松坂大輔投手の日本球界12年ぶりの勝利に今日は酔いしれる夜となりました。
ここまで先発として3試合に登板した松坂投手のピッチングを観ていて、その姿に胸が打たれるものがありました。とにかくカッコいいのです。
もくじ
悲壮感が全くない
復帰初戦の巨人戦では、
タイムリーエラーをした京田に手を差し出し、「次は頼むぞ」とグータッチ。
このシーンだけでも、グッときたファンは多かったはず。
松坂さんは試合中にグータッチしてくれて『気にするな、打って返してくれ』と言ってもらった エラーした京田に 松坂「気にするな、打って返してくれ」:ベースボールスレッド
前回の阪神戦は7回2失点と好投していたのに援護に恵まれず負け投手に。
それでも松坂投手からは、悲壮感というものが一切感じられません。
圧倒的なメンタル
さて、今日の横浜戦。
明らかに今までの登板よりもコントロールが悪く、思ったところに球を集められていない。四球も多い苦しい状態の中でも、決して冷静さを忘れない。
―森監督は3試合で内容が一番良くなかったと振り返った。
「ボール自体は悪くなかったと思います。でも、ブルペンからフォームが暴れて、ボールも同じように暴れていました。どうなるかなと思いましたけど、自分の調子が良くても悪くても、すんなりいくとは思っていない。自分自身(調子の良し悪しは)気にしていない」【中日】松坂、初勝利のポイントは「大野奨の盗塁阻止。大きかった」…一問一答完全版(2) : スポーツ報知
調子がよかろうが悪かろうが、すんなり行くとは思っていないし、その日その日のベストを尽くすんだという平常心。
こういう言葉から、エースのメンタリティを伺い知ることができます。
そして今日の一つのハイライトは5回表でしょう。
ロペス選手を打ち取るも、依然として2死満塁。
打者宮崎選手を迎えたピンチの場面。
ここで打ち取れば勝ち投手の権利が手に入る、と誰もが思うし、
無失点で切り抜けたい、と誰もが思う中で松坂投手は、
ランナーをためたところで宮崎君だったんですけど、最悪ああいう形(押し出し四球)でも仕方がない。ああいう形の方が最少失点で終わるんじゃないかと思いました。 松坂「今後は登板間隔も詰めて投げたい」/一問一答 - プロ野球 : 日刊スポーツ
メンタルが強すぎて笑うしかありません。
ここまで2安打されている打者、かつ昨年度首位打者の宮崎選手が相手だとしても
「押し出しの方が結果的にいい形で抑えられるだろう」という精神力。
ましてや、このピンチも2つの四球が絡んでいるだけに、四球がらみの失点の仕方は避けたい!と思うのが投手心理。
でも、そんなことには頓着せず、チームが勝つためにベストだと思えるピッチングを考えて試合を作っていました。
押し出し後の梶谷選手に対しては、
続く梶谷は「一球で仕留める」との計算通り初球のチェンジアップで一ゴロに打ち取った。「押し出しより、打たれるのが嫌だとは。やつらしい」と森監督を感嘆させる駆け引きだった。 【プロ野球】駆け引き光った松坂大輔「打たれるより」押し出し選ぶ 後輩・筒香には「力入った」 - 産経ニュース
本当にクレバーです。勝たないと…というプレッシャーが微塵もない!
だれよりも、野球を楽しんでいる
今年もドラゴンズは調子がいいとはいえません。黒星が先行し、勝てそうなゲームを自滅で落としたり、もどかしい試合も続いています。
打線も、チャンスなのにピンチのような精神状態で打席に入っているような状況。(前日の試合は2度の無死満塁のチャンスを潰して敗戦)
そんな中で連敗ストッパーの役目も託された平成の怪物。
12年ぶりの勝利を飾ったヒーローインタビューもご覧いただければわかりますが、涙を見せることもなく、勝てた喜び、野球をできる喜びが全身からあふれています。
―お立ち台で声が震えていたように聞こえた。
「そうですか? (チームメートは)みんな『泣くかと思った』と言ってたんですが、それはなかったですね。振り返って、ああいう気持ちになったのが初めてか、久しぶりすぎて忘れているのか。状況や立場が(西武時代と)変わっているので、今までと違う感覚でお立ち台に立っていたのだと思います」 【中日】松坂、筒香のフルスイングで「負けられない気持ちにさせられた」…一問一答完全版(3) : スポーツ報知
心から野球を楽しんでいる姿を見て、
「これが今のドラゴンズに足りないもの」と思わされました。
周平にしろ、福田にしろ、平田にしろ、皆考え過ぎている気がしてしまいます。
「日本を代表する打者と対戦できるんだから楽しみだ!」と筒香選手に向かっていける投手がどれくらいいるでしょうか。
今日12年ぶりの勝ち投手となった松坂投手のピッチング、次も本当に期待して観ていたいと思います。
おわりに
松坂投手はマウンド上でも、ベンチでも、ヒーローインタビューでも笑顔が本当に目立ちます。中日の選手たちがこのムードを明日以降も続けてほしいと願うばかりです。
勝てなくても、調子が悪くても観ていたい。
そんな松坂選手のバトンを繋ぐのは、
同じ横浜高校の後輩である柳投手。
しかも柳投手は「松坂大輔に憧れて」地元宮崎から横浜高校進学を決意した選手の1人。神宮でヤクルト相手にどんなピッチングをしてくれるか、楽しみです!