教育実習、各校で始まっていますでしょうか?
教員養成課程も昔に比べると要件が厳しくなっている(介護等体験など)ようで、実習までたどり着いた人たちは、これが取得単位としては総仕上げになることがほとんどでしょう。先に言いますが、
なんとしても頑張ってほしいです!
実習中はとにかくいろいろしんどい
全員とは言いませんが、自分の時間を自分でコントロールできる大学生が、自分の時間をほとんどコントロールできない学校現場に放り込まれるわけです。
しかも、年度の初めからとかではなく、物事が起こっている途中の時期から。
当然、慣れない・わからない・できないの連続で、疲労とストレスを感じるでしょう。
こんなブログも拝見しました。
・教育実習でつらいことを7つ挙げます | Homer's Blog
読みながら、「あ~そうだよねえ」と思ってしまうところもありました。
私自身は幸いにも、何とか公立中での実習を乗り切り、「いつか教員に」という思いを持つことができましたが、仲の良いある友人は「実習で、もういいやと思っちゃったんだよね」と話していました。あまりにハードだったから。
実習で「教員」をあきらめさせてはいけない
絶対に、こう思わせてはいけないと思っています。これがすべてです。
教員経験が長くなると、「ああまた今年もこの季節か」「今年は多いねえ」というコメントがよく聞こえます。“恒例“のイベントとなっています。
が、確実に言えるのは、その学生にとって教育実習は一生に一度です。その一校が、「学校現場」として猛烈に影響するのです。
このことを、迎える側は絶対に忘れてはいけません。
じゃあ、どうするのか?
私も現任校で、社会人経験もあることから実習生指導の一端を任されています。ありがたい限り。
私が大切にしていることは、実習ではとにかく、
「生徒との時間を何より大切にしてもらうこと」
「学校の“よい”リソースをどんどん紹介すること」
これに尽きます。
校務分掌の細かい仕事に追われる必要はありません。基本的には生徒との時間を多くするためにすべての行動を考えるのです。
仕事の仕方?多少の「うまくいかない」は無視していいのです。指導する立場として、いちいち目くじら立てて“管理”するよりも、
むしろ、学校の“いいところ”をたくさん紹介します。
- 「あの先生の授業は見に行ったほうがいいよ」
- 「この先生に授業来てもらって、指導してもらうといいよ」
- 「今年の行事にかける上級生の意気込みを感じておいでよ」
- 「今週はきっとこういう気持ちでいる子が多いかも」
などなど、学校のリソースや生徒の空気感を紹介するのです。
ただ、指導側としては、時間管理だけをさせる。
「○時まで見ておいで」の「○時」の指定はしてあげたほうがいいでしょう。「○時から私と打ち合わせがあるから」って生徒にも言っていいよ、と。
生徒の活動を見に行ったけど、そろそろ帰りたい、でも雰囲気的に帰りづらい…なんていう状態にさせないこと。
実習が終わっても
その実習生が「やっぱり教員になりたい」と思ってくれる時間を過ごしてくれればよいのです。
「教育」を志す仲間として、実習生に未来を見せねばなりません。
現場にいる教員ができること・すべきことです。ほかにできる人はいません。
現場の良さは、現場で示し、語り、感じてもらうしかないのです。
これをおろそかにして、恒例のイベントのように、ましてや雑用をさせまくるような対応をしていては、優秀な教員が集まりません。教育界が、そういう人材を自ら手放してはいけません。
おわりに
「本当はもっと忙しいし大変なんだろうけど、」と思ってくれることも大切なんだけど、それに先立つ「教育」への思いを引き出してあげること、教育現場への思いを高めてもらうこと。これしかないと本気で思うのです。