やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

なぜ私たちは吉田輝星(金足農業)に惹かれるのか?〜第100回甲子園・平成最後の「怪物」の8つのスゴさ〜

甲子園球児の夏も最後の大一番。

夏休みの生徒・教員も、そろそろ学校始まる…と思い始めているこの頃。読書に授業準備に研究会に出張にといろいろある中で、金足農業の彼から目が離せません。

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彼を知ったのは2回戦の大垣日大戦〜なのですが(汗)、初めて観た彼のプレーに、野球に長く携わってきた自分が惚れてしまいました。ということで、野球経験者の人にもそうでない人にも伝わるようにまとめてみました。まとめたいのでまとめます

もくじ

①最高のストレート!

言うまでもありません。彼の球はモノが違います。

よく「糸を引くようなまっすぐ」「地を這うようなまっすぐ」「ホップするようなまっすぐ」と言われますが、例えるならどれか?と言うと、全部です

【2018夏甲子園】金足農業 吉田輝星(3年) 全62奪三振 - YouTube

特に最終回130球を超えてから三振をとったこのシーンも伸び上がるまっすぐで三振を取っていますが、高校生の球とは思えません

②頭の良い「ピッチング」!〜勝負を分けた4回裏〜

  • ○ いい球を使ってピッチングをしている
  • × いい球を投げている

この差はあまりにも大きい。

球が速くても、切れ味抜群の変化球があっても、頭を使わずに「投げているだけ」ではピッチングにはならないのが野球の難しさと面白さ。

彼のピッチングは、まさに、好投手のそれでしょう。

例えば今日の準決勝の4回のシーン。

状況:1-0で金足農業が1点リードの4回裏、日大三の攻撃。ツーアウトからエラーとヒットでランナーが1,3塁で6番高木くん。打撃好調で今日スタメンに抜擢された選手。第1打席では吉田くんから2塁打も打っている。全球ストレートで、ボール→見逃しストライク→ファール→ファールときたカウント1-2の5球目。

この時、追い込まれながらも高木くんのタイミングは割とあっていて、「あ、これ打つかもしれないな」と思わせる状況でした。

そこで吉田くんがしたことは、なんだったでしょうか…?

映像でご確認ください。

youtu.be

そこまで大きなリードのない一塁走者に対し、長く球を持ちつつ、いつくるか?と打者に思わせながらしつこくしつこく牽制をして、最後はクイックで思わず高木くんが中途半端に振ってしまう

これは最高にクレバーでしたね。

今日の試合の明暗分けたシーンと言っても過言ではない。本当にこの立ち振る舞いが、高校生離れしています。たまらない。

これはもう分かる人には…になってしまうのですが、牽制も、間の取り方も、首の使い方も隙のない、投げるだけが投手ではない!ということを証明しています。

③頭の良い「ピッチング」!〜カウントの取れる変化球!〜

ついに封印を解く。150キロの剛速球だけが吉田の武器じゃない。カーブ、スライダー、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ、スプリット。計6種類の変化球を自在に操る。甲子園ではカウントを取るツーシーム、120キロ台のカットボールを多投。横浜戦では今まで封印してきた縦に落ちるスライダーと、沈むスプリットを解禁する。「今までは、使わなくても抑えられた。本当に強いチーム用に残していた。直球を狙ってくる。違う球種を投げれば焦ると思う」

金足農・吉田、新変化球解禁 名門横浜をぶった斬る - 夏の甲子園 : 日刊スポーツ

 その横浜戦の映像がこれ。スプリット解禁したのがここから、というのがちょっと異次元すぎて意味がわかりません。

www.youtube.com

④フィールディング・判断力もピカイチ!

今日の試合の5回裏、観てください、たまげました。

youtu.be

決して悪いバントではない送りバントを2塁で封殺したこのシーンも、フィールディングと判断力が素晴らしい。守備に自信がないとこの場面でセカンドにあの体勢では投げられません。 

⑤仲間のエラーに動じない精神力!

 今日の試合も最終回1点差、何かが起こってしまう甲子園で、1死後、味方のエラーでランナーが出塁し嫌な空気が漂う中、それに動じず笑顔で仲間を迎えます。

youtu.be

いや、普通ね、こういう展開になると最終回だし内野手の方がガチガチになって、甲子園の魔物に飲まれるんですが、彼は飲まれないんですよね…

⑥フルスイングで打撃!

彼は打線でも3番を打つチームの柱。横浜戦ではバックスクリーンに自らHRを放ちました。いつもフルスイングで打撃を楽しんでいるんですよね、それがいい。

youtu.be

⑦仲間と楽しむ!高校生らしい無邪気さ!

東スポさんのゲスなタイトルがついたこちらの記事でご確認ください(笑)

www.tokyo-sports.co.jp

news.livedoor.com

このポーズ、控えめに、と言われても全く動じない(当たり前か)。メンタルも素晴らしいです。

なお、金足農業の選手たちは全員が秋田出身、高校から本格的に野球を始めたメンバーもいるということ。そりゃ主人公になっちゃうよ。

apapnews.com

どの高校が相手になっても、相手校がヒール役になってしまうのが酷ではありますが…倒してきている学校が、鹿児島実業、大垣日大、横浜、近江、日大三、とまたスゴイ顔ぶれ。決勝はあの春夏連覇を目指す大阪桐蔭ですから、もうマンガの世界です。はい。

⑧華のあるイケメン!

最後がこれですみません。

でも、圧倒的に、華がある。

幼少期もとってもかわいらしいですね…

天は二物を与えないんじゃなかったか。

おわりに〜憧れのプロ野球選手は?〜

--輝星クンの憧れの野球選手は 
「楽天の則本昂大投手に憧れてるみたいですよ」

投球スタイルと奪三振率も似てますね、同じ東北ということで、楽天がドラフト1位使命をするのか、注目です。

www.zakzak.co.jp

第100回の記念大会の決勝は、東北初の優勝旗を勝ち取りたい公立・金足農業vs史上初の2度目の春夏連覇に王手をかけたスター軍団大阪桐蔭の対決、見逃せません。