やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

探究学習を授業で行うか?迷わせるのは、生徒からの意外なクレーム?

今年も通常授業内で経済の探究プロジェクトを実施する…予定で準備をしていたのですが、いろいろな思いがあって腹が決まらない。

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これまでの反省は

実践してきた授業の内容は過去のこの記事でまとめています。

www.yacchaesensei.com

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これまでの大きな課題・反省としては

  • 探究学習のプロセスが中途半端だった
  • 成果物のハードルを低くせざるを得ない

色々ありすぎてキリがないのだけれど、中高一貫校が6カ年かけて取り組んでいる壮大な探究プロジェクトの真似事をしても、何も実現できないということは去年も実感しました。

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掲載した過去記事から引用ですが、こういうプロセスがあるとして

最初の3ステップが昨年度の限界でした。

と自分で言っている。そのあとの成果に関して、「試行錯誤」を行うことができなかったのはやはり物足りなかったです。

逆に、前半プロセスは時間をかけてミニレッスンもしつつ行うことができたので、仮説思考や、リサーチから論理的に考えを組み立てるところはそこそこかと…

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 意外な「クレーム」?

受験学年の授業に探究学習を取り入れているので、成果が求められ、授業での「負担」がある探究学習はしんどいようでした。

はっきり言えば、聞いているだけの授業ほど楽なことはないですよね。

逆に、決して受験で使うから、という理由ではなく

  • もっと経済のレクチャーを受けたかった
  • 経済の体系的な知識を身につけたかった

と純粋に学問への興味を持ってくれていた生徒もいました。

彼らにとっては、「レクチャーを受けていればもっといい探究ができた」のかもしれません。

レクチャーのニーズがあることは、教員としてありがたいし、そういう生徒に講義できることは、一言で言えば気持ち良いのです。

でも、「レクチャーがっつりしよう」と言って、それが本当にいい教育か、と言えると自信がない。

少なくともクラス単位の40人規模で授業を担当している以上はね…レクチャーして楽しく負担少なく知識を増やしてもらえればそれは嬉しい。でも、、、という振り子のようにずーーっとモヤモヤしている気がする。笑

考えていることをさらす

とりとめのない話が続きそうなので、考えていることを書いておきます。

今年度は、

⑴過去に先輩たちが取り組んできた探究のリソースや成果を受け継ぐ仕組みを整える

大学の理系の研究室のような、そんなイメージです。

でも、大学と異なるのは、研究室の研究の途中を担う、わけではありません。

むしろ、それを土台にして自分で新たな探究を進める材料にしてよい、ということです。成果物のイメージもこれでつかめるはず。

生徒の取り組んだ探究の「問い」をデータ化しておいてよかった。。

⑵成果物のハードルは全員同じではなく、いくつか段階を設ける

落合陽一研究室のやり方を参考にさせてもらいます。面白い。

大学の教育には授業とレポートって概念がありますが、それってムダが多いと思うんです。授業に来ている人たちはそれぞれ目的が違いますから。ある人は寝たいから来ているかもしれないけど、別の人は授業を聞きたいから来ている。友だちに会いたいから来ている人もいる。だから、とりあえず僕の授業では仏コース、人間コース、鬼コースの3つに分けています。(中略)

鬼コースはプロで、人間コースが普通、仏コースはただのヒマ人。でも、ヒマ人も正しいんですよね。時間を他のことに使いたいわけだから。でも鬼コースは鬼コースで正しくて、好きなことを追求するためにやっている。でも、みんな単位を与える基準は大体一緒。別に鬼コースだからAになるわけじゃないんです。

提出されたレポートを全部pdfにしてネットで公開すると、1週間で9,000人ぐらいの人が見ます。これ、レポートが教員の机の中でムダにならなくていいですよ。あと、ツイッターでハッシュタグをつけて議論をすると、高校生が混じっていたりするんですよ。ニコ生で授業を公開したときは1,000人ぐらい見ますね。そういうことをしていくと、世の中での大学の立ち位置が変わると思います。

www.gizmodo.jp

当たり前のように落合先生は語っているけれど、なかなかできない。でも、ここは真似てみようと思えるところは真似てみたい。失敗は成功の…(←都合が良い)

だから、去年思った「コンテストへの応募」を目標にすることはしません。学びの個別化なのだから、応募したければ支援するよ!というスタンスにします。一括で取り組ませれば楽なのだけどね。

⑶成果物のあり方も多少自由度をもたせる

 文字にして伝えることだけがすべてではないので、もし取り組みたい生徒がいれば、成果物のあり方は柔軟に応じようと思っています。

文字で書くことだけが、学びの成果を測る手法じゃない。

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他にもいくつかあったのだけど、この3点は今年度必ず実行します。

おわりに

クラスでいろいろと支援が必要な状況があり、なかなか10月はブログが書けなかった、、Twitterの更新でいっぱいいっぱいでした。

探究学習は様々な素晴らしい実践が知れ渡ってきています。

だからこそ、敢えてモヤモヤしている担当教員の心の内をさらしておくことで、どこかで誰かの助けになればいいな、と思います。もう11月って…