やっちゃえ先生探究記

よりよい教育のために。民間企業→私立中高一貫校→私立高校。社会科・地歴公民科。

読書・映画・TV

【書評】苅谷剛彦/石澤麻子『教え学ぶ技術ー問いをいかに編集するのか』 ー探究学習に誘う効果的なチュートリアルとはー

読み、書き、考える。 このプロセスを通して人は学ぶ。そのコツをいかに教員は教え、生徒は学ぶのか。その技術を「追体験」することで学ぶ1冊。 教員側の視点と、学生側の視点が両方メタレベルで語られることで、how toにとどまらない広がりを持っており、探…

【書評】『愛』苫野一徳  読み継がれる「愛の書」ここに爆誕。ー哲学の奥義、愛の理念性を抉り出すー

哲学に対する「愛」が伝わる、読み継がれる「愛」の書。 愛の本質をがっちり掴むだけでなく、哲学って答えのない問いをぐるぐる考えるだけの学問ではない、ということを示す良質な1冊です。 著者20年の思索の結論、と帯にもありますが、構想を数年前に伺い、…

【書評】荻上チキ『いじめを生む教室』ー何問正解できますか?鬼門の秋を迎える前にー

これまでいじめ関連本で新書と言えば、森田先生の中公新書だった。 いじめとは何か―教室の問題、社会の問題 (中公新書) 作者: 森田洋司 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2010/07/01 メディア: 新書 購入: 3人 クリック: 81回 この商品を含むブログ (1…

【書評】松岡亮二『教育格差ー階層・地域・学歴』は、すべての教育関係者に読まれてほしい。

決してエモーショナルな筆致ではない。 感情移入をいたずらに誘う極端な事例もない。 淡々と、ただ淡々と「すでにある」格差を示し続ける。 高尚な理念も、熱い想いも大事だけれど、その前に必要不可欠な「複雑な現実をありのままに見つめるよ」という言外の…

はてなブログProの独自ドメインの更新を忘れ、URLがスパムリストに登録されてしまっていた話 〜デバッグと教育〜

GWも終わりに差し掛かる中、やってしまいました。。 当ブログはGWに独自ドメインとはてなProの更新が同時に訪れる設定になっているのですが、今回は独自ドメインの更新を自動にしておらず有効期限が切れてブログへのアクセスが不可になり、アクセス数がガタ…

意味ある進路指導のために!教員必携の1冊!〜対話を促し、面談にも使える〜

進級した生徒たちと持ち上がり2年目のクラス。穏やかな滑り出しができています。 生徒も教員もそわそわしない年度始め(に思えているの)で、2年目も共に過ごせることはありがたいこと。 しかし年度始めというのはこういう状況なのです…

2019年1〜3月出版の教育関連オススメ本!ーブログも300記事に到達しましたー

節目の300記事なので、と思って意気込むけれど、変わったことが急にできるわけではないので、2019年1〜3月出版の教育関連オススメ本8冊を一挙に紹介します。 2018年もあるのはお許しください…。ではいきます!

【書評】『世界のエリートが今一番入りたい大学ミネルバ』を読もう!ー教育界への示唆に読む挑戦の書!ー

「高等教育の再創造」を本気で志す壮大な試みです。ビジネス書としてもオススメ。 宣伝色の強い装丁にやられて積読本の中から読むのを敬遠していた1冊、早く読まなかったことを後悔しました。

【書評】オープニングマインド 子どもの心を開く授業ー単なる言葉選びではない教員必読の書!ー

教員必読、ってあまり使いたくないのだけど、使ってしまうくらいには読んでほしい本。おなじみの吉田新一郎先生訳本です。 吉田新一郎翻訳本クラスタの皆さま(いるのか)、本屋にまた2冊新刊が…とりあえず左を購入。「ほめ言葉のシャワー」は聞いたことあるけ…

【書評】一人ひとりをいかす評価 学び方・教え方を問い直すー学校・企業で必要な「隣に座る」評価とは?ー

教員になる前の企業勤務にも感じていたことを少しだけ。 「一人ひとりを生かす」のではなく、「昇進・昇給のための序列化」のための評価であることに、モヤモヤとしつつも学校の現場に来ました。 企業の人事でも

高校生にオススメしたい新書トップ5!ー学問の面白さ・意義を直球で伝えようー

通常営業が始まろうとしている中で、この年末年始で生徒は受験に向けて方向性を固める時期(と担任以上に生徒は意識しているようです)。 多くの生徒から 「読解力をつけたい」 「小説は読むんだけど小説以外を読んだ方がいいですよね」 「現代文ってどうし…

田舎の祖母と「おっさんずラブ」を皿洗いしながら観た話

実家に帰省。お昼を食べながらTVドラマ再放送で「おっさんずラブ」を観ました。 www.tv-asahi.co.jp その後、私が皿洗いを始めたシーン。 祖母がおもむろに

冬休みに突入したら教員がすぐに取り組むべきことは?ー学校種を問わずできることー

年明けのHRの準備、あるいは授業準備、そのための教材研究、と言いたい気持ちもありますが、それらより先に着手したいのは、この2つ。

M-1グランプリ2018の審査の偏りを疑って実験したら妥当だった話ー経済学が教えてくれるよい決め方とは?ー

M-1グランプリ2018、楽しませて頂きました。 ただ、Twitter等を見ていると、審査の偏りに疑問を覚えるコメントがちらほら。こんな分析記事も書かれていました。 www.buzzfeed.com 私も「基準は明確ではないし、確かに偏ってる」と思ったものの、審査員個人を…

【書評】なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか!?ー日野田直彦校長のサーバントリーダーシップに見る管理職像ー

日野田先生の箕面高校改革の物語。あれやこれや奔走する若き校長の話だと思っていました。 引き続き筋トレです。右は読了。 pic.twitter.com/gcSk464qqy— T.Yacchae (@Yacchaee) 2018年11月6日 サーバント・リーダー 皆さんは校長先生というと、どのようなイ…

教育と評価をめぐってー梶田叡一先生に学ぶー

無限に仕事はありますが、強制終了し読み進めています。 積読が減るどころか増えているんだけどとにかく筋トレのように読み続けることしかないと思うので手を出す。左はポップな装丁からの肉厚な内容。わかった気でいたけど不十分だったことが、言語化されて…

【書評】『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』⑦〜教員必見!あなた1人をどう評価する?〜

今日は、第8章「価値を認める・評価する」の書評です。ついに最終章。 【これまでの『イン・ザ・ミドル』書評記事】 第1章「教えることを学ぶ」〜「譲り渡す」教育と社会科の悩ましさ? 第2章「ワークショップの準備」〜素晴らしい教師に必要な条件とは? 第…

【書評】『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』⑥〜1人ひとりの学びを支える働きかけ〜

今日は、第6章「一人ひとりの書き手を教える」と第7章「一人ひとりの読み手を教える」の2章分の書評です。味わいたかったので1章ずつ書いてきましたが、 この2章はアトウェルの授業の真髄と言ってもいい、「生徒一人ひとりとの関わりをどう担保するか?」を…

【書評】『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』⑤〜読むことをどう鍛える?〜

今日は、第5章「読み手を育てるミニ・レッスン」の書評です。旅行に読書にいろいろと外に出ていたら書評の間隔があいてしまいました。 【これまでの『イン・ザ・ミドル』書評記事】 第1章「教えることを学ぶ」〜「譲り渡す」教育と社会科の悩ましさ? 第2章…

【書評】『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』④〜ミニ・レッスン、効果あり。〜

今日は、第4章「書き手を育てるミニ・レッスン」の書評です。多少第5章の「読み手を育てるミニ・レッスン」の内容も入ります。 【これまでの『イン・ザ・ミドル』書評記事】 第1章「教えることを学ぶ」〜「譲り渡す」教育と社会科の悩ましさ? 第2章「ワーク…

【書評】『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』③〜これぞ、学びの個別化!〜

今日は第3章「ワークショップ開始」です。具体的な授業実践に入っていきますが、色々と個人的に考えることが多かった第3章。 【これまでの『イン・ザ・ミドル』書評記事】 第1章「教えることを学ぶ」〜「譲り渡す」教育と社会科の悩ましさ? 第2章「ワークシ…

【書評】『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』②〜素晴らしい教師に必要な条件とは?〜

昨日の第1章書評に引き続き、今日は第2章「ワークショップの準備」です。 いきなりですが、「素晴らしい教師に必要な条件」とは何でしょうか…? 素晴らしい教師に必要な条件とは? 「 」とは? 「宿題でやってきて」 と思っていたら、訳者コラム! ハードへ…

【書評】『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』①〜「譲り渡す」教育と社会科の悩ましさ?〜

訳者注がめちゃめちゃ丁寧… 社会科の悩ましさと吹っ切れ感の同居 一方で、 「譲り渡す」こと 先達に学ぼう① 先達に学ぼう② 先達に学ぼう③ おわりに お待ちかねの一冊、わくわく読み進めています! 第1章を読んだだけですが、『イン・ザ・ミドル』は第3版であ…

この夏に読みたい「教育」を考えるオススメ本10選!〜保存版〜

ようやく、どの学校にも夏休みが訪れたと思います。教員にとっては一年で最も鋭気を養い、中長期的なことを考えられる期間。読書をしない手はありません。 学習指導要領改訂のタイミングも重なり、学校にいる人間としては教育界が少しずつ動いていこうとする…

レポート課題のジレンマ&岩瀬先生のひとこと〜教師の専門性を高める最も基本的なこと〜

6月はずっとゆとりがなかった。夏休みの私的な予定もきちんと立てきれないくらいバタついていたし、生徒との時間もせかせかしていた。 残業時間は完全に過労死ラインを超えています。私の頭皮もそろそろ危ない。 なぜこんなに多忙だったか?

【実践報告】スパイダー討論の意義と振り返り②〜真のアクティブラーニングを実現したい〜

前回の反省も踏まえて、2回目のスパイダー討論を行いました。 なぜスパイダー討論か? 2回目の討論を実施した振り返り! ①「なぜ均等に発言することが重要なのか?」に答えを! ②「どのような問いが議論に値する問いか」の共通了解を! ③「グループでの評価…

袴田事件・高裁の再審取り消し判断と私たちの感覚がズレる理由!〜裁判所の考える「再審決定」の条件とは?〜

あまりの驚きに仕事の手が止まってしまった午後でした。 死刑囚として世界一長い拘禁期間(ギネス記録)を経て、再審決定判決を勝ち取った袴田さんの再審への扉がまた閉ざされることになってしまいました。 もくじ 袴田事件とは 2014年・再審開始決定のカギは …

【書評】『最高の授業 スパイダー討論が教室を変える』がスゴイ。安定の吉田新一郎訳本!

教育者必読の1冊がまた誕生しましたね… 吉田先生の訳本は理論に裏打ちされた優れた実践を日本の現場につないでくれます。 実際にこの本を読んで授業に取り入れてみたところ、圧倒的な可能性を感じてしまったので、実践報告記事も書きたいと思います。 間違…

【書評】溝上先生の『高大接続の本質』を読んで新年度の仕事に取り掛かろう!

10年間にわたる追跡調査の中間報告をまとめた1冊。 高校2年生から大学1年生の3年間を追跡調査してここまでで分かったことの総まとめです。 もくじ 高2の資質・能力が大学生になっても… 「いや、高3の受験で生徒は成長しますから大丈夫です」 文武両道…

【書評】『教育の効果‐メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化』ジョン・ハッティ~「教育=場の価値の最大化」?~

教育の効果をエビデンスで語ろう。 そんな21世紀の教育改革を、強烈に後押しする1冊です。 もくじ 教育=介入がどれだけの効果を持つか? 読みたいように読んでしまわないように 学力に「負」の効果をもたらすもの… 宿題の効果は? 自分に最も欠けているもの…