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やっちゃえ先生ブログ

教員の、教員による、教育のためのブログ。 大胆かつ繊細に、実のある記事を。 民間企業→私立中高一貫校→私立高校(今ココ)。

あなたは知ってる?ヨーロッパがモンゴルの支配から逃れた、たった1つの理由(前編)

Mongol Invasions

 歴史。それは、絶え間なく流れる大きな川。
その中のキラキラした一滴を「秘話」と呼びます―

時は13世紀。モンゴルの時代。

圧倒的な力を背景に、世界各地を支配下に置いていくモンゴル。

ヨーロッパも例外ではなく、モンゴル軍に大敗。

「このまま、ヨーロッパも支配されるのか…」と誰もが思った矢先、

突然、モンゴル軍が一斉撤退。

結果的に、ヨーロッパの大部分はモンゴルの支配から逃れ、

現在に至るまでモンゴルの支配下に入ることはありませんでした…

いったいなぜ、快進撃を続けたモンゴルは引き返したのでしょうか?

そこには、悲しい運命と、人間の性が隠されていました…!

 

◯世界史が苦手な生徒も忘れないエピソード

NHK 歴史秘話ヒストリア風のナレーションにおつきあい頂きありがとうございました。冒頭の引用文は、こちらのサイトからです⇒歴史秘話ヒストリア - NHK

今日紹介したいのは、「青き狼」モンゴル帝国のおはなし。

 グローバル化する世界と、それによる格差の拡大から、イギリスのEU離脱やトランプ現象など、「分断」をテーマにしたニュースが多く見られる2016年度。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉から、「グローバル化」で歴史を紐解いてみると、確実に世界のグローバル化の流れを作り出した人物・出来事というのが存在します。

その中でも特筆すべきは、13世紀 別名「モンゴルの世紀」です。

この時代ほど、世界が1つの国の影響下・支配下におかれたことはなかったでしょう。

2015年の東大の入試問題でも、世界の一体化を作り出した「モンゴル時代」が大論述問題のテーマに設定されていました。

そんな13世紀のモンゴルから、必ず生徒が食いついてくれる、世界史のエピソードを紹介します。(「世界史できないけど、この話はほんとに忘れない」生徒談)

 

◯不遇の人生が一変!?  主人公・バトゥ

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彼が主人公であり、モンゴル帝国の一時代に名を残した男・バトゥ(Batu Khan)です。家系図でその関係をみてみると、このようになります。

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 チンギス=ハンの孫にあたり、フビライ=ハンのいとこ(同世代)にあたる人物です。

彼が不遇の人生を送っていた原因は、その血筋にありました。

結論から言うと、バトゥの父(チンギス=ハンの長男)であるジュチは、私生子との噂で冷遇されていたのです。チンギス=ハンの妻が他部族にとらわれていたときに身ごもった子ではないか、という理由で、周りから疑いの目を持たれていました。

※ジュチは長男ですがモンゴルには長子相続の伝統はありません。また、チンギス=ハン自身はジュチを冷遇することはなかったとされています。

 

武功をあげるも、無理が祟ってか、父・ジュチは若くして亡くなってしまいます。

出生の疑惑もあって故か、ジュチの息子・バトゥは、モンゴル帝国指導者である「ハン」位につくチャンスもなく、その才能は埋もれかけていました…。

 

◯バトゥに一世一代のチャンスを与えた男・オゴタイ

そんなバトゥに、転機が訪れます。彼の才能を見抜き、未知の領域かつ過酷な天候下での戦いを強いられるであろう「ヨーロッパ遠征」の総帥に据えたのが、第2代ハンのオゴタイでした。

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バトゥにとって千載一遇の大チャンス。一世一代の大勝負です。

そして結果的に、バトゥはこのチャンスを完璧に生かすのです。

破竹の勢いで西へ西へと勝ち進み、ついには東欧まで侵入。迎え撃ったドイツ・ポーランド軍を蹴散らします。

それが、1241年のワールシュタットの戦いです。

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ちなみに、「ワールシュタット」の意味は「死体の山」です。汗

容赦ないモンゴル軍のツワモノぶりが想像できます。裏を返せば、バトゥは千載一遇のチャンスを生かすのに必死だった、その結果ということ。

つまり、バトゥはものの見事に、オゴタイの期待に応えるのです。

さあこのままヨーロッパでもモンゴル軍の快進撃が続く、と誰もが思っていました‥。

 

◯バトゥ、急遽引き返す

しかし、あろうことかバトゥの軍勢はヨーロッパから引き返し、モンゴルへ戻っていったのです。一体バトゥに何があったのでしょうか‥?

(私はここで生徒に自由に意見を出させます。数人のうちに、かなり近い答えが出てくることがほとんどです。)

 

絶好調の人間がその動きを止める理由、となれば、予測不可能な事態見舞われたからです。

さてその予測不可能な事態とは何だったのか‥!?

ヒントは、「バトゥはどんな予測不可能な事態が起こったらモンゴルに帰るか?」を考えてみてください。きっと現代の私たちでも、バトゥと同じ行動を取る人が多いでしょう‥。

 

バトゥが引き返した理由は、後編で!! 

yacchaesensei.hatenablog.com

 

 

◯前編のおまけ

※このサイトがすごい!⇒Mongol Khans(英語)

13世紀モンゴル帝国の歴史・人物に焦点を当てて数々の情報を集めているサイト。圧倒的情報量とグラフィックです。これ作ってる方、本当にすごいです。

※出典・画像参照元

https://alchetron.com/Batu-Khan-1052160-W#demo

https://kotobank.jp/word/モンゴル帝国-143167

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Ögedei_Khan

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ワールシュタットの戦い