やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

普段から「仮説思考」を鍛える最高の実践場所とは?〜学校にその機会はある〜

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仮説思考」という言葉をご存知でしょうか?

企業にいた頃、ビジネスを進める上で必要だとされる心構えとして「仮説思考」を徹底的に教え込まれました。手広くやっていたとは言え、特にコンサル系では常識とされている考え方です。 要約すると、

1.最初に仮説を立てて、答えを見つけ絵から検証するから闇雲に調べるよりもスピードに格段の差がつく。

2.予め仮説を立ててそれを検証すると言うプロセスを繰り返す事で仮説の精度が上がる。即ち意志決定の質が上がる。

3.常に限られた時間の中で答えを出す事で情報不足の段階でも問題の真因を探り、解決策を模索していく力がつく。

というものです。詳しくはこちらの本が詳しいです。

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

 

 

◯仮説思考を必要とするのはビジネスだけじゃない!

大学での研究も、「よい研究にはよいリサーチクエスチョン」が設定されています。つまり、「仮説」が必ずあるのが研究です。

ノーベル賞のニュースがありましたが、理系分野だと「仮説」の存在を明確に意識できるでしょうか。「◯◯に△△を加えたら、こういう反応をするのでは?」など、具体的で場合分けされたリサーチクエスチョン(仮説を含めた問い)があるはずです。

 

実際にそのことは以前紹介したこちらの本でも明確に記されています。

学びの技 (YOUNG ADULT ACADEMIC SERIES)

学びの技 (YOUNG ADULT ACADEMIC SERIES)

 

必ず「論題となる問い(要はリサーチクエスチョン)」を立てる際は、具体的な仮説を入れること。その仮説の立て方も丁寧に図解されています。とってもオススメ。私の勤める学校では、この本に基づいたPBL(Project Based Learning)を実践しています。

 

 

◯さて、その仮説思考を鍛える実践場所とは?

結論から言うと、部活動がその実践の場所として大いに機能すると感じます。

今日は部活動の試合の引率でした。ちなみに私の場合は野球部です。

(嗚呼、働き過ぎる教員。。。とは言え、顧問が自らの経験や興味のある部活動を担当していれば、まだマシと言えるでしょう。この考え方は「下方への平準化」につながりますが、今日は割愛。「下方への平準化」とは、「もっとひどいところもあるから自分はまだマシか」と言って何の改善にも繋がらない現状是認のこと。)

 

はっきり言って、超弱小チームなのですが、今日は互角の相手に勝利、格上の相手に序盤はリードを奪うなど、かなりの成長を見せてくれました。

その要因として、試合中に必ず「意図を持って」臨むことの徹底があると思います。

生徒に「仮説思考」と言ってもピンとこないので、「意図を持つこと」と伝えています。

例えば、「チェンジアップの後だから真っ直ぐだろうと真っ直ぐを打ちにいくこと」とか、「この打者はあのスイングだとこっちに打ちそうだ」とか、予測をすることです。そんな程度です。笑

 

でもそれだけで、確実に生徒は「考える」ようになります。

野球でプロの世界にいく生徒は正直言っていません。将来野球以外の場所で明確に活かせる力を育てたい。その一つが仮説思考だと思います。

机上の受験教育ではやはり仮説思考は育ちません。

仮説思考でプレーする選手たちは、自分たちで考えることを楽しむようになります。それで成功すると、勝手に考えるようになります。

そうなれば、監督の仕事も減ります。失敗した時の原因追求を手伝うことと、生徒が見えていない視点を与えることです。

ごく一部のレベルを除いて、監督のいいなりで動くチームは、部活の意味がないとも思っているくらいなので(笑)、生徒の今日の活躍は、自ら考えてプレーする楽しさを感じているシーンが多く、とても楽しかったです。

 

部活動には色々な意見がありますが、せっかくやるなら、いいものを。と思います。