やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

主体的で深い学びを実現している生徒が本当にすごい!~ソクラテスの語る教育とは?~

教育とは何か?ということを考えたことがあるだろう。古代ギリシャの哲学者・ソクラテスをご存知だろうか?

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無知の知を自覚し、対話を通して真理の追求を目指した哲学者だ。(簡単に言いすぎ)

上の絵はあの有名な「ソクラテスの死」。「悪法も法なり」と言ったとか言ってないとかあるが、ただ一つ言えることは彼が不正な判決を受け入れて死を選んだということである。この前NYでホンモノを見ることができテンションが上がった。

ソクラテスの教育思想

教育とは、炎を燃えあがらせることであり、入れ物を埋めることではない。

というのがその考えだ。知者と呼ばれる人であっても「自らを知らない者」と認識する、という彼の人間観がこの言葉にも表れているだろう。

つまり、教員が生徒を「まだ中身の少ない器(入れ物)」とみなし、その入れ物を満たすためにあれこれ教えるのは教育ではない、と言っている。

生徒の中にパチン、と炎を燃え上がらせること。与えるのではなく引き出すこと。これに尽きる。

ホリエモンこと堀江貴文さんは「学び=ハマること」と定義していたが、まさにこれだ。

燃えあがっている生徒!

何故こんな話を最初にしたかというと、まさにこの夏休みに、内なる炎を燃え上がらせ、ハマっている生徒がいるのだ。あまりにすごい、素晴らしい生徒なので少しだけ紹介したい。

具体的には、

0から憲法や人権のことを理解したいのでオススメ本を教えてくれ、と聞いてくる

→まあここまではたまにある。10冊近く教えておいたら、1ヶ月でほとんど読んでしまった!(素晴らしい!)

そこからが、さらにすごい!

 

読んだ後にどうしたらいいか?まで聞いてくる

→ここで裁判傍聴や夏休みを利用したその他の機会を紹介する。

本来なら有志で裁判傍聴に行ったり、授業内で大学の教授を呼んだゲストレクチャーを行いたいが、この生徒は自分でどんどん学ぶので敢えて行動すれば学べるものを紹介した。

すると…

 

・裁判傍聴に行った感想を伝えてきただけでなく、論点を設定し、先生はどう思いますか?と議論を始める

→恐るべし、ですね。これぞ主体的で対話的な学び。あれ、何処かで聞いたことがある。笑

ちなみに論点は、人工知能が裁判官を行うことはできるか?

読んでくださっているあなたはどうお考えだろうか?

さらに生徒の炎は燃え上がる…

 

・先生も〇〇に参加しませんか?と誘ってくる

→こちらが紹介した活動に参加し、友人を作り、先生にも参加してほしい、と呼びかけてくるのである。本当に恐れ入る行動力だ。この流れだと、大学生になってからも、というか一生学ぶだろう。この生徒とともに授業を作れていることは教員冥利につきる。

 

これぞ主体的で対話的で深い学び

本当にそう思う。自分で学んでいる。大人はその邪魔をしない、ともに走る伴奏者になるだけだ。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/08/29/1376580_2_4_1.pdf

こんな生徒が、他にもどんどん出てくるような授業をしなければいけない。そろそろ秋の授業設計を深めなければ、と思わされる読書の夏であった。