やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

担任必見!「学級をステキにする10のこと」ー岩瀬先生ブログから考えるー

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新年の宿題が出されましたよ。ぜひ岩瀬先生の記事をご覧ください。

⑩あなたは何が大切だと思いますか? 

iwasen.hatenablog.com

10のこと、何が大切か?

担任がずっと教室にいない中学・高校で(担任していてもそのクラスの授業すらもたない場合もある)経験してきた自分にとっては、

④コミュニケーションの量をまずは増やす(会話)

を大切にすることが1番の課題です。 

岩瀬先生の出しているこの例は思わずうなづいてしまいます。

教室を眺めていると、実は子どもたちはごく少数の相手としかコミュニケーションをとっていないことがわかります。授業中はもし一斉授業ならほとんどコミュニケーション場面はありません。休み時間は仲のよい数人と。給食のときにグループの人とちょこっとしゃべるだけで、あとは基本的に仲のよい子とコミュニケーションをとっているに過ぎないのです。うちの娘に聴いても、ほとんど2人の友だちの名前しか出てきません。ずーっとその子といるみたい。これってかなり広く普通のことです。

中高では、さらにこれが強化される場合もあり得るでしょう。

しかけ、ゆさぶる

欧米でいじめが少ないのは、価値観に帰着させられることが多いですが、「しくみ」として授業ごとに移動があることも大きいはず。

人間関係の流動性をいかに高められるか、一緒に問いましょう。

学校は安全の空間なんだけど、それと同時に、教員は「しかけ」ることをやめちゃいけない。揺さぶることをやめてはいけないと思うのです。

安全の空間にするために、という建前で、生徒に好かれたい、という本音を隠していないか、自分に問い続けないといけないと思うのです。

ただ、それを言葉でしてしまうとうまくいかないこともあるので、仕組みが重要である、ということ。

この仕組みの工夫は様々な実践例があるはずです。

よくわかる学級ファシリテーション?―かかわりスキル編― (信頼ベースのクラスをつくる)

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よくわかる学級ファシリテーション3―授業編― (信頼ベースのクラスをつくる)

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大福帳や振り返りジャーナルもその仕組みの1つだと理解しています。

www.yacchaesensei.com

「振り返りジャーナル」で子どもとつながるクラス運営 (ナツメ社教育書ブックス)

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教室に入るときだって

ひと工夫いれることができるはず。

例えば、いつもは前から入るけれど後ろから入るとか。

そうすると、普段会話しない座席の生徒と一言、二言交わせる。おはようの挨拶がその子に言える。

学齢にもよりますが、「なんで後ろからくるのおお〜〜!」という反応をしてくれる子だっているはず。そこからコミュニーケーションが始まります。

そもそも「教室」で

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「前」や「後」という概念が本当に必要なのか?から考えたいですね。

そういう根本的な問いと同時に、現実でできることを考えることも必要。

現実の教室環境において「前」「後」があるならば、どうしても教員のポジションは「前」になりがち。

だから、後ろから入るということを意識するだけで違うと思うのです。

例えば、こちらの本でも紹介されている概要図でいえば、「感情」と「学習環境」の観点から「後ろから入る」が有効になりうる。

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上から3段目、右2つにご注目を(p3)
一人ひとりをいかす評価: 学び方・教え方を問い直す

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  • 作者: C.A.トムリンソン,T.R.ムーン,山元隆春,山崎敬人,吉田新一郎
  • 出版社/メーカー: 北大路書房
  • 発売日: 2018/09/07
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対称性を意識する

教室という空間は「対称性」を意識しておくと自分の行動のセルフチェックができます。

  • 講義の際の視線が後ろばかり行くから今日は前を意識しよう

  • 机間巡視の際は左から行きがちだから右から行こう

  • 配布物は出席番号順で前から配りがちだから後ろから配ろう

  • 背の順は小さい方から並びがちだから大きい方から並ぼう

これらの例は「対称性」というキーワードから具体化したものです。

抽象化されたワードを持っておくことが、それぞれの“現場”で生きるはず。

それぞれの現場をよりよいものにすること。

そこにおいて教育界の一員として、カリスマ探しより、システム作りを意識したい。

おわりに

教室の後ろから入る、に近いですが、こちらの記事もぜひどうぞ。

私も素晴らしい先輩から教わったことです。実習生にも同じことを伝えています。「授業の見方が変わりました!」と教えてくれます。

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