れに弱い。最大の欠点だ。
学校の1クラス45人で例えてみよう。
クラスの選挙で、A~Cの3人から1人を選ぶとき。
クラスの20人がAに近い考え方、そして半分以上の25人がB・Cに近い考え方を持っていたとしよう。略図にするなら、こんな感じ?
A B・C
←――――――――――――――――――――→
20人 25人
さてこの場合、多数決でだれが勝つのか?
と言ったら、こんな可能性があることはお分かりだろう。
BとCで票が割れて、クラス全体からすれば少数派であるAが勝つのだ。
Aが20票、Bが15票、Cが10票、といった具合に。
3人以上から1人を選ぶ多数決を行う場合、上と同じ現象が起こる。つまり、日本の国政選挙でいえば、小選挙区制ではこのようなことが起こる確率が高い。
実際、こんな調査も出ている。(太字は筆者)
調査で安倍政権の5年間の評価を聞くと、「評価する」44%、「評価しない」41%と割れている。ただ、「評価しない」と答えた人でも、選挙区では3割近くが自民候補に投票する意向を示した。野党が分散していることに加え、政権批判票の受け皿になり切れていない状況がうかがえる。
よって、今回の選挙も、自公が目標の233議席を確保することは ほぼ確実だろう。
選挙で「勝った」とき、安倍首相が語る言葉に注目したい。
※それ以上に、池上さんの突っ込みにも期待しているのだけれど
選挙で勝って、国のリーダーになる人物が、こういう言葉を口にしてくれたら、と思う。オバマもうまくいかないことはいっぱいあったが、やはり彼の演説はピカイチだ。
And to those Americans whose support I have yet to earn – I may not have won your vote, but I hear your voices, I need your help, and I will be your President too.
訳)私がまだ支持を得られていない皆さんにも申し上げたい。今夜は皆さんの票を得られなかったかもしれませんが、私には、皆さんの声も聞こえています。皆さんの助けが必要なのです。私はみなさんの大統領に、なるつもりです。
この、I will be your President too.の持つ度量こそ、国のリーダーにふさわしいと感じてしまう。もちろん、本心からそう言っていることが大事だけれど。
選挙で勝つ=民意 ではない、ということは、2位以下の候補を順位づけて選べない多数決を使っていれば明らかだ。
多数決を否定するなら代案を出せ、と言われるかもしれないが、
多数決以外の集約ルールはたくさんある。(ボルダルール・コンドルセルール・決選投票付き多数決・繰り返し最下位切り多数決・是認投票・中位ルールなどなど)で集約したら、違う結果が出ることだってあるだろう。
ネットで息巻いている人たちは、どこ支持であれ、一度「制度のうえで踊らされていないか」を真摯に考えたほうがいい。
やっぱり演説は本人の言葉を聞くのが一番だ。
※スピーチの00:13:00あたりから再生される
※全文スクリプトはこちら:Barack Obama Speech - Election Night Victory - Nov 4 2008 - COMPLETE TEXT
ボルダルールなどの集約ルールについては、
おすすめの新書5冊選べ、と言われたら↑入れちゃうだろうな。
くじ引きやじゃんけん?責任者での話し合い?学校現場での「決め方」はワンパターンだ。
しかし、いつから多数決が当たり前に使われるようになったのだろう?
クラスの委員決め、合唱曲の曲決め、指定校枠での推薦者決め、なんでもかんでも学校現場の意思決定は多数決だ。あるいは管理職の一存(小声)。
学校現場は生徒たちの意思決定を促す場でなければならない。
その意思決定が、意外と適当にやり過ごされている、と思わせてくれるのはこの本だ。
学級委員も、大統領も、ほとんどの場合は選挙になるだろう。推薦で無投票当選なんてことはなかなか起きえない(高学年になると出来レース化してくることも否めないのだが)。
1つのクラスから2人選ぶ学級委員選挙も、
1つの国から1人だけ選ぶ大統領選挙も、
候補者が3人以上いる場合は同じ弱みを持っている。
それが「票の割れ」だ。
男子から2人立候補、女子から1人、学級委員の立候補が出たとしよう。
選ばれるのは3人の中から2人だ。
なんとなく想像がつく方が多いだろうが、大体男子1人、女子1人が選ばれるだろう。
なぜそういうことが起きるのか?
ずばり、票の割れだ。なぜか生徒の多くは、2人とも男子・女子(でもまったく構わないのだが)ではなく、男女1人ずつを選ぼうと思ってしまう。
したがって、男子も女子も、その立候補した女子があまりに的外れでなければ、
「その女子と、男子のどっちか」を選ぶのだ。
その結果、男子同士で票を奪い合う、ということが起こる。
もちろん、そんなことを誰も問題視はしない、のだが。
決してこれはたとえ話ではない。
2000年のアメリカ大統領選挙を例に挙げよう。当初の世論調査では、民主党のゴアが共和党のブッシュに勝っていた。だが途中で泡沫候補のラルフ・ネーダーが立候補を表明、最終的に支持層が重なるゴアの票を食い、ブッシュが漁夫の利を得て当選した。多数決は「票の割れ」にひどく弱いわけだ。」(坂井豊隆『多数決を疑う』)
こうして、現実的に票は割れていく。
国会議員の選挙でもそうだ。
2016年の参議院選挙でも、小選挙区で、自民党vs民進党vs幸福実現党の構図が生まれたとき、自民候補が民進候補に惜敗するケースがあった。
それは保守寄りといえる幸福実現党の候補が、政策のかぶる自民党候補の票を食い、それによって自民候補の票が伸びず、民進候補にその分だけ及ばなかったからだ。
逆に、自民vs民主vs共産の構図となり、民主と共産で票を食い合い、それが自民候補の当選につながったケースもある。(代表が敗れた、2014年の衆院選)
ただ一つ言えることは、私たちは決めているようで、決めさせられている。
それは、多数決という決め方のルールが、「1位」しか表明できないルールだからだ。
多数決のもとで有権者は、自分の判断のうちごく一部にすぎない「どの候補者を一番に支持するか」しか表明できない。二番や三番への意思表明は一切できないわけだ。(坂井豊隆『多数決を疑う』)
順位をつけて投票する、となれば、「票の割れ」は防げるかもしれない。
もちろん、そうした選挙制度を国政レベルで整えるのは至難の業だ。
ただ、今の決め方は決して「総意」どころか「民意」を適切に反映しているものではない、ということは、頭に置いておきたい。
そうでないと、「悔しかったら選挙で勝て」みたいな発言をしてしまうことになる。
とりあえずすべての学校教員はこれを読んで安易な多数決を控える教育をしたほうがいいんじゃないか。それこそがシティズンシップではないか。
シティズンシップはそういう、”生活”目線のもので、
教科として「教えられるべき知識」とは違って経験ベースの部分が強いものだと感じる。
新書よりも、こっちの方が読みやすいかも。
内容は結構かぶっている。ケーススタディが違うのと 、図が多め。あと地味だが巻末に「索引」があるのはありがたい。
「決め方」の経済学―――「みんなの意見のまとめ方」を科学する
何かを「皆の意思で」決めた。そういう言葉のもつ”危うさ”を、論理的に自覚したい、という思いが何となくあるあなた、ぜひご一読を。