やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

教育業界にAmazon Inspireがやってきた!~Google,リクルート…大手の参入つづく!~

また驚きのニュースだ。ご存知の方も多いかもしれないが、Amazonが教育業界に参入し(てい)た。

「重いダンボールを持ち運び血管をアピールする上腕イケメン重いダンボールを持ち運び血管をアピールする上腕イケメン」[モデル:大川竜弥]のフリー写真素材を拡大

その名も、Amazon Inspire

実はアメリカの教員限定で公開されていたサービスだったが、この9月から全教員に解放された。

正確には、教員でなくてもamazonアカウントさえもっていれば、誰でも利用できる。

 「Amazon Inspire」は、「K-12」と呼ばれる幼稚園児から高校生までに属する児童生徒向けの授業で利用可能な教材を検索したり、投稿や共有ができる無料サービス。共有されている教材は、ダウンロードして自身の授業に利用できる。

resemom.jp

もちろん、教材だけでなく指導計画などの文書もあるし、よくつくられたマップや、図版などが利用できる。あるいは教材ポータルサイトへのリンクもあった。

実際に使ってみた

実際にこんな簡単に使えるのだから、使ってみよう、ということでやってみた。

これが最初の画面。教科・科目をプルダウンで選択。

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そうすると勝手にこういう画面に遷移します。

自分は社会科なので、さらに学年と分野を絞り込み。

学年は高1~高3(Grade10~12)あたりで、経済分野で検索するとこんな画面に。

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そこからあさっていると、こんな教材を発見。

日本では遅れているといわれている”投資教育”の教材。

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もちろん無料でダウンロードできるが、こんな感じでプレビューが見られる。

"Money, the American Way"という教科書の小題がいかにも海外の教材(笑)

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ざっと使ってみての感想

〇Amazonアカウントがあれば利用できる!

〇分野の絞り込みまでできる

×日本語対応していないので、英語教材の検索が基本

×教育ポータルサイト(自社サイト?)へのリンクを教材として提示しているものもあり、使う側の取捨選択が慣れるまで大変そう

という感じです。

日本語対応がないと、日本ではちょっとまだ根付かなさそう。

それ以前に日本にもいろいろな教材共有サイトがあるのに、わざわざAmazon Inspireを使うメリットは日本のユーザーとしては感じにくいのが正直なところ。

とはいえ、こんな背景が:週に12時間教材探し

それでもこのサービスをリリースした背景にはアメリカのこんな背景があるらしい。

「アメリカには1万3000以上の学区があり、そこの人たちと話した結果、何度も同じ話を聞きました。それは、自分たちで教材を作ったことがあり、また他の人たちも同じような教材を作っていることを知っているという話です」と彼は言う。しかし実際にそういった教材を見つけるのには細かい作業が必要で「サイトやブログを介してたどり着く」のだという。

教師は授業の教材を探すのに週に12時間ほど費やしているとAmazonは推定する。探す時間を削減できるのなら、そういった教師に訴求することができるだろう。「全ての教師にリソース面で貢献してもらいつつ、教師の教材を発掘する助けになれば、全国にいる300万人以上の教師のためにアクセスを広げることができるでしょう」という。

jp.techcrunch.com

サイトやブログを通して教材のもとにたどり着くのである、と言われると、実践報告をしている当ブログは極小な競合になってしまうのだろうか(妄想)

とはいえ、英語のハードルさえ超えられれば、先の投資教育など分野によってここを探りに来ることもありそうだ。アメリカ独立革命とかその辺は充実してたし。

おわりに

こうやって、知の共有が図られる時代。

前回の記事にも書いたが、いつでもどこでも学べる時代に、どういう教育の場づくりをするか?どんな学びの設計をするか?が問われるのだ。

教員は試されているし、教員の仕事は本来とてもクリエイティブな仕事だと思わずにはいられない。

www.amazoninspire.com