やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

学校再開後のブレンディッド・ラーニングを構想する ー多人数の授業をいかに運営するか?ー

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6月の段階的な学校再開に向けて動き出しています。

クラス単位の比較的人数の多い授業をいかに安全に、かつ学びの質を高めて展開するか、という問いを突きつけられているわけですが、そのヒントが満載の1冊がこれ。

衝撃」が現実のものになる絶好の機会かもしれません。

飛沫「対策」で授業再開? 

今担当させてもらっているクラス単位の授業は1クラスあたり40人近くの生徒がいます。

身体的にも大人と同じような高校生がひしめきあっていた既存の教室での授業は、なかなか厳しい状況です

正確に言えば、既存の教室で、今までのような授業もできるのかもしれないけど、それで良いのか考え直したい。

ということで自分の構想を自分のメモのように書き残しておきます。

広い空間を使う

とにかく広い空間で換気を徹底し、三密を避けること。

と考えると、勤務校では図書館や、中教室、視聴覚室などいくつかの場所が浮かびます。その中でも私が積極的に活用してきたのが図書館。

そこで、学びの場を次のようなイメージで分割することを構想中です。

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なんとなくのイメージ

習熟度、内容、方法に応じて分ける、と書きましたが、それを生徒と相談して、生徒が選べるようにする、ことが実はポイントかも。

Aエリアのイメージ

発話がほとんどない」状態でも成立する学習を中心にします。

  • 少し長めの読み物とそれに対する意見文作成
  • 紙面上での議論・対話
  • 映像授業の視聴
  • オンライン上での課題作成
  • オンライン上での確認テスト

などなど、とにかく発話なしで取り組める学習活動をここで行います。

したがって、人数も一番多くなることが想定されるエリアです。

大事になると思うのが、学習の手引きでしょうか。

生徒たちがリアルタイムで教員の指示を受けなくても理解でき、取り組めて、なおかつ、ほどよく「手応え」のある内容にできれば理想的ですね。

明確な箇条書きの指示でなくても、教員が話し言葉で、Aエリアの生徒にフランクに語りかけるような手引きだと、よりよいかもしれません。

 

Bエリアのイメージ

教員がいるからできる」「少人数」の学習をここで行います。

  • 課題の個別指導
  • 休んでいた生徒の理解を補うレクチャー
  • 発展的な内容を深めるレクチャー
  • 質問対応

などでしょうか。

こうやって考えると、教員が場にいないとできないことってそんなにないですね笑

どちらかというと、場でないと実感の湧きにくいような実物を使った講義や、実験などが向いているかもしれません。

 

Cエリアのイメージ

生徒同士の多少の発話を伴う」「少人数」の学習をここで行います。

感染リスクを下げるような指導をした上で、行うことが前提です。

  • プロジェクトの準備
  • ペアワーク
  • 課題のピアレビュー
  • ディスカッション
  • ディベート

などがあるかと思います。

ただ、密集して発話量が増えることは推奨できないので、例えば機材が手配できるなら、このゾーンの生徒たちはバラバラの場所でオンラインで行うことも許容すべきかもしれません。

このゾーンの活動もオンラインでほとんどが代替できてしまうのが現実ですね。

ただそれでも面と向かって話した方が質が高まるもの、その必要がありそうな時、Bゾーン同様に人数を絞って、距離をとって行うことが求められます。

 

限界と制約の中で

それぞれの現場で、それぞれの制約と限界があると思います。

このような「ブレンディッド・ラーニング」を実現しようとすると、

例えば、Aエリアの生徒が視聴する動画の事前のアップロードや、視聴環境の整備、学習の手引きの準備が必要です。

また、B,Cゾーンでも課題の明示や質問の事前募集など、できることをしておくことが求められます。

決して楽ではないかもしれませんが、少しずつ着手していきたいです。

何より、既存の学校、授業を一人でも多くの生徒が「意味」を感じるゆたかな学びの場にしたい。

どんな状況でも、「授業」が、「学び」になっているかどうかを考えなければならないのは、どこでも同じこと。

全員が同じことを、同じ場所で、同じペースで取り組む、ある意味で「序列化のための学び」を少しずつ解除していきたいと思います。

 

おわりに 

こちらの書籍Kindle版だと少し安く購入可能のようです。 

反転授業への盲信は危険だと思っているのだけれど、この記事で懸念している状況が改善するなら、俄然ありですよね。

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ミネルヴァはその方法論ばかり見てしまいがちだけど、カリキュラムがすごい。

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ブレンディッド・ラーニングの続編記事はこちら!

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