やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

2020年に読んだオススメ本・2021年にかけて読む本

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圧倒的に長く感じた2学期も終わり、なんとか年末年始に突入です。皆さん本当にお疲れ様でした。

今年は大学院や執筆含め新しいことが舞い込み、その中でコロナ禍のオンライン対応を進めていく怒涛の1年でした。読書冊数自体は減ったかもしれません。

が、その分専門書や論文を読む機会が増え、オンラインでの学びの機会にも恵まれたかな…そして紙の書籍の素晴らしさを再び強く認識した年でした。

ということで、2020年に読んだオススメ本と、積ん読になっている本も合わせて紹介します。

①『ブレンディッド・ラーニングの衝撃』

今年はこの本なしには語れなかったでしょう。

最も読み返した1冊といってもいいのがブレンディッド・ラーニング(BL)本。

2017年の訳本ですが、当時は日本の教育界をみると本書の指摘が早すぎてあんまり入ってこなかった部分もあったのが、今年はどんどん入って来ました。笑

今年の経験を、今後につなげる意味でもこれはぜひオススメしたい1冊です。

GIGA世代が入ってくることも考えると、「オンライン大変だったよね」で終わる学校と、そうでない学校の差が出てくると思います。

中高一貫校はその危機感を共有していても、私立高校は義務教育の外でもあるので、本当に意識していないとあっという間に置き去りになる気がしています…

②『問いのデザイン』

学習者中心の学びを実現する探究講座を進める上で、問いをいじくる一歩上のスキルを与えてくれた1冊。問いに関しては『たった一つを変えるだけ』がやっぱりいいなと思うけど、ファシリテーター視点も入れるとこちらはオススメ。

問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション

問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション

 

①と同じく何度も辞書のように読み返せます。学校教育だけに特化していない、というところも大事な点かと思います。

③『聖なるズー』

2020ノンフィクション大賞ノミネート作です。大賞とってもおかしくなかった素晴らしい1冊でした。これは良質な読書体験でしたね、世界を広げる1冊。

とにかく、めちゃくちゃ揺さぶられます。開高健ノンフィクション賞ハズレなし(迫真)。

聖なるズー (集英社学芸単行本)

聖なるズー (集英社学芸単行本)

 

濱野さんのインタビュー記事も面白いです。

④『女性のいない民主主義』

ジェンダー・セクシュアリティの視点から社会を見つめる、という点ではこちらの新書も素晴らしかったです。一冊で新しい世界に誘う新書の意義を感じます。

女性のいない民主主義 (岩波新書)

女性のいない民主主義 (岩波新書)

 

最近の岩波新書はかなり学術的にもしっかりしたものが多くて、とても読み応えがあって本当に楽しいですよね。

⑤『居るのはつらいよ』

こちらは紀伊國屋じんぶん大賞2020第1位の書籍。

「居る」を大切にするケアも、変化して「前」に進むセラピーも混在する教育という場で、成長を目的としがちな教育にどうしても陥ってしまいます。

が、そもそも教育者として、どのように「あなたが居ること」を大切にし、支援するか、日々の自分の営みをめちゃくちゃ反省しましたね…

これ読んで触発されて読んだ本たちも合わせて載せておきます。

精神科医が教える聴く技術 (ちくま新書)

精神科医が教える聴く技術 (ちくま新書)

  • 作者:高橋和巳
  • 発売日: 2019/12/20
  • メディア: Kindle版
 
統合失調症 (岩波新書)

統合失調症 (岩波新書)

 

 ⑥『マンガ 認知症』

「ケア」に関連してこちらも素晴らしかったですね、ニコさんのマンガと佐藤先生の解説のバランスが絶妙です。

人間を知るという点でとても興味深いし、老老介護が当たり前化する社会で、こういう手軽な専門書に出会えるのは本当にありがたい。

マンガ 認知症 (ちくま新書)

マンガ 認知症 (ちくま新書)

 

ペコロスの母に会いに行く、も好きですが、これよりももっと専門的な見地から「支援」について学べます。ペコロスは柔らかさ重視でしょうか。 

ペコロスの母に会いに行く (角川文庫)

ペコロスの母に会いに行く (角川文庫)

  • 作者:岡野 雄一
  • 発売日: 2019/03/23
  • メディア: Kindle版
 

⑦『シン・ニホン』

未来を考え、語るために、こういう基盤となる重厚な書籍があることはありがたい。

これと「もしみら」でブッククラブをしてみたいですよ。

もし「未来」という教科があったなら

もし「未来」という教科があったなら

  • 作者: 
  • 発売日: 2020/11/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

⑧『改訂版 著作権とは何か』

オンライン対応に奔走しているときに学び必要性を最も強く感じたのが著作権。

教育だけに限らない例が豊富で、読み物としても面白かったです。 

乱雑な紹介になってしまったけれどこんなところでしょうか。つまみ食い的な読み方をしている本は外しましたが、読者の権利10か条があるからいいことにしよう(逃避)。

読みかけ・積読シリーズ

減る様相を見せない積読ですがこれは早く読まないと・・・。 

それから『ID本』ですね。面白いのだけど難しくて半ば挫折して居るような格好になっています…!

これも我先にと読まないといけない一冊。 

「探究」する学びをつくる

「探究」する学びをつくる

  • 作者:藤原 さと
  • 発売日: 2020/12/04
  • メディア: Kindle版
 

探究関連でいうと西岡先生のこちらも本棚最前列に鎮座。読みますよ絶対!! 

高等学校 教科と探究の新しい学習評価

高等学校 教科と探究の新しい学習評価

  • 作者:西岡 加名恵
  • 発売日: 2020/11/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

そしてこの方も控えている。分厚さも大御所だけど、苅谷先生のここ10年分くらいが詰まっていると聞いてるので…

追いついた近代 消えた近代: 戦後日本の自己像と教育
 

はい、もう切なくなるのでここまでにします。読書記事は月1くらいで書かないとこの記事みたいに消化不良を起こすことがよくわかりました。笑

おわりに 

久々にアクセス数を見たら、本リストのPV数がとても増えていたのでいくつか掲載しておきます!

 

2020夏のリストです。まだ読み切ってない本が・・・汗

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これは今でも読み返す5冊。

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井庭先生の『クリエイティブ・ラーニング』は再読したいな〜

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⑦はタイトルで損しているけれど文句なし星5つ本です。6Csを知らないのはもったいない!
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年末年始もなぜか色々なことに追われていますが、ほどほどに頑張りましょう。

ヤングケアラーのこともそうだけど、このコロナ禍でも「クリスマスの恵み」や「年末年始の休み」ととらえることができる環境にあることに感謝して、色々チャレンジを続けたいですね。

リスクを取れる人が取らない社会になったらいけない

マルチタスクが続くと雑になるけど一つ一つ良いもの作ろう。