やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

担任・クラス運営

情報共有が叫ばれるこの時代に「あえて知らない」こと 〜手のかかる生徒・保護者にどう向き合うか〜

ちょっと思うことがあったので記しておこう。タイトルは単純化しているのでご容赦を。 気になる生徒の情報 このご時世だから、紙だろうとデータだろうと、基本的に学校でもあらゆる情報を共有している。 そして、リアルな話ではあるが、多少なりとも「気にな…

無料で使えるおすすめの席替え・グループ分けツール!~どれくらいの頻度で席替えすべき?~

ゴールデンウィーク明けに、クラスで初めての席替えを行うケースは多いでしょう。 年間でも結構な回数になるであろう席替え、簡単に出来たらいいですよね。 非常に便利なツールを教えて頂いたので紹介します。 席替えメーカー! 実際の画面 改善していただき…

いつでもどこでも学べる時代に学校はどんな役割を果たすのか? ーコロナが生徒の科目選択に与える影響ー

来年度の科目選択を本格的に考える時期を迎えた生徒たち。 色々な迷いを日々聞かせてくれますが、生徒の会話からとても考えさせられたことがありました。 どの授業を取るか? 取らなくても学べる 課外活動はオンライン化が加速 自分の思考を反省する むしろ…

教員が行くのか、生徒が来るのか 〜授業のための「教室移動」の変化と意味〜

たまにはコラム的な記事を。2学期が始まり1ヶ月。 コロナで大きく変わったことの1つが授業のための移動です。 小さなことですが、大きな変化が生まれている気がします。

【書評】『教師の勝算』学習科学の知見が詰まった良書! 〜あなたの学習観を再形成し、教育格差を問い直す〜

再読して改めていい本だと感じたので広く読まれることを願ってます! 再読。装丁と邦題がアレですが、やっぱりいい本。認知科学の9原理に基づき教育を設計する知恵が得られる。原著は2009年だけど、5年後でも通用する大量のデータに基づいた原理だと著者が宣…

教科を問わず!学校でブレンディッド・ラーニングを実装する ー反転授業とステーション・ローテーションを使い分けるー

はじめに いずれは全学登校を視野に準備せねばなりません。(中長期で学校をオンライン併用にする議論もあるだろうけど一旦置いておく) ここまで様々な試行錯誤をして来て、場に戻るわけですが、オンライン期間の投資をコロナを「しのぐ」ためのものとして…

Google Jamboardを使ってオンラインでの協働を促そう! 〜Classroomとも相性◎の便利ツール〜

オンライン授業を初めておよそ1.5ヶ月。ある程度経験値もたまり、なんとか軌道に乗ってきたものの、今度は学校再開を見据えて動き出しています。 色々と書きたいことはありますが、学校再開後は多くの活動が「オンラインで行うか?」という検討の俎上にさら…

Spatial Chatでオンライン職員室のススメ② 〜ZoomやRemoに足りない、偶発的な「わちゃわちゃ」の場づくりを試してみた〜

オンライン職員室の必要性を感じて試行錯誤を続けています。 なぜオンライン職員室をひらくのか? 生徒たちの現状 学校のゆるやかな関係性 救世主になるか?Spatial Chat 細かいけれど大切? よかった点 きになる点 教員目線で感じたこと おまけ なぜオンラ…

オンライン職員室のススメ〜授業以外での生徒とのコミュニケーションの場に困っていませんか?〜

オンラインでの学校再開から約2週間。 遡って、突然の休校要請があった2月下旬からここまで2ヶ月。 色々ありましたが、Zoom・Google Classroom等を使い、なんとか教育活動を継続できるように組織として、個人として動いてきました。 この記事は、授業にとど…

【保存版】Google Classroomの使い方を教員目線でわかりやすく解説!〜授業の効果を高める実践紹介〜

Google Classroomの具体的な機能についてまとめます。この記事を読めば、生徒のオンライン授業と学習をデザインしやすくなると思います。 4つのタブと3つの機能! タブ1:「ストリーム」 タブ2:「授業」 使いこなしたい4機能! 機能⑴:「課題」☆重要☆ 機能⑴…

オンライン授業で失われるものに光を当てていますか?〜なくなる「余白」をどう生み出すか〜

今週のお題「オンライン」 ということで本校のオンライン対応、Zoom対応は色々こちらに書き連ねています。 www.yacchaesensei.com その中でも、今考えていることをざっとまとめておきます。

【書評】本田由紀『教育は何を評価してきたのか』ー言葉に無自覚な教育改革が新たな問題を生み出している!?ー

流行のさらっと読める新書、とは行かないかもしれない。 でも、日本の教育で語られる言葉に、特有の「内実」があること。データと引用を豊富に用いてその「内実」を示し、今の"教育改革"がむしろ多くの問題を生み出している可能性を示唆する1冊でした。 教育…

良い授業の3要素とは?ー設計者かつ支援者として学校・教員の役割を考えるー

よい授業ってどんな授業でしょうか? こういう記事が一番素が出る気がしますが、かつては(下のTwitterのヘッダにあるように)授業=「場の価値の最大化」と言っていました。 授業とは? 今もその考えは根底からは変わっていませんが、「場」って何だろう?…

子どものスマホ依存に悩む保護者・教員がすべきことは?ー熱心な親ほど陥りやすいジレンマー

スマホ依存について。 結論を先に言っておくと、 「スマホ依存の子供のいる家庭に本当に必要なのは、スマホ断捨離術ではなく家庭での会話だ(orスマホよりはPCを!)」 ということになるでしょうか。 動画は1.〇〇倍速? 学校に助けを求める 指導と管理の会…

2019年出版の「教育」関連本ベスト5を選んでみた!ー学びをデザインするためにー

今年は業務量がさらに増えたこともあり、ブログのエントリ数も減ってしまいました… が、読書量は90冊程度となんとか最低ラインに乗ったかと。 ※これはいわせんこと岩瀬直樹先生の現職時代(週3冊)にははるか及ばず、もどかしさも残る結果です。 とはいえ、…

これからの修学旅行・校外学習のカタチを考える ー「恒例の行事」から「選択するツアー」へー

英語外部検定利用入試の延期が決定した11/1以降、教育をめぐるニュースや議論が活発になされている印象を受けます。(教育は誰もが経験した分、語り合い共通了解を紡げる可能性を感じやすい一方、各人の教育経験にかなり依存するので難しさもあります) そん…

【書評】荻上チキ『いじめを生む教室』ー何問正解できますか?鬼門の秋を迎える前にー

これまでいじめ関連本で新書と言えば、森田先生の中公新書だった。 いじめとは何か―教室の問題、社会の問題 (中公新書) 作者: 森田洋司 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2010/07/01 メディア: 新書 購入: 3人 クリック: 81回 この商品を含むブログ (1…

Google Classroom+スマホで生徒のランダム指名・席替えもラクラク!ー学校でスマホを解禁すべきか?ー

Google Classroomに毎日アクセスしているヘビーユーザーなのですが、素晴らしいアップデートが行われていたのに気づきませんでしたので紹介します。 生徒セレクター機能 なんだか日本語にすると機械的であたたかみのない言葉ですが、 簡単に言えば、生徒の氏…

BYODとスマホゲーム依存と協同学習の授業デザインに悩む

今週1週間は通常授業に加えてグループでのミニプロジェクトの詰めに時間を費やした週でした。 そこでずーっと抱えていたモヤモヤのツイートが流れてしまわないようにまとめておきます(以下引用箇所は自分のツイート) 同じようなことで悩んでいる先生方もい…

教育実習生に大切にしてほしい5つのこと、それってホント?ー生徒との時間・授業づくり・分掌・就活etcー

実習生の指導ですが、今年度もスタンスはほぼ変わりません。 今年は指導教諭として一緒にやらせてもらっています。 今まで書いてきた記事に加えて、今年度特に意識していることを5つにまとめます。

Googleに魂を売った学校教員からみたG Suite for Educationのメリット!ー課題を楽々フィードバック!ー

話題になっていた「Googleに魂を売った高校」ツイート。 もう高校やばい。Googleに魂売ってる。授業で全員にGoogleアカウント作らせ、英語はGoogleスライドでプレゼン作りGoogleドライブに提出、世界史ではGoogleフォームを使って質問を募集、生物では先生が…

「自分の意見を持つこと」よりも大切なことは?ー学校教育・教員が果たすべき役割ー

自分の意見を持つことを授業で重要視することは多いでしょう。 でも、それを強調するよりも大事なことがあると思います。 自分の意見から自由になること 先に結論を提示します。 意見を持つことが悪いわけではない。

【保存版】PBL実践のための基礎スキル講座で得た、授業づくり5つのヒント!ーインストラクショナルデザインの理論ー

GWの前半はBEYOND/Cさんが主催するこちらの講座に参加していました。 PBLを企画し、デザインし、ナビゲートし、学習者に学びとして定着させるまでの一連の流れの中で教授者が必要となるスキルを、体系的・網羅的に身につけることができます。 教育工学などの…

意味ある進路指導のために!教員必携の1冊!〜対話を促し、面談にも使える〜

進級した生徒たちと持ち上がり2年目のクラス。穏やかな滑り出しができています。 生徒も教員もそわそわしない年度始め(に思えているの)で、2年目も共に過ごせることはありがたいこと。 しかし年度始めというのはこういう状況なのです…

特別支援学級が「見下される」のはなぜか?

先日このツイートが目に留まりました。 特別支援級という最高の制度に差別と偏見という腐ったハチミツで錆び付かせてしまっているのが日本の教育から個性を奪い去っている。家庭は我が子に特性があっても頑なに支援級を拒み学校は担任で失敗したり経験のない…

【資料あり】探究学習をデザインするために最も必要なことは?@成城大シンポジウム

昨日、成城大学FD・SDシンポジウムに参加しました。 本日は年度末の仕事を放り投げてこちらへ。立命館宇治中高、札幌新陽高校、成城学園中高の先生方の発表、楽しみです。今の課題は何であれ学びを自校内で交流させること、なんだけど探究講座単体を持つ以上…

迷いと限界 ー1人で40人を支援することー

2019年に入り、高校3年生の授業がなくなり、部活もピークではなくなりました。 論文を書いたり、担任させてもらっているクラスのことをもっと丁寧に見たり、授業でも一人ひとりの大福帳をしっかり返信したりできると思っていたのです。 ところが、現実はそう…

5教科の教員が芸術科の授業を見学すべき理由

先日担任しているクラスの芸術の授業を見学し「いやあ、学びが多い!」と実感しました! 限られた授業時間 前提として芸術科は授業時間が少ない。 芸術科目の多くは配当時間も少ないので、週1~2の授業。そこで全員が演奏や製作を行って何か成果を残す指導を…

【書評】オープニングマインド 子どもの心を開く授業ー単なる言葉選びではない教員必読の書!ー

教員必読、ってあまり使いたくないのだけど、使ってしまうくらいには読んでほしい本。おなじみの吉田新一郎先生訳本です。 吉田新一郎翻訳本クラスタの皆さま(いるのか)、本屋にまた2冊新刊が…とりあえず左を購入。「ほめ言葉のシャワー」は聞いたことあるけ…

一人1台の情報端末が授業で必要な理由ースマホではなくタブレット・ノートPCの学びー

一人1台、タブレットを付与する学校も増えてきています。 海外の学校では個人のノートPCを持ち込み、課題等の提出もすべてオンライン上、というのも当たり前の昨今。 今一度自分の勤務校の環境を踏まえて、「一人1台の端末が必要」という立場で考えをまとめ…