やっちゃえ先生探究記

生徒の力が引き出される「学習者中心の学び」をデザインしたい教員です。地道な形成的評価を大切に。

担任・クラス運営

【書評】溝上先生の『高大接続の本質』を読んで新年度の仕事に取り掛かろう!

10年間にわたる追跡調査の中間報告をまとめた1冊。 高校2年生から大学1年生の3年間を追跡調査してここまでで分かったことの総まとめです。 もくじ 高2の資質・能力が大学生になっても… 「いや、高3の受験で生徒は成長しますから大丈夫です」 文武両道…

教員はどのように自分の仕事の評価を獲得するか?〜強い教員集団とは?【多賀一郎×苫野一徳】コラボイベント感想②〜

こちらの記事の続編を書こうと思っていたら時が経ってしまいました。 www.yacchaesensei.com 記事末尾で、 この辺りの言葉をとっかかりに、続編記事をまた書きたいと思います! ・信頼する=覚悟、腹を決めるしかない ・教員がとにかくお互いを知ることが「…

【書評】『教育の効果‐メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化』ジョン・ハッティ~「教育=場の価値の最大化」?~

教育の効果をエビデンスで語ろう。 そんな21世紀の教育改革を、強烈に後押しする1冊です。 もくじ 教育=介入がどれだけの効果を持つか? 読みたいように読んでしまわないように 学力に「負」の効果をもたらすもの… 宿題の効果は? 自分に最も欠けているもの…

【資料あり】アクティブラーナーズサミット2018!〜3年間の研究調査の集大成〜

アクティブラーナーズサミット2018に参加してきました! ※画像はこちらより転載。イベント概要も書いてあります。 「高等学校における参加型学習に関する実態調査2017」の分析結果を報告するほか、教育員会の指導主事、教育センターの研修のご担当者、これか…

卒業シーズン!くり返し読みたい珠玉のメッセージ!~渡辺憲司先生と3.11~

もくじ 3月、必ず思い出すメッセージ 「時間を自分が管理できる煌めきの時」 新しい世界へ踏み出すあなたに贈る言葉 渡辺先生の「いま」 3月、必ず思い出すメッセージ 卒業シーズン。「卒業」と聞くと私にはこのメッセージが思い出されます。

【多賀一郎×苫野一徳】コラボイベント感想①〜問い続ける教師と20代の力量形成〜

昨日行われた多賀先生・苫野先生のトークイベントに参加してきました! 今、最も注目されている教育哲学者、熊本大学の苫野一徳と教師教育や保護者教育などを掘り下げて実践している多賀一郎とで、これからの学校の在り方や教師がどのようにリフレクションし…

【書評】『学習する学校』⑤社会課題と”出会う”ことはいかにして可能か?~第13-16章:地方の公教育が示唆する可能性~

読了。達成感と解放感がすごいです。笑 正直、後半はかなりペースダウンしました。それはきっと

カルビー松本晃会長が語る「ひと」の育て方~学校教育で育てたい力とは?~

今日は出張でこちらのシンポジウムに参加してきました。 平日に出張で出かけて、実りが少なかったらどうしよう、と思っていましたが、そんな心配は杞憂に終わりました。 www.nikkei.com 登壇者も、豪華な顔ぶれでした!

【書評】『学習する学校』④正直に感想を言おう。~第8-12章:本気で学校を変えたいなら…?~

21世紀の「教育改革のバイブル」、後半を読み進めています。 今まで書いた書評記事も、章立てに合わせて貼っておきます。

【書評】『未来のイノベーターはどう育つのか』~創造性を育てるためには?オススメしたいもう1冊も合わせて~

大雪で業務も強制終了のため、記事を書く時間ができました。 あの大著学習する学校――子ども・教員・親・地域で未来の学びを創造する www.yacchaesensei.com を読んでいる途中に、寄り道をしてしまった本。 寄り道してしまった理由は、

【書評】『学習する学校』③まず教室で何ができる!?~第3~7章:選りすぐりの実践がズラリ~

通常業務が始まり、完全にペースが落ちながらも、”21世紀の教育改革のバイブル”『学習する学校』第1部 教室を読了しました。 学習する学校――子ども・教員・親・地域で未来の学びを創造する 作者: ピーター M センゲ,ネルダキャンブロン=マッケイブ,ティモシ…

【書評】『学習する学校』②教育を変える5つのメソッドとは?~第2章:100年の研究が教える方法~

年度の最後の学期が始まり、のんびり書評記事を書いている時間もなくなってきたのですが、やっぱりこの本については書いておきたい。

【書評】『学習する学校』①全おとな必読の第1章~産業化時代の教育システムとは?~

いやあ、すごい本だ。読みはじめたが面白い。 学習する学校――子ども・教員・親・地域で未来の学びを創造する 作者: ピーター M センゲ,ネルダキャンブロン=マッケイブ,ティモシールカス,ブライアンスミス,ジャニスダットン,アートクライナー,リヒテルズ直子 …

転記と評論家は諸悪の根源だから絶滅してほしい

年末、学校もなんやかんやで大忙しですね。 忙しくなると余裕がなくなり、ミスが増え、いいことは何一つありません。自分が人のミスも笑って許せるような状態を常に保ちたいのですが、そうもさせてくれないことが2つあるわけです。

授業中に内職をする高3生、あなたならどう対応する?~先生が意識している4つのこと~

※今日の記事はただの悩み相談です。先に断っておく。 授業中の内職、したことありますか? 世界史を教えているとあまり感じないのですが、公民科目を教えているとどうしても感じるようになる、授業中の内職。世の先生方はどう思っているのだろう? 多くの学…

中高生対象に授業アンケートを行うなら何を聞く?~4つのコツとGoogleフォームで効率UP!!~

あっという間に期末試験シーズン。おそらく世の中の教員のみなさんも、「これを乗り切れば…」という思いで胸がいっぱいでしょう。

授業見学の際にあなたはどこを観ていますか?~教員の視点・教育実習生の視点~

ニッチな記事だけど、これは前々から声を大にして言いたかったことを書いてみた。 今朝は疲れて惰眠をむさぼりながらTwitterを開くとこんなツイートが。

反転授業が広まらない最大の理由とは?

「反転授業」という言葉をご存知の方は多いだろう。 この言葉を聞くようになってから、もう数年が経つ実感があるが、いまだに日本の教育業界で反転授業が主流化しないのはなぜだろうか?

【実践報告&書評】質問づくり×学びの技で行う探究学習~全教科対応!練られた授業法~

皆さんはこの本、読んだことありますか?

入試結果・進路選択…生徒のモヤモヤに向き合う難しさ

AO入試の結果が続々と発表され、悲喜こもごものこの頃です。 一斉授業における参加型の「学び」と、個別化された探求型の「学び」を 同時に進めること は教員にとっても、労力がかかります。 そこに、のっかってくるAO・推薦入試。個別化された入試に挑む生…

学校で多数決を使うのは禁止すべき?~本当に良い「決め方」を教えてくれる1冊~

多数決以外の決め方をいくつあげられるだろうか? くじ引きやじゃんけん?責任者での話し合い?学校現場での「決め方」はワンパターンだ。 しかし、いつから多数決が当たり前に使われるようになったのだろう? クラスの委員決め、合唱曲の曲決め、指定校枠で…

博多高校事件のその後と尾木直樹氏の「情けない」発言に感じる違和感

教育は基準により人を断罪し、逸脱した者を排除するシステムではない 博多高校で起こった暴力事件について、様々な方が様々なことをおっしゃっている。 教育は、ほぼ誰もが経験したことがあり、物申せる分野だ。それは良し悪しがあれど、共通の土台にもとづ…

高校生が授業中に教員に暴行…の裏にある「常勤講師問題」とは?

高校生が授業中に教員を暴行した、このニュース。 「生徒(暴行した生徒だけでなく周りも含む)がひどい」という個人・学校の批評とは違う角度から、2点だけいいたい。 news.livedoor.com まず、この教員(23歳・新任)はえらい 前提として、自分もつられて当該…

民間企業を経て教員になった私の心を突き刺したアドバイス5選!

最近、たまたまこういう相談が重なったので書いておこう。 教員になりたいという気持ちはあるけれど、今すぐなれる自信はないし、一度は企業で経験してみたい、などなど、状況は人によってさまざまだ。 今日は自分のエピソード、というより、自分の意志決定…

教育業界にAmazon Inspireがやってきた!~Google,リクルート…大手の参入つづく!~

また驚きのニュースだ。ご存知の方も多いかもしれないが、Amazonが教育業界に参入し(てい)た。 その名も、Amazon Inspire 実はアメリカの教員限定で公開されていたサービスだったが、この9月から全教員に解放された。 正確には、教員でなくてもamazonアカ…

東北大のAO入試問題がすごいので見てほしい!

いやあ、やっぱりすごいと思うので見てほしい。 とっても月並みな言葉だけど、東北大のAO入試がアツい。 受け持っている生徒も推薦・AOの添削を頼みにきてくれるのだが、やはり色々な大学の問題をみても、これからますます大学入試はこういう方向に行く…

一般入試よりAO入試が主流になる…?~教員と生徒はきっとこうなる、なり始めてる~

面白い調査結果も見つけたので、現場の実感と合わせてまとめておきたい。 現在の中学3年生からは、大学入試において「センター試験」がなくなる。 記述問題が導入されたり、英語に関しては外部検定の導入までされるというニュースを耳にしたこともあるだろ…

【書評】科学が教える子育て成功への道~単なるhow to本ではない学習科学の知見!~

夏は授業の内容(Contents)だけではなく、まとまった時間を理論の勉強に費やせる貴重な時間だった。ということで、紹介したいのがこちらの新刊。 科学が教える、子育て成功への道 作者: キャシー・ハーシュ=パセック,ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ,今…

主体的で深い学びを実現している生徒が本当にすごい!~ソクラテスの語る教育とは?~

教育とは何か?ということを考えたことがあるだろう。古代ギリシャの哲学者・ソクラテスをご存知だろうか? 無知の知を自覚し、対話を通して真理の追求を目指した哲学者だ。(簡単に言いすぎ) 上の絵はあの有名な「ソクラテスの死」。「悪法も法なり」と言…

リクルートと河合塾が高1・2向けに新展開するテストの狙いとは~ピンチを迎えるのはあの大企業?~

夏。教員にとっては、引率と読書に明け暮れる夏。 当然部活もあるが、幸いブラック部活化しておらず、そこまでの勤務負担はない。だからこそ、この立場に甘んじていてはいけない、とひたすら読書をしていたら、友人がこんなニュースを知らせてくれた。