やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

中日ドラゴンズ、8連勝からの4連敗。ー勝負を分けた堂上・阿部選手のセーフティスクイズ+戦術理解!ー

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最近全く書いていなかった野球関連の記事、需要があるかわかりませんが、中日ドラゴンズの野球があまりにふがいなかったのでモヤモヤに任せて書きます。笑

守りでは半速球、攻撃はセーフティスクイズ。

9回裏の守り

5-2と3点リードの最終回。6~8回すべてピンチだったものの、広島の攻撃がゲッツーを続けてくれたので、なんとか9回までリードしてきました。

抑えはマルティネス投手の不在を託された岡田投手。血行障害から帰って来た好左腕です。

しかし、色々あり、9回裏2アウトあと1球でバティスタ選手に投げてはいけない半速球を投げてしまい同点ホームラン。

※半速球というのは、スライダーやフォークなど、カーブやチェンジアップほど遅くないけれど、ストレートとは明確に違う変化球を指します。ストレートの軌道で曲がる・落ちる球をそう定義しています。

ここがどうしても気になってしまいます。

ロペス選手にも半速球をやられている

前のカードの横浜DeNA戦は4試合続いて最後3連敗しました。全て1点差ゲームです。

その立役者がDeNAのロペス選手。

外国人スラッガーらしく、初球からどんどん振ってくるスラッガー。抜け気味の半速球が得意なバッターです。

実際、ロペス選手に3ラン、タイムリー、満塁弾と3試合いいようにやられて今日の広島戦でした。

半速球は決まればいい球ですが、抜けた時は飛びやすい危険なボールです。

今日のバティスタ選手との最後の勝負の場面も、フォークが抜けて被弾。

厳しいところを攻め続けていた最後の1球が失投でした。

もちろん、それを逃さないバティスタ選手が素晴らしいのですが、キャッチャー目線だとどうも納得いかない。

捕手・木下拓哉の危機感。

半速球が悪いわけではありません。使い方です。

リードには「変化球は低く、ストレートは高く」(どちらも「真ん中にいくくらいなら」という文がはじめに省略されていると思ってください)、という原則があります。

ストレートは低く、と言われますが、威力があるボールなら高めは有効。

ちなみに、今中日のヘッドコーチをしている伊東勤さんはストレートを内外・高低の4パターンで使い分けていたそうです。

木下拓哉捕手は横浜戦も先発マスクだったはず。

序盤にロペス選手にやられたときのやられ方、外国人スラッガーの手の伸びる高さの外よりの半速球の危険さを身にしみて感じていたはず。

なのになぜ、、、と思ってしまいます。

特にピッチャーにジェスチャーをすることもなく、低めに来いという仕草もなく、なんだかなあと思います。

スポーツ紙のマスコミの皆さんは、そういう配球面の質問をしてほしいです。答えられないと突っぱねられても、そういうところをプロから引き出して欲しい。

次は攻撃面のセーフティスクイズについて。こちらが本題!

10回表の攻撃

こちらも色々あったのですが、割愛して最後となった10表の攻撃だけ。

まさかの同点劇になり、嫌な流れの中延長戦。

しかし、相手の守護神フランス投手から先頭大島選手がフォアボールで出塁。しかも初球にスチールを成功させノーアウト2塁のチャンスを作ります(大島選手はさすがすぎる)。

続くビシエド選手はセカンドゴロでランナーが進塁し、1死3塁で堂上選手という場面。

どこかでスクイズが来ても良い場面(1点とればいい延長)で、セーフティスクイズが出ました。

セーフティスクイズの極意

セーフティスクイズという作戦は、3塁ランナーが走らないスクイズです。

走って外されて3塁ランナーが挟まれて憤死するリスクを安全にする、から「セーフティ」です。

となれば、バッターは

  • ストライクバントかつ、ピッチャー前だけには転がさない
  • ピッチャーではなく一塁手か三塁手に取らせる。
  • ファールになっても良い(最悪はピッチャー前の強いバントだから)

これがセーフティスクイズの大原則です。3塁ランナーは一塁側または三塁側に転がった打球を確認してからスタートを切ります。

堂上選手のセーフティスクイズ

堂上選手のバントは、一塁側へ強めに転がり、ファールになりました。

これは失敗ですが、許される失敗です。

セーフティスクイズはファールになることを承知で「セーフティ」にするからです。もし絶対にこの1球で決めろという腹をくくるバントなら、3塁ランナーを走らせて、どんな球でも当てに行くスクイズにするでしょう。

セーフティスクイズは、「スクイズほどのリスクは取れないが、打つよりは1点取る確率が高そう」という状況で使う作戦なので、ファールになるのはストライクカウントが1つ増えるだけ、許容範囲内です。

結局、堂上選手は見極めてフォアボールを選び、次の打者阿部を迎えました。

阿部選手のセーフティスクイズ

広島の守備陣も1点もやれないので内野ゴロに備えて内野は前進守備となりました。

初球はボールでしたが、結果的にガラ空きになった2塁に堂上選手は進んで1死2,3塁、1-0というカウントになりました。

ここで出たのがまたもセーフティスクイズです。

しかし、結果は最悪のピッチャー前に強いバント

3塁ランナー大島選手は本塁で挟まれアウト、結果、次の打者も凡退しこの回無死二塁のチャンスは0点に終わりました。(その裏、先頭打者にサヨナラホームランを打たれ終戦…)

阿部選手のバント、3つの過ち

阿部選手のバントは3つの過ちが含まれていました。

  1. 狙ったようにバントを決められないバント技術の問題。
  2. セーフティスクイズという戦術理解の問題。バントの打球方向はバットの角度で決まるので、一塁側に転がすという強い意識のもと、左手首の角度をロックし、右手を前に出さずボールを受け止めれば、絶対にピッチャー前には転がらない。ファールになる。「セーフティスクイズとは何か」がわかっていれば、あのようなバントにはならない。
  3. 首脳陣が阿部選手の戦術理解度とバントの技術を過信したチーム内意思疎通の問題

という3つだと思っています。

たかがバント失敗ですが、

「1点を取るためのセーフティスクイズ」を徹底的に叩き込まれることがある高校生は、バントを失敗してもピッチャー前には転がしません

プロ野球選手はバントをしてきていない

プロに入る選手ですから、当然アマチュア時代はどのチームでも主軸で、バントのサインなんて出るはずもない選手ばかりです。

ソフトバンクの今宮選手も、多くの犠打を記録していますが、高校時代は大分・明豊高校の超高校級スラッガー。

セーフティスクイズというちまちました作戦を理解していなくても「打て」しかでない選手の集まりがプロです。

であるだけに、あの場面は阿部のセーフティスクイズという作戦に対する戦術理解が甘々だったと思わざるをえません。

あそこで、「打て」を出してもらえるプロになるために、戦術を理解して勝つためにやるべきことをできるプロに、まずなってほしいです。

おわりに

阿部選手のバント、自分の判断でやったとしたら、余計に先ほどの1,2がわかっていないということになってしまいます…サッカーは戦術理解ができていない選手を使わないこともありますが、野球はそのあたりが曖昧です。阿部選手は打撃好調なだけに、もったいなかったです。

野球だけ別のブログに書こうかな、というくらい書いてしまいました…ここまで読んでくださった物好きなみなさん、ありがとうございました。乱文お許しください。