やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

「協働的な学び」のために教員が押さえるべきポイントー私の授業「反省」記録ー

f:id:Yacchae:20190206231405p:plain

年度末のチームプロジェクト(PJ)を生徒たちが進めています。

個人PJではないので、協働的な学びを実現できるかがカギになります。そこで、教員が何に時間と体力を裂かれるか、という話。

どちらかというと私個人の授業反省に近い記事。

意欲の格差

チームでの学習は、授業内ならまだしも、授業外の活動を加えると「誰がどれくらい頑張ったのか」を直接教員が見届けることは難しい。

※もちろん生徒の数が5人、とかなら話は別だが40人を相手にしていると難しい。そういう構造的な解決が最後は必要になる話だとは思うのだけど。

チームの人数が増えれば増えるほど、「意欲」と、それに伴う「貢献度」の差が顕在化しやすい

その中で、動機は何であれチームやクラスのために時間を割いて、学びに貢献してくれる生徒がいます。

そんな生徒たちが愚痴をこぼすわけです。

  • 貢献してくれない人がいる
  • そもそも忙しすぎる
  • なんでこんなPJをしなければいけないのか
  • チームで「ひとつ」の成績は納得いかない
  • 他の教科の課題を先生はわかっているのか

などなど、1時間ほど有難いフィードバックを生徒たちからもらいました。心は磨耗した。

ちゃんと評価されるか?

結局、「序列化のための評価」に止まっていると、やっぱり頑張っている生徒は「不公平だ」と思うわけです。

生徒「プロセスの頑張りを先生は見ていないから評価しようがない。最終的なアウトプットに対しチームで評価されるなら、みんな同じ評価になる、納得がいかない」

そういう話。

どう対応するか?悩んでいますが、例えばこれ。

 f:id:Yacchae:20190107171527j:image

www.yacchaesensei.com

この本でも紹介されていたけれど、プロセスを“正しく”評価したい。

ちゃんと評価する、というより、ちゃんと評価してもらってる感をどれだけ抱けるか、がポイントかもしれない。

企業時代の360度サーベイ、そういう意味では理にかなってたと思い出した。

物語を語らせる

で、そのプロセスを評価する上で、

学びの語り方を変える必要性がある。

語らせる必要がある。

というのが最近出た吉田新一郎訳本シリーズのこちらの本。p57~あたりがヒント。

オープニングマインド: 子どもの心をひらく授業

オープニングマインド: 子どもの心をひらく授業

 

少なくとも、この質問を通して語らせることをさせてみよう。

「プロセスを見たいんだ、私は皆の努力のプロセスを見れていないので教えて欲しい」と表明することに意味はあるのではないか(自己正当化)

動機付けの3C

これでいうと、今回の課題は1つ目「協働」が一番大きい。

結局、仲のいい生徒で集まってやっているわけではない。能力?別にチームを調整しているわけではない。

いろいろな凸凹がある中で、協働を求めているのだから、当然うまくいかないことばかり。うまくいくのは生徒のおかげだと本心で思う。

そこでいかに支援できるか、こそ場を持つ教員の出どころなのだけど、今回は残念だけど学びのプロセスを丁寧に見られていないから支援に自信が持てない。

とにかく、色々な構造があって全ての生徒に寄り添えないなら、語らせるしかないのだろう。それを避けて、「評価」など生徒の努力に失礼。

おわりに

生徒が愚痴ってくれるうちが華。最後はこういう話に行き着いてしまう。

書評を書いていないけれど、この本なんかが共通了解になる日はいつとやら。

成績をハックする: 評価を学びにいかす10の方法

成績をハックする: 評価を学びにいかす10の方法

  • 作者: スターサックシュタイン,Starr Sackstein,高瀬裕人,吉田新一郎
  • 出版社/メーカー: 新評論
  • 発売日: 2018/06/28
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

あわせてどうぞ。梶田先生の話は勉強になります。

www.yacchaesensei.com