やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

Google Classroom+スマホで生徒のランダム指名・席替えもラクラク!ー学校でスマホを解禁すべきか?ー

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Google Classroomに毎日アクセスしているヘビーユーザーなのですが、素晴らしいアップデートが行われていたのに気づきませんでしたので紹介します。

生徒セレクター機能

なんだか日本語にすると機械的であたたかみのない言葉ですが、

簡単に言えば、生徒の氏名が書かれたカードをランダムで出してくれる機能です。

具体的な使い方はこちらの動画がわかりやすいかな…

英語ですが、実際の画面を使っているので、一番イメージがわくはず!

www.youtube.com

生徒セレクターがもたらすもの 

機能自体はシンプルです。

新たなツールを作ることなく、ランダム指名が可能になるので、実際のこのスマホ画面を教室で投影して、ランダムに誰があたるか楽しみながら?授業をしたり、

あるいは席替えで、表示された順で座席を決めるような応用が可能です。

が、これがもたらすことはもう少し射程が広い気がしています。

というのも、学校でのスマホ利用は未だ禁止されていることが多く、その構造自体に風穴をじわじわとあけていく機能だと思うからです。

スマホを学校で使えない?

例えば、ちょうど私がこのアップデートに気づいた頃、

都立高校でのスマホ持ち込み・使用が解禁されたとのニュースがありました。

Googleからしても、「学校でBYODが実現されていない状況」は歯がゆいはず。

この生徒セレクターは、教員かつモバイルデバイスのみの機能です。

ということは、Googleは「教員が、スマホを、授業中に使って教育活動を行うことを想定してこの機能を日本語版でも実装しているわけです。

つまり、Googleから「学校でスマホ禁止とか寝ぼけたこと言ってんじゃねえ👊」というメッセージが発せられているのに等しいんじゃないか、と思ったりします。

もちろん現実は複雑です。色々と各現場で困難があるのは承知ですが、少なくとも、少しずつ緩和していくことは確実でしょう。

生徒を信頼して、スマホが教育の現場で有機的に使用される未来を実現していきたい。

私の場合、ありがたくもBYODが可能な勤務校なので、その未来の実現のために色々積極的に試して発信していこうと思います。

おわりに・1

生徒セレクターは、Android版だと昨年11月にはすでにリリースされていた機能なんですね…

Google Classroomの運営チームのことを知るGoogle社員の友人いわく、

Classroomチームに限らず、Googleはフィードバックを送ったら見る習慣があるからガンガン送ってほしい」とのことでした。

実際私も日頃気づいたことは送っているのですが、昨年はそれが実際の仕様改善につながったようで、こんなメールをGoogleからもらいました。

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ちゃんと見ているんだなあ

おわりに・2

Classroomに限らず、改善を繰り返して即時反映させていく「デバッグ」の思想はデジタルの世界では当たり前かもしれません。

要は、即時フィードバックを与えて改善を続けていくこと

ただ、先日のOECDの調査結果のように、教育の世界ではなかなか私たちが日々現場でフィードバックをし続ける習慣がないようです。

でもやっぱり、生徒の成長を願うなら、即時フィードバックをし続けるという営みは欠かせないですよね。

というか、それが教育の重要な要素の1つであるのに、日本ではあまりに「序列化」のための評価・フィードバックになっています。

Classroomは序列化のためだけではなく、形成的なフィードバックを可能にするツールです。

Classiにせよ同じことができれば何でも良いのですが、生徒も教員も普段から使うスマホが学習端末になっている状態を実現していきたいですね。

なお、「デバッグ」の思想についてはSFCの井庭先生の本をぜひ!

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