節目の300記事なので、と思って意気込むけれど、変わったことが急にできるわけではないので、2019年1〜3月出版の教育関連オススメ本8冊を一挙に紹介します。
2018年もあるのはお許しください…。ではいきます!
『福井発 プロジェクト型学習』
3年間継続して、1テーマを、学年全生徒が探究する。
一見不可能そうに見える学びをどう実現したのか、そのルポのような1冊。
原点にあるのは、どんな生徒を育てるのか、教育ビジョンが共有されていること。
ビジョンの共有・教員の協働、これができるか。
学習しあう教員集団であれるか。
もう最近はどこにいこうと何をしようと、そこが全てのような気がしていて来年度の自分も少しそういう方向に貢献を強めたいと思っています。
『未来を創る「プロジェクト学習」のデザイン』
すみません、これも2018年なのですが、いい本でした。
高校向けの教育書ってなかなかないので、高等教育のものが参考になることは結構あります。(ルーブリックとかPBLとか)
その中で最近注目のプロジェクト学習についてまとまった1冊。教員がどういう視点で動かしていくか、ナビゲートするか、その役割もしっかり書かれています。
『Appleのデジタル教育』
これは予想外の1冊でした。デジタルの話が前半全然出てこない!
教育のリワイヤリングは、学習に関するリサーチと最新テクノロジーを活用して、生徒一人ひとりのニーズに即して学習体験をパーソナライズ化する必要がある(37)
— やっちゃえ先生@論文の春 (@Yacchaee) 2019年3月24日
完全に「学びの個別化」の発想。ただ、だからオンライン授業が良い、と安易な極論を言わず、大人側の変化を迫りつつ丁寧に議論を紡いでる。
このあと紹介する苫野先生の「学びの個別化」や井庭先生の「デバッグ」の思想がこの本にもふんだんに散りばめられていて繋がる繋がる!という感覚。
読書はこれだからやめられないですね。
『「学校」をつくり直す』
苫野先生の最新作。個人的には「愛」についての新書を死ぬほど楽しみにしているので、原点確認のために読みました。
「みんなで同じことを、同じペースで、同質性の高い学級の中で、教科ごとの出来合いの答えを、子供たちに一生に勉強させる」
— やっちゃえ先生@論文の春 (@Yacchaee) 2019年3月21日
そんな学校教育の問題を何とか解決したい方に届け〜!
今までの苫野先生の本をより小学校・探究を中心に語り直した読みやすい1冊です。春休み必読🤩https://t.co/ZDOrgdKnuT pic.twitter.com/xatciidJGU
ロカルノさんのこちらの書評記事
【書評】『「学校」をつくり直す」の熱量 - ならずものになろう
を読んで、捉え方の違いや着眼点が面白いなあと実感しました。
苫野先生の本はほぼ読破しているのはロカルノさんも私も同じはずなのだけど、感想が違って面白い!
— やっちゃえ先生@論文の春 (@Yacchaee) 2019年3月22日
「苫野先生らしいけど原理的な部分は今まで書いてきたから本書では弱めだね〜」と流しちゃう私に対し、
「苫野先生らしくない」、なぜか?と掘り下げた書評に腹落ちしました。ありがとうございます笑 https://t.co/LwHOIO4yBg
『クリエイティブ・ラーニング』
「つくることで学ぶ」時代に、学校はどのような「つくる」ができる場なのか。
"Learning by Creating"の概念を理論から解説し直し、教育の第一線を支える実践者兼研究者との対談によって掘り下げていく1冊です。
クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育 (リアリティ・プラス)
- 作者: 井庭崇,鈴木寛,岩瀬直樹,今井むつみ,市川力
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2019/02/23
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
Twitterで「#クリエイティブ・ラーニング」とタグをつけて引用や感想の発信をしてください、と編者の井庭先生もおっしゃっていたので是非どうぞ。
ピアジェの研究の紹介💡
— やっちゃえ先生@論文の春 (@Yacchaee) 2019年3月5日
「思考で論証ができるようになったから喧嘩で口論するようになるのではなく、他者との口論の経験を積んだ結果、論証的な思考ができるようになる順なのだ」(68)
三者面談でもそうだけど、家庭内で口論が多い子供は口達者(私見)なのは、この影響?#クリエイティブ・ラーニング
タグをつけてると、井庭先生が質問にも反応してくださったりして、SNSすごいいいいってなります。今までの読書体験を超えていく〜
そうなんです!でも、ここを読む前に同じことを感じていただいていたということは、すごくうれしいです。同じことを感じる仲間がいることは心強い。 https://t.co/McFMLcy2UJ
— 井庭 崇(いば たかし) (@takashiiba) 2019年3月20日
『中高生からの論文入門』
これも素晴らしい1冊でした。『学びの技』と併用すること間違いなし。
あとがきの文章、2,3ページなのだけどとってもいいです。
「探究だ探究だ」と世の中で叫ばれて論文入門を書いたのではなくて、必然的にこういう本って生まれるんだなあと勝手に実感しました。
『シンプルな方法で学校は変わる』
これが意外と主要書店に置かれていなくて焦った。ようやく読み始め。
シンプルな方法で学校は変わる 自分たちに合ったやり方を見つけて学校に変化を起こそう
- 作者: 吉田新一郎,岩瀬直樹
- 出版社/メーカー: みくに出版
- 発売日: 2019/03/15
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
岩瀬先生と吉田新一郎先生のコラボです。こんなの読まないわけがない。
子「桃太郎読んで」
— やっちゃえ先生@論文の春 (@Yacchaee) 2019年3月16日
親「昔々ある所に」
子「吉田新一郎訳本っぽく」
親「お爺さんは山へ芝刈りに(※日本では未だに芝刈りが行われているのです!)、お婆さんは川へ洗濯に(※翻訳協力者から「日本の川は水質が良い、水質をテーマにした探究の可能性を感じる」とコメントをもらいました)出かけました」
『考えるとはどういうことか』
2018年の1冊ですが、タイトルのように「哲学=考えること」と言ってもいいのだけど、考えるってそもそもどういうこと?と丁寧に問い直した本。
その上で「哲学対話」が紹介され、自分もやってみたい〜参加してみたい〜と思える1冊。
考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門 (幻冬舎新書)
- 作者: 梶谷真司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/09/27
- メディア: 新書
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「考える力」が必要だから学校で思考力を育てようという動きが出ている。もし本気なら根本的に考えを改めるべきだ。
— やっちゃえ先生@論文の春 (@Yacchaee) 2019年3月26日
考えるためには、問うことができなければならない。問う力を育てるためには、何でも問うていい場が必要になる。しかし今まで通りなら、育てられるのは「考えさせられる」力だけ(254) pic.twitter.com/PKRfaSbGZs
↑これ、本当にそうですよね。「自分で考えるために自由に問うことが学校でどれだけ許されているか?」学校・授業で自問自答し続けたい問い。
スパイダーと比べて来年度の授業をどうしようか考え中です。
スパイダー討論より哲学対話の方が、、と思いつつもどちらも理があるので、生徒にやるならどっちか聞いてみるかな…
— やっちゃえ先生@論文の春 (@Yacchaee) 2019年3月26日
スパイダーは発言回数の少ない生徒にパスが回り続ける構造なので、話せないと自認する生徒に「恥さらし」という実感を持たせやすい。
故に哲学対話の方が心理的安全性は高い、だが…
岩瀬先生のブックリスト
学校種や興味関心にもよるのだろうけど、これらは目を通したいですよね…
高校だとどうしても教科コンテンツの方に吸い寄せられてしまうし、教育という土台に立ってるのか不明な先生もいますが、、まず教育という土台を共有したい。
おわりに ー最近のブログー
①Twitterでタネまきをして、その中からピックアップして膨らませて記事にし(ちゃっ)ている
②ブログを書きながら「あ、そういえば過去に書いたよね」といって過去記事をどんどん貼る傾向が強まっている
これが良いのかどうかはよくわからないのだけど、こまめに字数少なく書く、を優先した方がいいよなと思っています。
記事自体が、あれもこれも触れようとして肥大化している気がするので、①②みたいなことになる。しかも体裁にもこだわる(割に大したことはしていない)。
来年度はもう少しこまめにかけたらいいなと思います(3ヶ月ぶり24度目の発言)
※1000記事続けてるロカルノ氏は本当にちょっとすごすぎて意味がわからない。
小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。
イチローさんの言う通りですね。来年度は私の能力の割に明らかに仕事の濃さが過去最大だと思うのですが、なおさらコツコツと…ブログもリアルも一つ一つ丁寧に頑張ろう。探究しよう。
これからもよろしくお願いいたします!!