アクティブラーナーズサミット2018に参加してきました!
「高等学校における参加型学習に関する実態調査2017」の分析結果を報告するほか、教育員会の指導主事、教育センターの研修のご担当者、これからの学校づくりを担う高等学校の管理職・カリキュラム・マネジメント担当者・教務主任の先生方を対象に、アクティブラーニングやカリキュラム・マネジメントに関するテーマ別のワークショップも!
中原ラボの3年間の調査・研究の総まとめとしての位置付けでもありました。
中原先生のマナビラボは、教育関係者や人材開発に携わる方は一度はアクセスされたこともあるのではないでしょうか…
投影資料等の掲載も一部をのぞいて可能とのことでしたので、共有したいと思います。
- 第1部:オープニング・全国調査報告〜教育論から組織論へ〜
- 第2部:データから考える人づくり〜桐蔭学園の実践〜
- 第3部:テーマ別分科会〜教科横断カリキュラムの可能性〜
- 第4部:IRで高校が変わる!学校づくりの未来構想
- おわりに:この夏のビッグイベント!!
第1部:オープニング・全国調査報告〜教育論から組織論へ〜
第1部は中原先生の基調講演と、3年間に及ぶ全国調査報告。
アクティブラーナーを育てる「組織」の重要性でした。
アクティブラーニング(以下AL)がなぜ重要か、という点は共通了解がかなりできているイベントだったので、それをいかに実現していくか、実現していっている組織にはどのような工夫をしてきたか、という観点で進んでいきました。
AL実施率については、2015年には56.6%だったのに対し、
2017年の調査では、AL実施率は全国で65.4%にまで高まっています。
で、ALの実施率の高い学校群は、カリキュラムマネジメントについても取り組んでいることが多い、という調査結果が出たそうです。
※カリキュラムマネジメントの関連記事
・中学校の学習指導要領改訂案で気になったこと5つをまとめてみた(総則編)
・高校教員が行うべき次世代の「評価」とは?〜カリキュラムマネジメントを具体化する〜
私の関連記事よりも中原先生の言葉で定義し直してもらいましょう。
この①②③のうち、最も重要なのは①だそうです。
その理由は、「イメージ(見える化)されていないものはマネージできない」から。
こんなカリキュラムマネジメントはいやだ、というのは例えば、
- 3K(勘・経験・気合い)
- IKB(行き当たりばったり)
- 「やったことにしといて」と管理職に投げられる
というものが上がっていました。会場笑ってたけど、笑えない人もいただろうな…
だから、特に今後5-10年は国も学校も「見える化」された議論が前提として話が進んでいくだろう、とのこと。それはつまり、「データに基づいた議論」ということ。
その議論は大学ではすでになされていて、実際に各大学にIRがすでに部署として設立されていることが多い。その流れは高校にもくるだろう、とのことでした。
第2部:データから考える人づくり〜桐蔭学園の実践〜
その高校版IRをすでに実現しているのが、やっぱり桐蔭学園です。
もはや桐蔭学園を知らない人はいない、くらいですね(笑)
ここはやっぱり同じ学校現場の実践ということで、勉強になりました。
川妻先生も、登本先生も授業を持ちながら、兼務ということだったので相当お忙しいのだろう、と思いましたが、まさに学習する学校を地で行ってますよね…
撮影不可のスライドもありましたが、撮れたものだけでも共有させて頂きます。
こういう組織図って他校と比べることがないので、新鮮でした。
なんか、そう考えるとうちの学校はすごいことになってるなあ…
あれ、なんだかうちの学校でも行けるんじゃない?と思えるもの…
管理職だけでなく同僚の理解が一番障壁になりそうですね…
これは田村先生のこのハンドブックの転載です。
ア〜オを各校で具体化することで、漠然としているカリキュラムマネジメントがその学校独自のものとして浮かび上がってきます。
こういう学校づくりの地道な議論がなされているのが素晴らしいですよね。
こういう教員もいるんですよ!というぶっちゃけた指摘は辛辣でした(笑)
アンケート分析が撮影不可だったので掲載できないのですが、まさにデータに基づいた学校づくりの議論をされていて、「あ〜〜うちもこうやって議論したい〜〜!!」と強く思ったのは私だけではないでしょう…
やってみて不安を払拭する、まずやってみる大切さを強調されていて、当ブログの勢いでつけたダサすぎるタイトルも報われた気がします…
「走りながら、考えていきましょう」は溝上先生のお言葉。
この言葉には桐蔭学園でも反発もあったそうですが、やってみるとやっぱりそうだった、ということを実感を持って語られていたことが印象的でした。
第3部:テーマ別分科会〜教科横断カリキュラムの可能性〜
ここは全部面白そうだったのですが、私が割り振られたのはこちらでした。
ワークショップがメインだったのですが、
実践報告で都立高島平高校の大畑先生のお話は地歴公民科の人間としても聞けてよかったです。こちらの記事が大変わかりやすいのでぜひどうぞ。
教科横断授業の実践例が紹介されたあと、SDGsの17の目標をとっかかりにしたワークショップへ…
えんたくんを使いました!
ここはあんまり記録が残っておらずすみません…第4部へ…
第4部:IRで高校が変わる!学校づくりの未来構想
最後はもう一度中原先生のお話でした。まとめの講演です。
立教大学経営学部への「異動」のお知らせ!:東京大学を「卒業」します! | 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する
アクティブラーナーズサミット2018、中原先生の研究室の3年間の総まとめ。データから語ろう、個々の教員もだけど学校「組織」として学びを再構築しよう、という趣旨。新しいことを学んだというより、今の組織・担当で何ができるか、ばかり考えていた5時間。理論家不在の組織でどうチームビルドするか。
— やっちゃえ先生@探究の評価 (@Yacchaee) 2018年3月21日