やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

2018-01-01から1年間の記事一覧

【書評】『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』②〜素晴らしい教師に必要な条件とは?〜

昨日の第1章書評に引き続き、今日は第2章「ワークショップの準備」です。 いきなりですが、「素晴らしい教師に必要な条件」とは何でしょうか…? 素晴らしい教師に必要な条件とは? 「 」とは? 「宿題でやってきて」 と思っていたら、訳者コラム! ハードへ…

【書評】『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』①〜「譲り渡す」教育と社会科の悩ましさ?〜

訳者注がめちゃめちゃ丁寧… 社会科の悩ましさと吹っ切れ感の同居 一方で、 「譲り渡す」こと 先達に学ぼう① 先達に学ぼう② 先達に学ぼう③ おわりに お待ちかねの一冊、わくわく読み進めています! 第1章を読んだだけですが、『イン・ザ・ミドル』は第3版であ…

この夏に読みたい「教育」を考えるオススメ本10選!〜保存版〜

ようやく、どの学校にも夏休みが訪れたと思います。教員にとっては一年で最も鋭気を養い、中長期的なことを考えられる期間。読書をしない手はありません。 学習指導要領改訂のタイミングも重なり、学校にいる人間としては教育界が少しずつ動いていこうとする…

生徒と向きあう時間の大切さを痛感し、AO入試の志望理由書に思うこと

ようやく1学期に終わりを告げられる気配がして来ました。 まだ面談に部活に諸々あるけれど、とりあえず目先のことに終わりが見えて来たことが何より安心。そしてもう一つ嬉しいこと。

レポート課題のジレンマ&岩瀬先生のひとこと〜教師の専門性を高める最も基本的なこと〜

6月はずっとゆとりがなかった。夏休みの私的な予定もきちんと立てきれないくらいバタついていたし、生徒との時間もせかせかしていた。 残業時間は完全に過労死ラインを超えています。私の頭皮もそろそろ危ない。 なぜこんなに多忙だったか?

W杯日本vsポーランド戦のラストに起こったことをゲーム理論風に解説してみた

W杯グループリーグ最終戦、結果は0-1で日本が敗れましたが、セネガルvsコロンビアが0-1で終わったことで、日本はグループ2位決勝トーナメント進出を決めました。 試合終了後、twitterにゲーム理論じゃね?というコメントがあったのを見て、確かにそうかもし…

教員の働き方を考える〜中学と高校の違いは?専門性・生活指導・給与〜

教育実習生と話していて、中学と高校の免許を取ったけれど違いをどう考えればいいか、という疑問があったので、中高一貫校と高校で働いたことのある身として思うことをまとめておきます。 ※特に今日の記事は批判的にご覧ください。あくまで主観です。 ①教科…

【実践報告】スパイダー討論の意義と振り返り②〜真のアクティブラーニングを実現したい〜

前回の反省も踏まえて、2回目のスパイダー討論を行いました。 なぜスパイダー討論か? 2回目の討論を実施した振り返り! ①「なぜ均等に発言することが重要なのか?」に答えを! ②「どのような問いが議論に値する問いか」の共通了解を! ③「グループでの評価…

評価に占める定期試験の割合を50%以下にしてみようと思う。〜評価したいのはどんな生徒か?〜

休みのない6月。目先のことで生徒も私も手一杯なのですが、某先生を見習って一日の考えたことも含めなるべく更新しておきます(三日坊主)。 期末試験をぼんやりと考えていて 定期試験はどうしても、いわゆる「知識・理解を問うような記号で答えられる問題」…

袴田事件・高裁の再審取り消し判断と私たちの感覚がズレる理由!〜裁判所の考える「再審決定」の条件とは?〜

あまりの驚きに仕事の手が止まってしまった午後でした。 死刑囚として世界一長い拘禁期間(ギネス記録)を経て、再審決定判決を勝ち取った袴田さんの再審への扉がまた閉ざされることになってしまいました。 もくじ 袴田事件とは 2014年・再審開始決定のカギは …

【実践報告】スパイダー討論の授業!課題と可能性〜ルーブリックの作り方と探究への誘い〜

スパイダー討論の授業実践を振り返って感じた課題を中心にまとめます。 話の前提となっているのはこちらの記事です。 www.yacchaesensei.com

【書評】『最高の授業 スパイダー討論が教室を変える』がスゴイ。安定の吉田新一郎訳本!

教育者必読の1冊がまた誕生しましたね… 吉田先生の訳本は理論に裏打ちされた優れた実践を日本の現場につないでくれます。 実際にこの本を読んで授業に取り入れてみたところ、圧倒的な可能性を感じてしまったので、実践報告記事も書きたいと思います。 間違…

広尾学園のすごいところを教員目線で解説する〜オンラインで定期試験を実施してもいいですか?〜

試験を校内ノートpcでgoogle form上で受験させるのにも会議で承認が必要。(ネットワークトラブルのための紙媒体も配布し、試験問題以外のタブは開かない設定+監督の目視あり)学校だよなあ、まさに。未来の公益のために審議にかけるけど、"ご批判"の矢面に立…

教育実習生に雑用をさせる学校は控えめに言って終わっている

ようやく怒涛の面談・保護者会・試験・部活引率の波を乗り越えたでしょうか。 昨年度は2ヶ月にひと波どばーんと来ていたのが、今年度になってから月1ですね。 そんな波を越えようとしている最中、流石に憤慨せざるを得ないメールが回っています。実習生受け…

授業準備が終わらない!教員の悩みとどう向き合う?〜「1学期分は終わらせておく」の真意〜

授業準備が終わらない!! …祝日のないGW明け〜7月頭に教員が直面する悩みの1つではないでしょうか。 かく言う私も「終わった!」と100%の気持ちで授業に臨めることは多くありません。 ただ、授業準備の考え方については、先輩方に教わってきたこと・取り組ん…

二者面談を続けていると社会人経験が生きてくる?〜民間経験者が教員になるメリット〜

GW明けの二者面談を継続しています。 高校生の面談をしていると、当然進路やキャリアの話につながってきます。 海外で働きたい、という生徒 その時に生きるのは自分が民間企業で感じていたこと。 転勤も経験したし、海外出張もあったけれど、感じていたのは…

担任がGW明けに年度初の二者面談を行うべき理由とは?〜面談にはふせんを使う?〜

今日から生徒も私も社会復帰。GW明けにいきなり面談をしています。 なぜこの時期に面談を入れているか? 端的に言えばコレです。

探究学習の限界に直面しているワタシの今後の授業構想メモ〜学びの「社会化」を実現する!!〜

明日から社会復帰、なのですが、このGWはゆっくりと今後の授業構想を練ることもできました。そこで思ったことを備忘録としてまとめておきます。 もくじ 探究型学習の実践をふりかえると 探究っぽい学習でいいのか…? じゃあ、ここから今年度はどうするか? …

松坂大輔はなぜこんなにもカッコいいのか?〜12年ぶり日本球界勝利で見せた"エース"の振る舞い〜

松坂大輔投手の日本球界12年ぶりの勝利に今日は酔いしれる夜となりました。 ここまで先発として3試合に登板した松坂投手のピッチングを観ていて、その姿に胸が打たれるものがありました。とにかくカッコいいのです。 もくじ 悲壮感が全くない 圧倒的なメンタ…

クラスがうるさくてどうしようもない、ワタシの4月ふりかえり記録!

ようやく4月の怒涛の日々が終わりに近づきつつあります… この1ヶ月、担任業務が始まって思っていることをまとめます。 アイキャッチ画像の編集とか、もくじとかの体裁を整えることで記事を書くハードルを勝手にあげているここ数日だったので、今日はつらつら…

Google Classroomを活用した授業実践!〜スマホで生徒の学びをキロクする!大福帳×ポートフォリオ【画像あり】〜

「Google Classroomを使った大福帳」の授業実践についてまとめておきます。※実際に使っているページのスクリーンショットも掲載しています。 大福帳のない授業は今は想像できないくらい、授業の核になっています。 2020.4/7 追記:記事の内容を一部Googleア…

年度始めの怒涛の1週間をどう乗り切る?〜教員が何よりもまずすべきこと!?〜

怒涛の年度始めでした。ちょっと想定の仕事量を超えていたので全くブログを書くこともできず、ただただ自転車操業… 3月に読みたい本を読みまくっていたツケ、と言ったらいけないけれど、ここまでその日暮らしになるとは思わず。そんな日々から学んだことを抽…

授業びらきで大切なこととは?〜自己紹介で終わらせない有効な初回ガイダンス〜

学級びらきや授業びらきの時期です。 色々とばたつく時期ですが、何事も最初が肝心。 今日は授業びらきについてまとめておきます。 もくじ 授業びらきで最も重要なことは? ①なぜこの科目を学ぶのか(学習目的) ②なぜこのやり方で学ぶのか(学習方法) ③こ…

【書評】溝上先生の『高大接続の本質』を読んで新年度の仕事に取り掛かろう!

10年間にわたる追跡調査の中間報告をまとめた1冊。 高校2年生から大学1年生の3年間を追跡調査してここまでで分かったことの総まとめです。 もくじ 高2の資質・能力が大学生になっても… 「いや、高3の受験で生徒は成長しますから大丈夫です」 文武両道…

教員はどのように自分の仕事の評価を獲得するか?〜強い教員集団とは?【多賀一郎×苫野一徳】コラボイベント感想②〜

こちらの記事の続編を書こうと思っていたら時が経ってしまいました。 www.yacchaesensei.com 記事末尾で、 この辺りの言葉をとっかかりに、続編記事をまた書きたいと思います! ・信頼する=覚悟、腹を決めるしかない ・教員がとにかくお互いを知ることが「…

【書評】『教育の効果‐メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化』ジョン・ハッティ~「教育=場の価値の最大化」?~

教育の効果をエビデンスで語ろう。 そんな21世紀の教育改革を、強烈に後押しする1冊です。 もくじ 教育=介入がどれだけの効果を持つか? 読みたいように読んでしまわないように 学力に「負」の効果をもたらすもの… 宿題の効果は? 自分に最も欠けているもの…

【資料あり】アクティブラーナーズサミット2018!〜3年間の研究調査の集大成〜

アクティブラーナーズサミット2018に参加してきました! ※画像はこちらより転載。イベント概要も書いてあります。 「高等学校における参加型学習に関する実態調査2017」の分析結果を報告するほか、教育員会の指導主事、教育センターの研修のご担当者、これか…

【書評】『アクティブラーニング型授業の基本形と生徒の身体性』は超オススメ!〜これが1000円でいいのか!?〜

本当に溝上先生と東信堂さんには感謝である。 タイトルが難しそうな印象を与えるが、現場の教員であればこの1冊は必携だ。 アクティブラーニング型授業の基本形と生徒の身体性 (学びと成長の講話シリーズ) 作者: 溝上慎一 出版社/メーカー: 東信堂 発売日: …

卒業シーズン!くり返し読みたい珠玉のメッセージ!~渡辺憲司先生と3.11~

もくじ 3月、必ず思い出すメッセージ 「時間を自分が管理できる煌めきの時」 新しい世界へ踏み出すあなたに贈る言葉 渡辺先生の「いま」 3月、必ず思い出すメッセージ 卒業シーズン。「卒業」と聞くと私にはこのメッセージが思い出されます。

【多賀一郎×苫野一徳】コラボイベント感想①〜問い続ける教師と20代の力量形成〜

昨日行われた多賀先生・苫野先生のトークイベントに参加してきました! 今、最も注目されている教育哲学者、熊本大学の苫野一徳と教師教育や保護者教育などを掘り下げて実践している多賀一郎とで、これからの学校の在り方や教師がどのようにリフレクションし…