やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

教育実習生に大切にしてほしい5つのこと、それってホント?ー生徒との時間・授業づくり・分掌・就活etcー

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実習生の指導ですが、今年度もスタンスはほぼ変わりません。 

今年は指導教諭として一緒にやらせてもらっています。

今まで書いてきた記事に加えて、今年度特に意識していることを5つにまとめます。

①生徒との時間を大切にする

顔と名前をできるだけ早く一致させること。

そのためにも一緒に時間を過ごすこと。

ただ一方で、「生徒との時間を大切にしろ」ということは全員言うので、逆にあまり言い過ぎないようにしています。

生徒との距離感を2-3週間で詰められるかというと、そこにはやはり限界もありますよね。

逆にその期間で詰められる生徒は2、3日で生徒から詰めて来てくれる、という気がします。

二項対立ではないですが、生徒との時間を大切にしつつも、先生方の授業をたくさんみて、たくさん質問していくことも同様に大事だと思います。

②質問をつくる

授業見学をしたら、基本的に質問をするように伝えています。

気づこうとしなければ気づけないことも多いので、最低3つ、可能なら5つくらいは質問を作って授業後の振り返りで質問すると実りある実習になるはずです。

民間企業だろうと教員だろうと、同じものをみても学びが人によって異なりますよね。

問う力、自分のものにしていく力をもっているかどうか。

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この本が「問うこと」について最近考えさせられた1冊。書評は上の記事です。

考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門 (幻冬舎新書)

考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門 (幻冬舎新書)

 

私もそうでしたが、民間企業への就職や大学院進学を考えながら実習にきている人がほとんどです。

であれば、せっかくの実習を実りあるものにしてもらいたい。

学校の中だけで通用することよりも、どこにいっても役に立つこと、自分の人生を豊かにするための技法を身につけて欲しいなと思います。

③学校のリソースを紹介する

校務分掌の細かい仕事に追われる必要はありません。

というか、実習で教育実習生に雑用をさせることは断固反対です。

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指導する立場として、いちいち実習生の行動を“管理”するよりも、

むしろ、学校の“いいところ”をたくさん紹介します。

  • 「あの先生の授業は見に行ったほうがいいよ」
  • 「この先生に授業来てもらって、指導してもらうといいよ」
  • 「今年の行事にかける上級生の意気込みを感じておいでよ」
  • 「今週はきっとこういう気持ちでいる子が多いかも」

こういう情報を伝えて、吸収力を高めてもらいたいと思います。

それは、繰り返しますが教員にならなくても重要な力だからです。

④授業の見方を変える

以下の記事のような動き方・見方を必ず初日に伝えます。※引用が長くなるのでお手数ですがクリックしてご覧いただけると幸いです…

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もちろん、この通り見学すればすぐ学べるわけではないですが、

②で話した問いを作るためには、やはり具体的な見方を変えないと気づけるものにも気づけません。

⑤理想を追求する

これが一番大事じゃないかと思いますが、過去記事から引用です。

その実習生が「やっぱり教員になりたい」と思ってくれる時間を過ごしてくれればよいのです。

「教育」を志す仲間として、実習生に未来を見せねばなりません。

現場にいる教員ができること・すべきことです。ほかにできる人はいません。

現場の良さは、現場で示し、語り、感じてもらうしかないのです。

これをおろそかにして、恒例のイベントのように、ましてや雑用をさせまくるような対応をしていては、優秀な教員が集まりません。教育界が、そういう人材を自ら手放してはいけません。

実習生は色々なことを考えて、緊張しつつも、いい授業をできたらいいな、こんなことしてみたいな、というのが少なからずあるはず。

であれば、その努力を全部出し切れるような環境をつくりたいです。 

教育が理想を追求しなくなったら終わり、と心から思います。

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おわりに

実習と就活、4年生は迷いながら現場に来ています。

今大学では「本気でならないなら教職はキツイしやめておいた方がいい」と考えている大学生も多いですよね。

実習生は、そんな中、実習まで来た、大事な仲間です。

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