読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

やっちゃえ先生ブログ

教員の、教員による、教育のためのブログ。 大胆かつ繊細に、実のある記事を。 民間企業→私立中高一貫校→私立高校(今ココ)。

さらば、manavee…〜教員がスタディサプリを使ってみた結果〜

f:id:Yacchae:20161012210655j:plain

スタディサプリの講座を、ここ何日か見て使ってみました。

いや〜わかった気がしてしまっています。manaveeが淘汰されてしまう理由が。

 

話を進める前に、1つ確認します。

◯manavee、スタディサプリとは

manavee=「無料で大学受験のための映像講義が受けられる」サービス。2017年3月末をもって終了予定。

manavee.com

過去にかいたこの記事は、今でもアクセスランキングTop5に入っています。

高校生1人にかかる塾代、6人に1人が貧困状態にあると言われる子どもの貧困のことを考えると、manaveeがあけた風穴は大きかった。よい教育=「受益者負担」の構造に間違いなく一石を投じたと思います。

yacchaesensei.hatenablog.com

 

スタディサプリ=リクルートさんが提供する、月額980円で、良質な講義を受講し放題」のサービスです。

studysapuri.jp

スタディサプリの中身よりも、リクルートさんの強さと脆さについて分析した記事がこちら。

yacchaesensei.hatenablog.com

 

◯manaveeは「淘汰」されたのか

 

冒頭、あえて「淘汰」と書きました。manaveeがなくなってしまうことは残念なことですし、その主な理由が組織内部のマネジメント人員不足であることも残念な気持ちにかわりありません。

しかし、マーケットはそうはとらえてくれません。淘汰されたと捉えるしかありません。そして私は、スタディサプリの利用を通して、「淘汰された」という感覚が自分の中で強くなりました

 

その理由は、

①価格が無料である、というmanavee最大の強みが、月額980円のスタディサプリによって薄まったから。

②スタディサプリに月額980円を払ってもよいと思えるような、講義の質と学びの提供がなされているから。(=manaveeが及ばなかった)

だと思います。

 

①については、月額980円、年間1万2000円を切る価格なら、経済的に豊かとは言えない家庭・生徒でも手が届くから、無料という強みが薄れた、ということは理解できるでしょう。

 

◯問題は②講義の質・学びのかたち!

ネット環境さえあれば、だれでもどこでもという点は同じで、

かつ価格で優位性が保てないとなると、

あとは講義を中心とした学びの中身勝負になってくるでしょう。

 

今日の記事のポイントはここだと思っていますが、教員として使ってみて、思うのは、学びの中身でいえば、スタディサプリ>>manavee だったということです。

(誤解のないように書いておきますが、manaveeの講義の多様さや、講師の数、自分に合う講師を見つけられるようなサイト設計面の配慮は、スタディサプリにひけをとらないと思っています。)

 

講義については、専門ではない教科も視聴しましたがやはりプロと言われる方々の講義ですから、面白いものが多かったです。

そして何より、学びの形が違いました。

 

manaveeを応援してきたつもりでいるので、叱咤激励のつもりで書きますが、

manaveeは、インターネットで、無料で、良質な講義が受けられるという点で、時代の寵児となったのに、提供する学びのあり方は、それまでの古い「学び」のあり方から脱却できていないということがよくわかってしまいました。

 

具体的に言えば、

①講義を充実させる提供資料の質(学びの充実化)

②講義を受けた後のチェックテスト(学びの確認)

③学習時間や到達度の把握ができるデータ(学びの構造化)

 

の3点が、スタディサプリに完全敗北していると実感してしまいました。①はmanaveeの場合講師の先生次第では、といえるかもしれませんが、②・③というネット講義だからこそ重視すべき学びを、manaveeは提供しきれていません・・・。

 

かつて紹介した、無料映像講義のgaccoでも、チェックテストがついているものは本当に取り組みやすかったし、「受けっぱなし」にしない感覚がもてました。

yacchaesensei.hatenablog.com

 

◯おわりに

 

manaveeは、淘汰されてしまった、という実感が強まった理由、お分かり頂けたでしょうか?これからは、学びのあり方そのものを「設計する」という開発者視点が必要になるなと本当に思います。

得意なこと、専門のこと、好きなことを授業していればよい、時代は終わった。そんな実感で背筋が伸びる思いです。(学びの設計のプロにならねば。)